中国で大気汚染深刻 英ロンドンではスモッグで1.2万人死亡のケースも
XINHUA.JP 1月17日(木)5時28分配信
【新華網】 中国では北京を含む大部分の地域で空気汚染が深刻化し、体調不良を訴える人が出ている。特に高齢者や子供、呼吸器疾患の患者は注意をする必要がある。過去の深刻な大気汚染の例では、1952年、英ロンドンでスモッグによって1万2000人が死亡した「ロンドンスモッグ」が知られている。英国の52年当時の経済発展レベルと1人当たり国内総生産(GDP)は、現在の中国とほぼ同じだ。2つの国での大規模大気汚染は、偶然の出来事ではないだろう。環球時報が伝えた。
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52年12月、ロンドンスモッグは5日間も続いた。最も直接的な原因は発電所と家庭での石炭使用と、自動車の排気ガスだった。スモッグによる直接的な死亡者数は4000〜6000人に上り、主に子どもと呼吸器疾患患者だった。これは全国的な災害と言える。死亡者数は現在の中国の人口に換算すれば8万人に相当する。スモッグは人々の健康に大きな影響を与えた。最終的な死亡者数は1万2000人で、中国の人口に換算すれば25万人近くに上る。
52年当時、英国の工業は経済に占める割合が過去最高となり、その後、サービス業が拡大した。1人当たりの所得と工業構造を見れば、当時の英国は現在の中国に似ている。英国は工業化のために大きな代償を払ったことになる。中国も同様だ。両国民は貧困から脱したが、大規模な環境破壊が起きた。人口が中国を大幅に下回る英国でも、状況改善には10〜20年がかかった。
こうした対策には政府の決意と国民の支持が必要だ。自由市場と低予算の投資では、汚染問題を解決できない。自由市場は汚染を招く。環境保護技術はコストが高く、低予算の投資が汚染を深刻化させる。こうした災いが再び起こることを防ぐため、政府はクリーンエネルギーの発電所と関連産業に対する大規模投資を厳しく規制する必要がある。これは環境対策の唯一の道だ。中国でロンドンのような大規模公害が起こらないことを望むばかりだ。
(翻訳 王秋/編集翻訳 恩田有紀)
最終更新:1月17日(木)5時28分
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