石井慧、判定勝ちも酸欠でぶっ倒れた…ＩＧＦ

ティム・シルビア（右）に判定で勝利した石井

　◆ＩＮＯＫＩ　ＢＯＭ―ＢＡ―ＹＥ２０１２（３１日、東京・両国国技館）　北京五輪柔道男子１００キロ超級金メダリストで格闘家の石井慧（２６）＝Ｉ　ＤＡＳＨ　ＲＨＩＮＯ＝が、米最大の格闘技団体ＵＦＣの元ヘビー級王者ティム・シルビア（３６）＝米国＝に３―０の判定勝ち。２０１１年大みそか以来１年ぶりの復帰戦を飾った。

　試合終了後の石井を待っていたのは、強烈なブーイングだった。序盤からペースを握りながらも“１本”を取れないという課題は克服できず。花道を戻ってくると酸欠でぶっ倒れた。「今回は技術より気持ちで勝てた」。落ち着くと満足そうに振り返ったが、観客との“温度差”は激しかった。

　１１年の大みそかは、元ＰＲＩＤＥヘビー級王者エメリアーエンコ・ヒョードルに２分３４秒で惨敗。年越しのカウントダウンを、リングに横たわったまま聞いた。「（その後）せっぱ詰まって生活をできるのかと思った時期もあった」。土俵際からの大逆転を狙ったが、強さを見せつけられなかった。

　昨年７月に米国のグリーンカード（永住権）を取得した。今年中には国籍を取得する見込みで、目標とする柔道同国代表での１６年リオデジャネイロ五輪出場に大きく前進した。今後は二刀流で世界一に挑む。