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掲載日:2012年12月27日
■総合保険代理店内定 | |
就活というのは、 企業と自分の物語を作っていくこと |
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中央大学 法学部 4年 菅原瀬奈さん |
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お客さまの大切なお金を託されるだけあって、金融の仕事は信頼関係が大切なんだな…。大学3年生の6月に地元・新潟県の銀行のインターンシップに参加し、社員の方たちの話を聞いた時、しみじみとそう感じました。もちろん、きれいごとばかりではないかもしれませんが、だからこそ私には向いているかもしれないと金融に興味を持ったんです。もともと人が好きですし、ゼミで勉強している相続法でも「昼ドラ」ばりの人間臭さのある課題に、どう解決法を見出していくかというところに面白さを感じていたので(笑)。
IT企業の個社説明会に参加するなど最初はほかの業界にも目を向けてみたのですが、興味を持てませんでした。それだけ志望がはっきりしているのだろうと考えて、金融業界に絞って活動することに決め、個社説明会では生保、損保、銀行などのビジネス領域の違いやそれぞれの企業の特色について知識を深めていきました。
インターンシップを経験したこともあって、就活スタート時に特に興味を持っていたのは、銀行でした。ところが、個社説明会に参加して社員の方にお話をうかがってみると、生保や信託銀行では大学で学んだ相続の知識を生かすこともできると聞いて関心がアップ。また、金融の仕事はお金という形のないものを扱うだけに、どのビジネス領域でも知識やコミュニケーション力が求められ、そこが面白いと感じました。最初は個社説明会の段階で応募する会社をある程度絞り込むつもりでしたが、どの会社も仕事内容が魅力的で「あの会社もいいな」「やっぱりこっちかな」と志望企業が増えていくばかり(笑)。結局、興味を持った企業はすべて見てみようと、50社ほどに応募しました。
エントリーシートはどう書いていいのかわからなくて、苦労することに…。金融の選考では「信頼できる人材かどうか」が重視されると考え、ねばり強く、物事を簡単にあきらめない性格をアピールしようと考えたのですが、最初に書いたものをキャリアセンターで見てもらったところ、「漠然としていて、個性が伝わってこない」と指摘されました。
内容を裏づけるための具体的なエピソードを書き添えた方がよいとも教わったのですが、私はサークルにも所属しておらず、ノウハウ本の自己PR文として並んでいるような輝かしい話がひとつもなくて。悩んでいた時に、キャリアセンターの方から「経験の大小よりも、物事にどんな姿勢で取り組んできたかを伝えることが大事」と教わりました。そこで、不測の事態にあきらめず対応してゼミの発表を成功させたことや、飲食店のアルバイトで失敗を経ながら成長してきたことなど等身大の自分について伝えることに。その後は筆も進み、エントリーシートを提出した企業のうち8割で次の選考に呼ばれました。
銀行や生命保険会社の面接のピークは4月の1週目でした。1日3社の1次面接が重なる忙しさでしたが、ほとんどが不合格。一社ごとにじっくり準備できなかったのが理由のひとつだと思います。もう少し応募先を絞り込んでおけばよかったと反省しました。
ただ、今思えば、自分の中で志望動機が腑に落ちていなかったところもありました。銀行も生命保険会社も仕事内容には魅力を感じていたのですが、企業研究をしてそれぞれの会社が特徴のある商品を提供していることを知れば知るほど大きくなった疑問があったのです。その疑問とは、当然の話ではありますが、どの会社も自社の商品しか扱えないということ。私の志望は営業でしたから、入社後はお客さまの課題を解決するのが仕事。そのときに「お客さまのために最適なプランを提供します」と言いながら、立場上自社の商品しか勧めることができない。それで本当に「最適なプラン」と言えるのかなという思いがどこかにあったんです。
最初はまったく選択肢に入れていなかった「総合保険代理店」に興味を持つようになったのは、その疑問からでした。総合保険代理店なら複数の会社の商品を取り扱いますから、お客さまそれぞれに合ったプランを提供しやすくなります。多様な商品を扱うので勉強しなければいけないことも増えますが、その分知識を蓄えられるのが魅力だと感じました。そこで、個社説明会で興味を持った総合保険代理店を受けてみたところ、志望動機も自己PRも背伸びせずに話すことができ、選考もスムーズに進んで内々定をいただきました。
その総合保険代理店に入社を決めたのは、小規模で風通しがよく、社風が自分に合っていると感じたことも大きいです。内定式の後の懇親会では、「将来的には世界規模の仕事がしたい」と社長に向かって大きな夢を語ってしまいました(笑)。全世界にネットワークを持つ企業を相手に生命保険や損害保険を提案する仕事なので、「夢ではないよ」と社長は言ってくれました。自分にぴったりな会社に出合えてよかったなと思います。
就活というのは、企業と自分の物語を作っていくことだと私は思います。企業のカラーに自分を合わせて志望動機を話しても無理が生じるし、企業のことをよく調べもせずに熱い思いをぶつけても的外れなだけ。企業研究をしっかりと行ったうえで、「その会社で働いている自分」という物語が鮮明に描ける会社に応募すれば、面接でも自然体で自分をアピールできますし、納得のいく就活ができると思いますよ。
大学から親元を離れて暮らしているので、少しでも自活しようと大学1年生の時にカレーショップでアルバイトを始めました。最初は慣れない接客に戸惑って店長から叱られてばかり。でも、うまくいかないからといって投げ出したくなかったので、お客さまの顔といつも注文するメニューを覚えるなど自分なりに目標を決めて続けました。そのうちに仕事が面白くなってきて、4年生の今も続けています。学生時代にひとつの物事を頑張れたというのは、就活で自分について話すにあたって少なからず自信につながりました。
大学のキャリアセンターで募集を見つけ、地元・新潟県の銀行のインターンシップに参加。社員から仕事内容についてリアルな話を聞き、金融の仕事のキーワードは「顧客との信頼関係」であると感じ、興味を持つ。
大学の先輩から、「時間のあるうちに筆記試験の対策をしておいた方がいい」とアドバイスを受け、まずはSPIの問題集を1冊購入した。
大学の就職セミナーに参加し、就活の流れを把握。インターネットや雑誌などの情報をもとに企業研究を進める一方、ノートに自分の強みを書き出すなど自己分析を始める。
生保、損保、銀行を中心に説明会に参加。最初はITなど他業種の説明会にも顔を出したが、興味が持てなかった。また、エントリーシートの提出も開始。提出前にキャリアセンターで見てもらったところ、「内容が漠然としている」と指摘を受け、自己分析をやり直して自分ならではのエピソードを盛り込むようにした。
個社説明会参加とエントリーシートの提出で忙しかったが、なるべく普段通りの生活を心がけ、休日は好きな歌手のイベントに参加するなど気分転換をして、メリハリをつけて活動を続けた。また、この時期に入社1年目の生保の社員1名を訪問。質問内容を用意して臨んだが、当日は遠慮してしまい、あまり深い話を聞けなかった。
4月1週目は最高で1日3社の面接を受けた。結果が出ず、再び自己分析をやり直して面接で話す内容を整理し、4月中旬からの面接に臨んだ。入社予定の総合保険代理店の面接も4月中旬にスタート。3回の面接(一次のみ集団面接)を経て4月末に内々定を得た。5月中旬に地元の銀行からも内々定をもらったが、事業内容と社風に魅力を感じて総合保険代理店に入社を決めた。
シンプルで清潔感のある服装を心がけた。シャツはレギュラーとスキッパーの2種類用意し、訪問する企業の雰囲気に合わせてどちらを着用するかを決めた。かばんは書類を取り出しやすいよう、ファスナーがサイドまで広がっているものを選んだ。また、靴は当初ストラップ付きのものを用意したが、ストラップ部分の靴ずれが激しくストラップのないものに買い替えた。
取材・文/泉彩子 撮影/臼田尚史 デザイン/ラナデザインアソシエイツ