妙“技”龍！白鵬に続き琴欧洲破る連日の快挙…初場所４日目

妙義龍（右）は琴欧洲をはたき込みで破り連日の殊勲

　◆大相撲初場所４日目　○妙義龍（はたき込み）琴欧洲●（１６日・両国国技館）　全勝は４人　西前頭筆頭の妙義龍が、連日の大物食いをやってのけた。大関・琴欧洲をはたき込みで破り、３日目の横綱・白鵬に続いて殊勲の白星。国技館を訪れた母校・日体大の応援団の声援を力に変え、２勝２敗の五分に戻した。大関陣は稀勢の里、鶴竜、琴奨菊にも土がつき、２０１０年春場所中日以来となる４大関総崩れ。４日目を終え、全勝は横綱・日馬富士と平幕の栃ノ心、北太樹、栃乃若の４人となった。

　妙義龍が２日連続で大物食いを果たした。琴欧洲に立ち合いで鋭く当たった。動いて首筋を両手で下に押し込むと大関の両手は土俵についた。「初めて勝ったっすね。当たり負けしたけど、その後がうまくとれた」前日に白鵬から金星を奪った勢いをキープ。過去４戦４敗の大関から初白星を奪い笑顔がこぼれた。

　母校からパワーをもらった。母校の日体大関係者約４５０人が初めて国技館へ応援に訪れた。学内の団結力を高めることが目的で系列校の日体荏原高、大学チアリーダー部、相撲部などが来場。現在、日体大卒は幕内には自らと嘉風、千代大龍の計３人、出身大学別で角界最多を誇る。２階席から各関取のしこ名の書かれたプラカードを掲げ声援を送った。エールを受けた妙義龍は「めっちゃ声が聞こえた。すごく気合が入った」と母校の声援に感謝した。

妙義龍に声援を送る日体大の後輩たち

　相撲部で昨年１１月の全国学生選手権を制し、学生横綱に輝いた中村大輝さん（２年）は「プロでやってみたい気持ちが強くなった」と刺激を受けた。大学関係者によると今後も継続的に応援ツアーを開くことを検討中。チアリーダー部の山本リサさん（３年）は「ぜひやってもらいたいです」と次回の開催を熱望した。

　日体大勢は箱根駅伝で駅伝部が３０年ぶりに総合優勝。ＯＢでは体操部の内村航平（２４）＝コナミ＝が昨夏のロンドン五輪の体操個人総合で金メダルを獲得するなど勢いづく。妙義龍も「母校には『つながり』がある」と特別な思いを語った。５日目は稀勢の里戦。「まだ始まったばかりですから」。白星を重ね自らと母校の名をとどろかせる。

　◆妙義龍泰成（みょうぎりゅう・やすなり）本名・宮本泰成。１９８６年１０月２２日、兵庫・高砂市生まれ。２６歳。境川部屋。埼玉栄高から日体大に進み、大学４年時に大分国体優勝。２００９年夏、幕下１５枚目格付け出しで初土俵。１０年初、新十両。１１年九州で新入幕。最高位は関脇。技能賞４回。十両優勝２回、幕下優勝１回。１８６センチ、１４７キロ。得意は押し。