ペレットストーブ、震災機に人気上昇(2013/01/14 22:26)
自宅のペレットストーブに木質ペレットを補充する平野元基君
 寒い冬に欠かせない暖房器具の中でも、高騰する原油や環境への配慮、電力不足の懸念などを背景に近年、木質ペレットを使用したストーブが人気だ。東日本大震災を機に、青森県内でもペレットストーブを導入する家庭や店舗が、徐々に増え始めている。
 おいらせ町下明堂の海上自衛官平野和彦さんは、震災直後の2011年4月、ペレットストーブを購入し、自宅で使い始めた。
 エコにはもともと興味があったというが、決め手になったのは震災による大停電。「確実に暖を取れる手段が欲しかった」と振り返る。1台30万円と高額だったものの、設置は簡単な工事で済むと知り、導入を決めた。
 2年近く利用して実感した一番のメリットは、暖房費の節約だ。灯油ストーブ使用時は1カ月当たり1万5千円だったのが、1万円ほどに減った。「暖かさも、これまで以上」と笑顔を見せる。
 燃焼した灰が内部にたまるため、定期的に掃除をする必要があるが、「環境に優しいことを考えると、買って良かった」。
 息子の町立百石小学校1年の元基君は掃除も手伝う。「家に来た友達が(火が燃えているのを見て)びっくりしてた。格好いいよ」と満足そう。
   同町鶉久保のケーキハウス「白い森」はテラス部分に設置し、幻想的な空間の演出に一役買っている。取締役チーフの工藤譲さんは「ストーブの窓から、ゆらゆらと揺れる火が見えるところがいい。女性客からの評判も良好」と語る。
 「思っていたよりもコストが掛からない」とも感じている。1袋10キロ入り(市販で数百円台)のペレットで約12時間、運用が可能という。「何より環境に貢献できている気がする」と工藤さん。
 県林政課によると、11年12月末現在、県内ではペレットストーブ465台が各家庭や店舗に導入されている。その数は年々、増加する傾向にある。
 ペレットストーブの販売、木質燃料の普及活動を行う三沢市の建材販売会社「高橋」は「震災による停電や原油の高止まりを懸念して、興味を持つ人が増えている」という。
 ただ、商品が高額なことや、手入れの面倒さを理由に購入を断念する人も多いのが現状だ。同社は「ペレットを利用した産業は、これから伸びる。今後も普及活動を続けていきたい」としている。(藤村大地)
【写真説明】
自宅のペレットストーブに木質ペレットを補充する平野元基君

【ペレットストーブ】
 木質ペレットを燃焼させ、熱を生み出す。排気口は屋外に設置することから、室内を換気する必要がなく、排出する二酸化炭素の量も少ない。木質ペレットは間伐材を破砕し、直径約7ミリの固形燃料に成型した物で、化石燃料の代替品として注目されている。

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