12月から巨人のヘッドコーチに二軍監督の川相昌弘氏(48)が就任する。原沢敦球団代表兼GMから守備、犠打といった「基礎の向上」を厳命されての“配置転換”となったが、一方で「鬼軍曹」とささやかれた厳しい指導を一軍にも持ち込むのか、という点でも注目されている。現在の胸中を直撃した――。
――原沢代表兼GMは守備、犠打のレベルアップを期待している。直接、そういった話はあったのか
川相新ヘッド:その話はもちろんありますよ。ただ、守備走塁コーチというのは勝呂さん(内野担当)と大西コーチ(外野担当)がやるので、(自分は)それをメーンにするわけではない。手伝いというか、一緒にやりながらということ。
――2年連続で実施した「バント講座」も行うと
川相:(2011年に)ドラゴンズからこっちに帰ってきたときから、バントの練習や「バント講座」っていうのはやらせてもらっているし、原監督と岡崎ヘッドから頼まれてやってきた。改めてやるわけではなくて、2年前から始まっている。チームとして監督としての方針があるなかでやってきて、犠打の成功率もかなり上がってきている。それに(来季から)僕がいることで、技術的なことや考え方を教えて、前より確実にできるように、ということで(フロントから)話はいただいている。
――今季の原監督の采配はバントのみならず、セーフティースクイズや重盗など多彩だった。こういった「原野球」の精度を上げていくと
川相:原監督が目指してきた野球っていうのがそれなのかはわからない。この2年間でテレビとかで見た程度で、すべてを知っているわけではないんでね。ただ(今季は)そういう場面を見ることが多かった。二軍でも一軍に上がったときに困らないようにということで準備はやらせてきたつもりです。もちろん、100%成功したかと言われたらそうではないが、2年前の成功率7割が8割以上になっている。かなり意識は高まってきているのは間違いない。僕が行くことによって、より確実にできるようになればいいと思いますけどね。
――二軍では選手への厳しい指導が有名だった。一軍にもその厳しさを持ち込む考えはあるのか
川相:そういえば(東スポに)書いてた(「二死走者なし」という状況で打順が回ってきた某選手に「送りバント」のサインを出した)よね。別に「厳しい」といっても、当たり前のことを言っているだけ。東スポさんには「厳しい」って書いてあったけど“はき違えた”厳しさになっている。それを一軍に持っていって、どうのこうのするという受け取り方になっているわけよ。帰らせただけで「厳しい」とかなっているけど、そこにはいろんな“伏線”があって、その選手をそういうふうにしただけだから
。
――もちろん、二軍は育成の場ですし、こちらも「はき違えた」わけではないですよ
川相:厳しいのは当たり前じゃないですか。一軍に行ってもやるべきことはやらなきゃいけないし、そうじゃないと今年の一軍だって勝てるわけがない。僕ができる最大の努力はするし、選手にもやるべきことをキチッとやってもらわないと、チームも勝てない、と思っているだけです。(一軍で)それ以上に特別厳しいことをやらせる、みたいなことはないです。当たり前のことを当たり前にやるだけですから。
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