豪栄道(奥)が突き落としで琴奨菊を破る=両国国技館で(佐藤哲紀撮影)
|
![写真](/contents/110/417/106.mime4) |
◇初場所<4日目>
(16日・両国国技館)
大関昇進への足固めを狙う関脇豪栄道(26)が全勝だった大関琴奨菊(28)=佐渡ケ嶽=を破り3勝目をあげた。稀勢の里が把瑠都、琴欧洲が妙義龍、鶴竜も安美錦に苦杯をなめ、大関全員が敗れ、2010年春場所8日目以来の4大関総崩れとなった。再入幕した東前頭15枚目の栃乃若(24)=春日野=が磋牙司を破り、横綱日馬富士、栃ノ心、北太樹ともに初日から4連勝。横綱白鵬(27)=宮城野=は豊ノ島を押し出して連敗を免れた。
◆妙義龍に刺激
続々と敗れていく大関陣。最後に登場した琴奨菊を突き落としで破ったのは、今場所を大関とりへの足掛かりへ、と意気込む関脇豪栄道だった。
当たって、すぐ右四つに。そして左をおっつけながら絶対に琴奨菊の得意な体勢をつくらせない。圧力をかけながら左へ回り込むと足がそろってバッタリ倒れた大関に「下手を引いていれば」と悔しがらせた。「立ち合いが良かった。落ち着いて自分から動こう、と。タイミングが良かった。何が何だか分からなかったけど、相手が崩れてくれました」。腕を組み、じっと前を見据え、冷静さを保ちながらも一瞬表情を緩めた。
同じ境川部屋の僚友、妙義龍が3番前に大関琴欧洲を倒した。前日には横綱白鵬から金星を挙げ存在感を示した。「やっぱり勝っているのを見ると刺激になる。自分も目立ちたい!」
◆大関戦6連勝
その意味でも先場所からの大関戦6連勝は何よりのアピール材料になるだろう。「先場所は先場所。自信なんてない。みんな強いし、厳しい相撲をとらないと勝てない。集中するだけ」と慢心などみじんもない。
高まる周囲の期待はヒシヒシと感じている。先場所、関脇で初の2桁となる11勝をマーク。大関昇進への目安となるのは3場所で通算33勝。もし今場所2桁勝てば地元・大阪での3月の春場所では確実に大関とりが視界に入る。
「まだ4日目なんで。15日間が終わってそういうことが言えたらいいですね」。静かに闘志を高め、まずは足場を固めていく。 (竹尾和久)
この記事を印刷する