追跡:2013ひろしま 広電社長解任劇 「独断的経営」募った不信 /広島

毎日新聞 2013年01月15日 地方版

 ◇前社長「手法の相違」と反論

 広島電鉄の越智秀信前社長(55)が8日の臨時取締役会で、取締役に降格した突然の解任劇。越智氏が取締役会に諮らず進めてきた運賃値上げ方針や、JR広島駅に広電が乗り入れる「駅前大橋線」の地下への乗り入れ主張など「独断的な経営」に役員らが反旗を翻した形だが、越智氏は「そういうつもりはない。やり方の違いだ」と反論している。【植田憲尚】

 ■独自色意識

 越智前社長は09年、当時の大田哲哉社長(故人)の招きで国土交通省から常務として迎え入れられ、10年6月に社長に就任した。駅前大橋線の地下化のほか、昨年は路面電車開業100周年を迎え、バリアフリー対応の超低床車両の導入強化などサービス向上計画などを次々と発表した。値上げ方針は、車両更新の原資を捻出するためだった。

 ある広電関係者は「官僚出身なので、どうしても『よそもの』と見られていた。大田さんの色を薄めて独自色を出そうとしていた」。椋田昌夫新社長(66)も「腰が軽く、どこでも知り合いを作って人脈を紹介していただけた。新たな広電にするうえで、社員出身でない人を社長にしたのは良かった」と語る。

 ■「背信行為」

 ただ役員はそれ以上に、越智氏の経営手法が組織を弱体化させると判断した。「報道先行で担当者は困った顔をして私に相談に来る。1年前から、『みんなが付いて来なくなるからやめてもらえませんか』と言っていた」。椋田社長は9日の記者会見で、越智氏への不満が社内に募っていたと強調した。

 年明けの突然の解任決定に「12月になって我々の知らないところで前社長が契約を進めようとした案件があることが分かった。背信行為であり、緊急性を要した」と説明する。専務だった椋田氏は12月25日から各役員に働きかけを始めた。

 年明けの4日、役員の恒例行事として、社の重要事案を意見交換するために設けられた場で、椋田氏は越智氏の解任を求める8日の臨時取締役会開催を打診した。越智氏は各役員に「椋田氏以外の意見も聞きたい」としたうえで了承したが、直前の7日夜になって取締役会の延期を求めるメールが役員に届いた。しかし取締役会は8日に開催され、出席した常勤役員の全会一致で解任が決まった。

 ■役員に留任

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