Ａ　パンダを「復興のシンボル」にしたいとの思いがあります。９５年の阪神大震災で被災した神戸市にも、００年に中国からパンダが来ました。同市立王子動物園のパンダは市民の誇りです。王子動物園や、昨春にパンダが来た上野動物園（東京都）では入場客数が急増しました。仙台市は、市八木山動物公園にパンダを受け入れれば入場客数は従来の２倍の年間１００万人前後になると見込み、「観光復活の起爆剤に」と願っています。

　Ｑ　うまくいくといいね。

　Ａ　貸与が決まれば、仙台市はパンダの名前を一般公募で決める方針です。仙台のパンダを話題にしてもらうためです。ただ、市内は歓迎ムードばかりではありません。最大の課題はお金です。震災による仙台の総被害額は約１兆２８００億円に上るというのに、パンダ飼育には獣舎の建設費だけで約３億円かかるといわれます。震災で家を失い、仮設住宅で暮らす人からは「私たちの生活再建のためにまずお金を使ってほしい」などの声も出ています。被災者の感情を踏まえて誘致に取り組むことが、市に求められています。（仙台支局）

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