参院選:公明党が維新の会と距離 大阪選挙区めぐり
毎日新聞 2013年01月15日 18時36分(最終更新 01月15日 20時59分)
昨年12月の衆院選で日本維新の会と選挙協力を行った公明党だが、夏の参院選を前に距離を置こうとする動きが見え始めた。衆院選では、公明党が候補を立てた大阪、兵庫など計9小選挙区で維新は擁立を見送ったが、参院選ではともに大阪選挙区(改選数4)を重視し、譲るのが難しいためだ。
公明党の山口那津男代表は15日、大阪市内であった党会合であいさつし「今年は首都の選挙(都議選)もあるが、本命は参院選だ。何としても勝利を遂げたい」と力を込めた。
会合には自民党府連の竹本直一会長のほか、維新の橋下徹代表代行(大阪市長)、松井一郎幹事長(大阪府知事)らが出席。松井氏は「国は自公政権だが、大阪は維公(いこう)政権だ」。橋下氏も「公明とタッグを組んで市政改革が大胆に進んだ」と蜜月ぶりをアピールした。
維新は大阪市議会で過半数に満たず、「大阪都構想」実現には公明党の協力が不可欠なためだが、山口氏は「政治の安定のため自公が合意形成の軸にならなければならない」と述べ、「自公重視」の立場を強調した。
背景には、維新が参院選大阪選挙区で2人の候補擁立を掲げ、6月にある都議選で「過半数獲得を目指す」と公言する事情がある。公明党は都議会で民主、自民に次ぐ第3党だが、幹部は「維新とみんなの党が本格参入すれば4番手か5番手に落ちかねない」と危機感を示しており、山口氏の発言に温度差がにじんだとみられる。【平野光芳、福岡静哉】