東日本大震災:被災地、遺骨埋葬進まず 公的補助なく、寺院再建難航

毎日新聞 2012年08月21日 東京夕刊

 東日本大震災から1年半近くになっても、多くの遺骨が本来なら埋葬されるはずの地元の寺院の墓に納められずにいる。岩手から千葉まで6県で計82寺が津波などで全壊しその多くが資金難のため再建のめどが立たないからだ。

 仙台市太白区の向泉寺には、寺院の建物内の一角に約100体の遺骨を納めた箱が安置されている。いずれも生前、宮城県東松島市にあった長音寺の檀家(だんか)で、震災の犠牲になった人たちの遺骨だ。

 長音寺の住職、秋山清道さん(当時50歳)は津波で死亡。弟の公純さん(45)が副住職を務める向泉寺が檀家の遺骨を引き取った。遺族は東松島市から車で約2時間半かけて弔いに訪れる。

 公純さんは「長音寺を再建させたい」と考えている。高台への移転も検討しているが、宗教施設である寺院には国や自治体からの補助は期待できない。費用は自ら調達するしかない。公純さんは「檀家の6割は仮設暮らし。『再建に協力してほしい』と言い出しにくい」と語る。

 公益財団法人「全日本仏教会」(東京都)によると、全壊した82寺のうち半数超の48寺は津波被害が著しい宮城県に集中している。同県名取市の東禅寺もその一つで、犠牲者の遺骨約200体分を仙台市青葉区の寺院に預けている。住職の三宅俊乗さん(53)は「市による地域全体の復興事業が具体化しておらず、寺院再建に必要な金額の見積もりも立っていない」と話す。

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