食品中の放射性物質 新たな基準値について
東京電力福島第一原子力発電所の事故後、厚生労働省では、食品中の放射線物質の暫定規制値を設定し、暫定規制値を超える食品が市場に流通しないよう出荷制限などの措置をとってきました。
しかし、より一層、食品の安全と安心を確保するために、事故後の緊急的な対応としてではなく、長期的な観点から新たな基準値が設定され、平成24年4月1日から施行されました。

○新たな基準値の概要と主な変更点
・暫定規制値(平成24年3月31日まで)
野菜類・・・・・・・・500Bq/kg
穀類・・・・・・・・・500Bq/kg
肉・卵・魚・その他・・500Bq/kg
牛乳・乳製品・・・・・200Bq/kg
飲料水・・・・・・・・200Bq/kg

・新基準値(平成24年4月1日から)
 一般食品・・・・・・・100Bq/kg
 乳児用食品・・・・・・ 50Bq/kg
 牛乳・・・・・・・・・ 50Bq/kg
 飲料水・・・・・・・・ 10Bq/kg

・「野菜類、穀類、肉・卵・魚・その他、乳製品」が全て一般食品となり、新基準値は100Bq/kgとなりました。この基準値は、摂取する食品の50%が汚染されていると仮定した場合の乳幼児を含む全ての世代の限度値よりさらに厳しい値です。
・特に子どもが摂取する機会の多い「乳児用食品」「牛乳」は独立の区分となっています。摂取する食品全てが汚染されていた場合を考慮し、「一般食品」の半分の50Bq/kgとなりました。
・飲料水は全ての人が摂取しますが代わりになるものがなく、さらに摂取量も多いことから、10Bq/kgとなりました。

○経過措置を設ける食品について
 1年1作の農作物である米及び大豆、新基準値に対応した飼料に切り替えてから新基準値を下回るまで一定期間必要な牛肉については、米及び牛肉が平成24年9月30日まで、大豆が平成24年12月31日まで経過措置期間を置くこととなりました。経過措置期間内に製造・加工された食品には暫定規制値が適用され、賞味期限まで流通が認められますが、健康への影響はないと一般的に評価され、安全性は確保されています。
 
○青森県の対応
青森県では、引き続き県内のと畜場で処理される全ての県産牛を対象に、県産牛肉安全性確認検査を実施しています。検査結果は随時青森県のホームページにて公開していますが、平成24年7月末日現在、新基準値を越える放射性セシウムは検出されていません。

牛肉の安全性確認検査結果について−青森県庁ホームページ−

また、経過措置期間内(平成24年9月30日まで)に、県産牛から100〜500Bq/kg(暫定規制値は下回っているが、新基準値を超えた値)の放射性物質が検出された場合には、食用として流通しないよう措置がとられています。

放射性物質検査について
平成23年3月11日に発生した東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故由来の放射性物質によりさまざまな食品が汚染されたことから、平成23年3月17日、食品衛生法に基づく暫定規制値が定められましたが平成24年4月からは新たな基準値が設定される予定となっています。

○なぜ牛肉が問題となっているの?
 収穫後も水田に放置された稲わらが、原発事故による放射性物質の降下によって汚染され、それが牛に給与された結果、牛肉から放射性セシウムが検出されました。
 農林水産省の報告によると、牛肉については平成23年3月23日から平成24年1月31日まで67,123件の検査が実施されました。このうち暫定規制値(500Bq/kg)を超えたものは156件のみであり、これらの牛の生産県では出荷制限及び出荷自粛が実施されるとともに、暫定規制値を超える牛肉の回収が実施されています。
 なお、豚肉や鶏肉は飼料や飼育方法が牛とは異なり、放射性物質に汚染されるリスクが低いため、現時点では規制値を上回るものは検出されていません。

○なぜ放射性セシウムだけ検査しているの?
 原発運転時にたくさん生成され、放出された量が多いということが理由のひとつです。同じく大量に放出された放射性ヨウ素(I 131)は半減期(放射線量が半分になる期間)が8日と短いため、中長期的指標としては半減期が比較的長い放射性セシウム(Cs 134で2年、Cs 137で30年)の方が適しています。放射性ストロンチウムなどその他の核種については、放射性セシウムとの存在比がおおよそわかっているため、量を推定することができます。

○青森県の取組みは?
 平成23年8月17日から県産牛肉安全性確認検査が開始されました。当初は検査場所が1か所しかなかったため、県内のと畜場で処理される県産牛の中から1日当たり20頭を抽出して放射性セシウムの検査を実施していました。その後、検査場所を4か所に増やし、11月9日からは全ての県産牛を対象とした検査を行っています。
 なお、検査結果は随時青森県のホームページにて公開していますが、平成24年2月末日現在、暫定規制値を越える放射性セシウムは検出されていません。
http://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/nourin/chikusan/gyuunikukensa.html

  

お肉の生食こんなに危険

●お肉を生で食べると…?
 みなさん、カンピロバクターという言葉を知っていますか?カンピロバクターは野生動物や家畜の腸内にいる細菌で、食中毒の原因となります。今、細菌による食中毒の原因で一番多いのがカンピロバクターなのです。と畜場や食鳥処理場では、お肉を汚さないように衛生的に処理を行っているのですが、それでも食肉処理の段階で細菌を完全に除去することは難しく、鶏肉や牛のレバーからカンピロバクターが検出されています。
 カンピロバクターとはどんな細菌なのでしょうか?カンピロバクターはらせん形にねじれた形をしていて、鞭毛というしっぽの様なものを持っています。このため、スクリューのように移動することができるので、腸内にいるはずのカンピロバクターが、腸と胆管でつながっているレバーから見つかることもあるのです。また低温に強く、凍結状態や4℃で長時間生存することができます。さらに、カンピロバクターは非常に少ない菌数で食中毒を起こすため、新鮮な食肉であっても、菌が付いていれば食中毒を起こす可能性があるのです。主な症状は下痢、腹痛、発熱などで、一般に潜伏期間が2〜5日間とやや長いことが特徴です。厚生労働省では、食中毒予防の観点から若齢者、高齢者のほか抵抗力の弱い者については、生肉等を食べないよう、食べさせないよう従来から注意喚起を行っています。
 また、カンピロバクターによる食中毒の後に、手足のマヒ、呼吸困難等重大な後遺症を起こすギラン・バレー症候群を発症することがあるので、子供やお年寄りなど抵抗力の弱い人はやはり注意が必要です。

●お肉による食中毒予防法
(1)お肉は十分に加熱調理(中心部を75℃以上で1分間以上加熱)しましょう。
(2)お肉からほかの調理器具や生野菜などに汚れを移さないようにしましょう。
(3)お肉を触った後は手を洗ってから他の食品を取り扱いましょう。
(4)お肉に触れた調理器具等は使った後よく洗い、消毒しましょう。




生で食べられるのは「特別な」お肉だけです
 平成23年4月に発生した飲食チェーン店での腸管出血性大腸菌による食中毒事件をきっかけに、ユッケなどの生食用の牛肉(内臓を除く)に食品衛生法に基づく規格基準が設けられました。規格基準とは、公衆衛生上絶対に守らなければならない最低限度の決まりごとのことで、これを守らずに加工・調理された食品は違反食品となります。併せて、表示についても基準が設けられ、基準に合う表示がないものは販売等ができなくなりました。これらを守らなかった営業者の方には罰則規定があります。


 生食用の牛肉として食べられるのは、「専用の設備を備えた衛生的な場所」で、「腸管出血性大腸菌のリスクなどの知識を持つ者」が定められた方法で加熱殺菌する、「腸内細菌科菌群が陰性」などの条件を満たした特別なお肉だけになりました。そして、容器包装に入れて販売する場合には「生食用であること」や「と畜場名」、「加工施設名」等を表示しなくてはならなくなりました。


 今回の規制のきっかけとなった食中毒事件の原因が牛肉の生食だったことから、牛の肉についての規格基準が定められました。これは、牛の肉以外は生で食べても良い、ということではありません。
 牛のレバーについても、国が検討を行っており、レバー内部に腸管出血性大腸菌O157が含まれているという調査報告もあります。豚肉や鶏肉も含め、一般的に食肉を生で食べることは食中毒のリスクがあるため、十分加熱して食べるようにしましょう。
 特に、子ども、高齢者その他食中毒に対する抵抗力の弱い方は、生食用のものであっても生で食べない・食べさせないようにしましょう。




安全な食肉を食べてもらうために
抗生物質等の動物用医薬品の中には、使用基準や休薬期間(投与してから食用とすることができない期間)が決められているものがあり、何らかの原因で基準が守れなかった場合は、薬剤が食肉中に残留するおそれがあります。また、これらの残留薬剤は、食肉等を通じてアレルギーや薬剤耐性菌の出現等、様々な問題を引き起こす可能性の一つとして考えられています。
 食肉衛生検査所では、皆様に安全な食肉を提供するために、疾病の排除だけでなく、薬剤の残留検査も行っており、不適切な食肉が流通しないよう取り組んでいます。
○モニタリング検査
 健康的な県産牛、豚、鶏を対象に、抗菌性物質(抗生物質、合成抗菌剤)が残留しているかどうかを定期的に検査しています
○保留検査
 治療歴や病歴があるものについては、残留抗菌性物質の検査を実施しています。
 対象とする抗菌性物質の中には、分析機器を用いて微量な量を検査する薬剤もあるため、検査が正しく行われるように精度管理も日常業務としており、安全な食肉の確保に努めています。 

三沢市で死亡したハヤブサから高病原性鳥インフルエンザウイルスを確認
平成23年3月8日、三沢市の米軍基地内で衰弱したハヤブサが発見され、米軍の防疫施設へ送られました。9日に死亡が確認され、翌日米軍から県に通報があり、十和田家畜保健衛生所による簡易検査でA型インフルエンザ陽性が確認されました。直ちに北海道大学で詳しい検査が行われ高病原性鳥インフルエンザウイルスであることが確認されました。
 この結果を受け県では、家きん(ニワトリや七面鳥など)の監視強化や、野鳥監視の警戒レベルの引き上げなどの対策を行いました。幸い感染の拡大は見られず、現在は通常の対応に戻っています。


 インフルエンザウイルスには多くのタイプがあり、主に鳥に感染するウイルスを鳥インフルエンザウイルスといいます。
 鳥インフルエンザウイルスの中には高病原性鳥インフルエンザウイルスと呼ばれるものがあり、家きんに対する病原性の強さによって、強毒タイプ(感染したニワトリの多くが死んでしまう)と弱毒タイプ(無症状または軽い呼吸器症状や産卵率の低下)に分類されます。


 青森県内では平成20年の春にも十和田湖畔で収容されたオオハクチョウから高病原性鳥インフルエンザウイルスが検出されており、全国各地でも野鳥でのウイルス確認が相次いでいます。県内の事例は野鳥に限られているものの、同じ鳥類である家きんに感染した場合は、その家きんが死亡してしまったり、他の家きんへの感染を防ぐために刹処分や移動制限等が行われたりするため、被害は甚大になります。


 ヒトに対しては、感染個体との濃密な接触等を除けば通常は感染しません。また、家きんの肉や卵を食べて感染したという報告も世界的にもありませんが、十分に加熱して食べれば感染の心配はありません。


 さらに詳しく知りたい方は、次のホームページをご覧ください。
 高病原性鳥インフルエンザに関する情報 - 青森県庁ホームページ
 http://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/nourin/chikusan/infuru.html
 国民の皆様へ(鳥インフルエンザについて)
 http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou02/05.html
 鳥インフルエンザに関するQ&A  厚生労働省健康局結核感染症課
 http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou02/pdf/avian-influ-qa.pdf