首都圏大雪:トラック横滑りドキッ、転んでイタタッ 大津→東京8時間20分、冷や汗いっぱいUターン
毎日新聞 2013年01月15日 東京夕刊
東京で7年ぶりの大雪となった14日夜、所用で京都発の最終の新幹線に乗り遅れ、帰省していた大津市の自宅から自家用車で東京へ向かうことになった。「朝までには雪も解け、渋滞も解消しているだろう」。こんな希望的観測は見事にハズれ、凍った路面で怖い思いをした。【山本直】
すぐ前を走っていた大型トラックが路面を「すーっ」と横滑りした。「もし並走していたら……」。背筋が凍った。15日午前5時すぎ。横浜市内の国道1号の路面はところどころカチンコチンに凍り、脇道では路側帯に駐車車両の列ができていた。写真を撮ろうと車を降りるや鏡のような路面で派手に転び、右腕や尻をしたたか打撲。右手は擦り傷で出血した。
関西でも「首都圏で大雪」のニュースは流れていた。首都高は一部が通行止め、東名高速も厚木インターチェンジから東はチェーン規制。だが、夕刊担当は通常、午前7時に千代田区の本社に到着する必要がある。「解除」を期待して午後11時、ハンドルを握った。
ところが、通行止めは解除されず、東名の渋滞は「御殿場から先40キロ」で短くならない。仕方なく午前3時前に静岡県・沼津で高速を降り、国道1号で箱根を越え、西湘バイパスへと乗り継ぎ東へ向かった。
順調なのは神奈川県・茅ケ崎まで。国道はほとんど動かなくなった。安物のカーナビとスマートフォンの地図を頼りに「裏道」へ。東海道線沿いを東進し、横浜市戸塚区でノロノロの車列が続く国道1号に入った。トラックの横滑りを目の当たりにしたのはその辺りだ。
路面が見えているのはわだちの部分だけで、中央線と路側帯には深さ20〜30センチの雪が残り、坂道で立ち往生している車も少なくない。空が明るくなった頃、車がスムーズに流れ始めたが、都内に入る直前の多摩川大橋の上は凍ったまま。
午前7時20分、本社着。幸い無事だったが、一歩間違えれば事故を起こしたり、人に迷惑を掛けたりするところだった。ひどい徒労感が残った。