2013.1.16 WED
「信頼される顔」と「信頼されない顔」の違いは
TEXT BY BRANDON KEIM
TRANSLATION BY TOMOKO TAKAHASHI, HIROKO GOHARA/GALILEO
WIRED NEWS (ENGLISH)

テキスト研究結果に基づいた、信頼感の異なる顔の合成画像。左は最も信頼感の低い顔、右は最も信頼感の高い顔、中央は平均的な顔。Image: Kleisner et al./PLoS One
それより説明が難しいのは、瞳の色と顔の構造、特に、細長く鋭角的な顔立ちと青い瞳の関連性についての生物学的な裏付けだ。
青い瞳は進化的には新しい特徴であり、ヨーロッパに登場したのは約10,000年前だ。(リンク先等によると、現在のヨーロッパ人のうち青い瞳は20~40%で遺伝子的には
劣性だが、その先祖をたどると、6,000年から10,000年前に黒海周辺で突然変異を生じた
ひとりの人間になるという)。
遺伝学の理論では、瞳の色と顔の形状に関連性があっても、生殖によるゲノムの混じりあいを繰り返すうちに薄れていき、進化の過程でやがて解消されると予想される。しかし実際には、チェコの人々の間でそのようなことは起こっていない。
今回の研究に参加した、カナダのラヴァル大学の人類学者で、最近の人類の進化を専門とする
ピーター・フロストによると、瞳の色、胎児期に浴びるホルモン、および配偶者に関する歴史的な嗜好性という3つの要素の間に未知の関連性が存在し、それが原因となっている可能性があるという。
研究チームは、今回の研究で認められた傾向が、民族や文化の違いを超えて共通しているのかを確かめたいとしている。チームはすでに、カメルーン、ルーマニア、トルコ、イギリスで、顔に関する嗜好性を調べるテストを開始している。
「この研究は、異なった国の異なった年齢集団で繰り返す必要がある」とクライナー氏は述べている。同氏はさらに、この研究は興味深い概念として取り扱うべきであり、人間の行動に関する説明として扱うべきではないとも述べている。
「この研究を社会的に応用することについては警告したい。雇用者と被雇用者の間に問題が生じること等を避けたい」
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