- 蒼き流星 希望への架け橋 ダイジェスト2
- ※これは「流星のロックマン」というゲームの二次創作です。あらかじめご了承ください
だが200年前電脳世界を震撼させた2体の獣相手に、ロックマンは不利な状況へと追い込まれていってしまう。
『くそっ……あいつら速過ぎる!』
バトルカードを駆使しなんとかやり過ごしているものの、状況は刻一刻と悪いほうへと進んでいく。そんなときにウォーロックは広い場所へと移動するようにとスバルに言う。
けれどその状況を覇神はいい評価をしなかった。スバル達が向かったのは大きなグラウンド。だだっ広い地面に二人が向かえば、ファルザーの掃射とグレイガのブレスで仕留められてしまう。
そんな中、穿城大学のある施設が破壊される。それは『ノイズ研究所』。2人の意図を察した覇神は笑いがこらえきれなくなる。
そして彼もまた戦士としてグラウンドに向かうのだった。
「電波変換CF 覇神黒影 オンエア」
二重究極変身を遂げたスバル達は、グレイガとファルザーに真っ向から勝負を仕掛ける。圧倒的攻撃力と翼を得た彼らは、二体の電脳獣の攻撃を避けながら、着実にダメージを当てていく。
そしてファルザーが突進を仕掛けてきたところに、ジェネレーターからレーザーを発射し推進力を削る。
「カースオブアクレイモア!」
ノイズを最大まで溜め、剣に込められた一撃はやがてファルザーの頭を割り、怪鳥を闇へと葬り去った。これで残り一体──。そのとき、グレイガが動き出した。スバルへと向かうわけでもなく、まっすぐにファルザーの粒子へと。
「………………なっ!!?」
けれど傷ついたグレイガは、ファルザーの粒子と合体し一体の獣として生まれ変わってしまった。
呆然としてしまうスバル。ウォーロックは彼に『あいつのダメージは、外見としては無傷に見えるかもしれねえ。でもな、デリートされたファルザーと、傷を負っているグレイガが融合したんだ。無傷なわけがねえ』と檄を飛ばす。
そうだ、ここで諦めてはいけない。いまこそ自分達が出せる最高の一撃を、あの合成獣に浴びせなければ。
「NFB ブラックガイアギャラクシー!!」
両翼、尻尾先から掃射攻撃を行おうとする敵にスバルはブラックホールで包む。稼動するジェネレーターから容赦のない紅きレーザーが浴びせられる。そして、スバルが最後の一閃を叩き込む──。
電脳獣を倒したスバルとウォーロックは、リカバリーを使用し全快の状態で覇神を迎え討とうとする。まさか逃げたいのではないか、そんな憶測が浮かんできたときに影が現れる。
「──誰も逃げるわけが無いだろ?」
余裕綽々と、だがどこから発せられているかも分からない声に周囲を注意深く見渡す。けれど覇神の姿はどこにも見つけることが出来ないでいた。
覇神は、エグゼを知っていることを発言する。さらにスバルとウォーロックは一応の及第点であることも伝える。自分達の、計画の一部。
「簡単に言えば世界を救う計画かな?」
覇神の言葉に、思わずウォーロックは耳を疑う。覇神という人間は、そんなことをする人間ではないと。
「別にさ、僕は別に世界を救うことがいいとは思っていない。ただそのほうが都合がいいからさ」
ただ覇神は闘いたい。闘いたいからこの計画に加わっている。ウォーロックは覇神に戦闘狂と罵る。不利な状況から戦い勝利する彼に、蔑むような目で睨みつける。
「君も不利だから正義の真似事をするんじゃないのか?」
覇神はウォーロックに訊く。おまえも自分と同じ種類の生き物なのではないかと。人間を守らなければいけないというハンデを背負い、戦い、勝利することに味を覚えてしまったのではないか。
必死に否定しようとするウォーロックに、覇神はゆっくりと問い詰めていく。全ては不利な状況から闘うことを望んだゆえの結果で、その成り行きでこの星にたどり着いた、と。
「──そんなのは決まっているじゃないか」
追い詰められていく相棒の代わりに、スバルが口を開く。
「ウォーロックは、結局困っている人がいたら助けてしまう性分なんだよ」
「一年間ウォーロックと一緒にいる僕が言うんだから、間違いない」
はっきりと、スバルはそう答えた。
(……俺は、何で戦うんだ?)
(俺は、俺は、何で地球のために戦う?)
再度己に問いかけるウォーロック。自分自身ではどう思っているの。──辿りついた先は
『へっ、馬鹿らしい』
『そんなの分かるわけねえだろ!』
『俺は考えてから行動するタイプじゃねえんだよ。俺は考えるより行動、考えは後付でしかねえ! もしかしたら戦闘狂なのかもしれねえし、善が好きな奴かも知れねえ。だがそれが分からなかろうが、俺の行動は変えられねえんだよ!!』
彼は、そう言い張れるほどまでに開き直れるようになり、同時に強さも備えていた。いつの間にか。彼がこの星に来てからの一年間で。
答えを出し合ったスバルとウォーロックに、覇神は笑ったまま種明かしを始めた。
「揺らがない、か。君たちは2人で1つだから、どちらかを揺さぶれば勝手に自滅すると思ったんだけど…………ふうん、それじゃあどちらかが助けちゃうか。さすが合格点」
けれど、試験はそれでは終わりではない。唐突に覇神は試験二回目を宣告する。瞬時にスバルに攻撃が向かっていく。オーラを張り対抗しようとするが容易く剥がされてしまう。
「……おいおい、弱すぎるだろう」
力尽きそうになるスバルに覇神は無慈悲な言葉を告げる。「キングPGMを貰おう」。為すすべも無くスバルはサテラポリスの結晶を奪われてしまう。最後に覇神は「もう僕は電波変換をといていて、君の目の前にいるのは僕のウィザードさ」と言う。
彼は最初から覇神と闘うことなく、ウィザードに敗北したのだ。
-
2012年 11月25日 (日) 13時27分
コメントの書き込みはログインが必要です。