業界最大のイベントで見た韓国メーカーの本当の“強み”

そこに日本メーカーが謙虚に学ぶべきものがある

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2013年1月16日(水)

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 昨日置かれていた展示品と今日の展示品が全く同じものであるという保証をメーカーはしているわけではない。

 日経ビジネスオンライン2012年6月8日のコラム「記者の眼」に筆者へのインタビューが掲載されている。そこでも述べたことであるが、今日のテレビ市場は、極度にコモディティー化(汎用品化)が進みすぎてテレビ市場に参入する誰もが儲からない「うまみのない」市場になっており、この状況が落ち着くまではしばらくメーカーは低収益を耐えなければならない。

米国のスーパーで特売品として売られる液晶テレビ

それでもテレビに残存者利益は残る

 ただし、テレビそのものがなくなるわけではなく、残存者にはいずれ利益がもたらされるであろう。その時まで日本企業が耐え抜けるかどうかが課題であり、技術開発への投資も抑制的になるはずだ。

 そうした時に、投資した活動については最大限の効果が得られるように、単に技術開発で優位に立つのではなく、あの手この手で、世の中に自社の優位性をアピールする必要がある。

 プレスリリースやショーへの出展は企業の広報活動であると同時に、うまく立ち振る舞うことができれば、巨額の宣伝費をかけるのに匹敵する広告宣伝活動を、報道という形でメディアが無償で行ってくれる絶好のチャンスである。

 韓国メーカーのCESでの対応を見ていると、日本企業に不足しているのは、やはり技術ではなく、広報やマーケティングを含めたビジネス全体の戦略の巧みさであると感じる。

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  • 2013年1月16日
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長内 厚(おさない・あつし)
早稲田大学ビジネススクール准教授

長内 厚1972年東京生まれ。京都大学経済学部卒。ソニー株式会社テレビ事業部商品戦略担当事業部長付等を経て、2007年京都大学大学院経済学研究科修了 博士(経済学)。2007年神戸大学経済経営研究所准教授着任。2011年より現職。組織学会評議員。国際戦略経営研究学会理事。公益財団法人交流協会日台ビジネスアライアンス委員。ハウス食品株式会社研究所顧問。
近著に『アフターマーケット戦略―コモディティ化を防ぐコマツのソリューション・ビジネス』(共著、白桃書房)

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