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弘前市中心街の空き店舗減少傾向
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下土手町の土手町コミュニティパーク周辺。下土手町の通り沿いは、2月にも空き店舗がゼロになる見通しだ |
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弘前市の中心商店街である駅前、大町、土手町で空き店舗が減少傾向にある。これらの地区は、市中心市街地活性化基本計画の対象地域で、行政・民間一体となった集中的な取り組みが新規出店を呼び込んでいる。中でも土手町コミュニティパークがオープンした下土手町周辺は、飲食店を中心に出店が相次いでおり、シャッターが閉まった店は目につかなくなった。
「土手町は実力がある店が多く、実際、人通りも多い。そのにぎわいに便乗してしまえ−と考えた」と話すのは萩原乳業(同市)の西脇千賀子社長。同社は2月、牛乳をベースにしたスイーツや軽食を提供する萩原ミルクハウス「ROSAS(ローザス)」を下土手町に出店する。飲食事業は同社にとって初の試み。郊外の商業施設やその周辺への出店も検討したが、ターゲットにする20〜40代の主婦層、学生らの集客を考え、目に付きやすい中心街への出店を決断した。
この出店により、蓬莱橋から下土手町交差点まで約250メートルの通り沿いは空き店舗ゼロになる。下土手町商店街振興組合によると、2008〜09年ごろに一時ゼロになったが、それ以来という。
また市商工労政課によると、本年度に入って、土手町コミュニティパークに近い「かくみ小路」や駅前・大町地区でも数店が出店。ここ数年、2桁で推移してきた空き店舗率は「大幅に改善する見通し」(工藤隆夫同課長)で、同計画の目標値である8.5%も視野に入りつつある。
なぜ「街なか回帰」が進んだのか−。市や商店街の関係者は、同計画に位置付けられたハード・ソフト両面の取り組みを挙げる。
ハード面では、土手町コミュニティパークに加え、大町には「HIRORO」(ヒロロ、旧ジョッパル)が7月オープンと、新たな“顔”がそろう。
ソフト面では弘前城築城400年祭、ハロウィーン、街コンなど、さまざまな機会を捉えて中心街でイベントを行い、市民の足を中心街に誘導。グルメチケット発売など民間主体の企画が増えているのも特徴で、工藤課長は「行政と商店街の皆さんで一緒にやっていこう−という機運が広がってきた」と喜ぶ。
市は、新規出店時の改装費の一部を支援する独自補助制度など、空き店舗解消・にぎわい創出に向けた動きを財政面から支える。
市中心市街地活性化協議会会長の永澤弘夫・弘前商工会議所会頭は「人口減少の流れを打破するため、みんなが知恵を絞ってチャレンジしてきた。今後も継続して緊張感を持ち、にぎわい創出に取り組みたい」と前を見据えた。
同計画で定める三つの目標値のうち、観光施設利用者数は昨年4月から昨年10月末現在で約180万人。過去5年間の年間実績を既に上回っている。残る歩行者・自転車通行量と空き店舗率の本年度集計は、ともに2月公表の予定。市は計画期間を14年3月まで1年延長する方針で、最終実績は来年度の集計で判断することになる。
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