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2013年1月4日(金) 東奥日報 ニュース



■ 前川國男建築のバルコニー復元へ

写真
【写真上】完成して間もない頃の木村産業研究所。バルコニーの上に前川國男(左)と木村隆三が並んでいる(木村文丸氏提供)【写真下】昭和30年代にバルコニーを取り外されて以来、格子がはめられていた木村産業研究所(「大切にする会」提供)
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 国の登録有形文化財で、近代建築の巨匠・前川國男(1905〜86)の第1作として知られる弘前市在府町の「木村産業研究所」のバルコニーが、市の補助金を活用し、80年前の1932(昭和7)年の完成当時の姿に復元される。バルコニーは昭和30年代に凍害のため取り外され、鉄骨の格子がはめられていた。新たなバルコニーは前川の直弟子の建築家仲邑孔一さん(76)=東京都=が設計し、今春の完成に向け工事が進んでいる。

 木村産業研究所の木村文丸理事長によると、正面玄関の上にあったバルコニーは、コンクリートに雪解け水が染みこんで劣化し、落下の危険があったため撤去された。しかし、「前川國男の建物を大切にする会」(葛西ひろみ代表)などからバルコニーの復元を望む声が上がっていた。

 研究所は昨年10月、弘前ならではの景観の保全を目的にした市の景観重要建造物に指定され、外観改修の補助対象になった。市が工事費の半額に当たる約142万円を助成し、バルコニーと貴賓室の屋根、裏口のひさしの改修を行うことになり、11月中旬から工事を行っている。

 新たなバルコニーを手掛ける仲邑さんは「前川建築はどれも、日本の建築の精神を取り入れ、人を温かく迎える玄関のデザインを大事にしている。木村産業研究所のバルコニーは、前川の建築構想の一番大切なところ。“鼻のない顔”になっていたので、改修する意義は大きい」と話す。前川オリジナルのデザインを生かしつつ、現代の技術で凍害対策を講じるという。

 工事費の残りの約140万円は、大切にする会が中心となり、市民から1口千円の募金を募って賄う。これまでに約80万円が集まっているが、年度末までにあと60万円が必要だ。

 同会の葛西代表は「バルコニーは木村産業研究所のシンボル。募金を通じ、多くの市民に前川の建物に興味を持ってもらえればいい」と話している。

 募金の問い合わせは葛西代表(電話0172-33-3260)へ。

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