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2013年1月6日(日) 東奥日報 ニュース



■ 親子2代で大間マグロ築地最高値

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1億5540万円のマグロを釣り上げた「第38美吉丸」の船長・竹内大輔さん。水揚げ直後、漁港に来た2歳の三男晟太郎ちゃんを抱え表情を緩めていた=2012年12月29日朝(大輔さんの父・薫さん提供)
 
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築地市場の初競りで史上最高値をつけた大間産クロマグロの水揚げ作業=12月29日朝、大間町の下手浜漁港
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 東京・築地市場の初競りで1億5540万円という桁違いの史上最高値を記録した大間産クロマグロ。釣ったのは、大間漁協(大間町)所属のマグロはえ縄漁船「第38美吉丸」船長の竹内大輔さん(36)だ。父親の薫さん(62)も同じ船で2001年に当時の最高値2020万円のマグロ(202キロ)を釣り上げており、「親子2代で最高値になれて、誇りに思う」と大輔さんは喜ぶ。金額では“父親越え”を果たしたが「おやじは一流の漁師」と、父を目標に今年も漁に励む。

 「すごい金額としか言いようがない。実感が湧かない。でもずっと、おやじの記録を超えたいと思っていた」。大輔さんは、取材に声を弾ませた。3年前に薫さんから引き継いだ19トンの船で、荒れがちな真冬の津軽海峡で漁に励んできた。

 しかし、船長になって間もない11年の初競りは戸井(函館市)産が3249万円を記録し、薫さんの記録を10年ぶりで塗り替えた。12年は、大間の別の漁師がさらに上を行く5649万円をマーク。「(最高値を)超えるのはもう無理かなとも思った」という。

 迎えた今季、同海峡のマグロは夏場から不漁だった。マグロに賭けたい思いもあるが、船の借金や乗組員2人の給料を払わなければならない。夏場は例年より長い期間、太平洋のイカ漁でこつこつ稼いだ。

 11月10日ごろからマグロ漁に転じたが、しばらくは全く釣れなかった。11月末から12月上旬にかけて10本ほどを捕り、波に乗ると、12月9〜10日には268キロ、291キロと立て続けに大物を揚げた。

 「マグロがどこにいるのかと自分が考えていることと、実際の海の状況が合ってきた」

 つかんだ手応えを年末まで保ち、12年12月29日午前7時ごろ、初競り向けの222キロを大間沖で捕まえた。「腹がポンと出て、いい形のマグロ」(大輔さん)

 「運がいいというほかない。出来過ぎです」。息子の快挙を喜ぶ薫さんだが、実は大輔さんには漁師になってほしくなかったという。「自分が海で大きなけがもしたし、相当に苦労したから」。しかし県外での会社勤めを辞めて故郷に戻ってきた大輔さんに懇願され、10年以上、マグロ漁の仕方を大輔さんに伝授してきた。10年に船長を譲った後、なかなか芳しい結果を出せない息子をじっと見守ってきた。

 「1年目はまあまあだったが、11年はだめだった。今季も11月まで、息子は相当に苦しんでいたと思うが、『やるだけやれば何とかなる』とだけ言ってきた」と薫さん。「大間の海が『宝の海』だと証明するのに、これ以上のパフォーマンスはない」とたたえた。

 大輔さんの母・紀子さん(55)も「おとうさん(薫さん)が持っていたチャンピオンベルトを、息子が取り返した」と喜んだ。

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