雪の残るピッチで記念撮影する浦和の森脇(前列中央)ら=埼玉スタジアムで(松岡祐司撮影)
|
 |
浦和は15日、埼玉スタジアムで新加入選手の会見を行い、広島から移籍した元日本代表DF森脇良太(26)が、前日14日に豪雪の中でDF槙野ら新しいチームメートに救われた感動エピソードを披露した。マイカーで立ち往生したピンチを脱した森脇は「いただいた恩はピッチで返したい!!」と新天地での活躍を誓った。背番号は、誕生日の4月6日から思いついた「46」に決まった。
「路肩に止めた車で1泊過ごすしかないのか…」。森脇は車内で途方に暮れて、あきらめかけていた。大雪のため、さいたま市内の一般道で立ち往生。空振りに終わった新居探しから、滞在中のホテルに帰ろうとしていたところだった。
朝から雪が降り続けていたが、「雪より住む場所が決まらないと落ち着かない」と予定通り不動産屋へ向かった。だが、豪雪の影響で住居の見学を断られると、さらに災難が待っていた。雪が本降りとなって「引き返そうとしたが、坂道や上り坂が多く、ノーマルタイヤだったので危険だと思った」
車を路肩に寄せ、極寒の一夜を車内で明かすことを覚悟していたが、広島時代にチームメートだった槙野からの1本の電話が救ってくれた。事情を聴いた盟友の機転で、新たに同僚となるチームメートが森脇を救助しようと次々と集まってくれたのだ。
「槙野や宇賀神、加藤さんが駆けつけてくれて、浦和のスタッフ、地域住民も手伝って車を動かしてくれた。困ったときに助けられて本当に幸せだなと感じた」
不運の船出が、一転して感動のドラマに。森脇は「このクラブのために結果を出さなければいけない。優勝こそが、浦和のあるべき姿。みなさんにいただいた恩はピッチで返していく」と意欲満々に語った。「鶴の恩返し」ならぬ、「森脇の恩返し」−。森脇が、大雪の中で幕を開けたドラマを7年ぶりとなるリーグの覇権奪還で完結させる。 (松岡祐司)
この記事を印刷する