中日スポーツ、東京中日スポーツのニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 中日スポーツ > 大相撲 > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【大相撲】

白鵬に早くも土

2013年1月16日 紙面から

妙義龍(右)に押し出しで敗れた白鵬=両国国技館

写真

◇大相撲初場所<3日目>

(15日・両国国技館)

 24度目の優勝を狙う横綱白鵬(27)=宮城野=が平幕妙義龍(26)=境川=に押し出される波乱があり、初黒星を喫した。妙義龍は初金星。横綱日馬富士(28)=伊勢ケ浜=は粘る豊ノ島を右外掛けで仕留めて初日から負けなしとした。前相撲では「実寸160センチ」の低身長で話題を集める爆羅騎源氣(ばらき・げんき、18)=式秀=が浜上を押し出し、初土俵を白星で飾った。

 新年初の金星配給。白鵬は悔しさで唇を噛みしめた。妙義龍の鋭い立ち合いを止めるため右から張った。「止めるというより、見てしまった」と悔やむ。懐に入られると防戦一方。そのまま押し出された。

 過去5戦5勝。壁となり続けていた。敗北の理由を聞かれても「何だろうね…」。立ち合いの失敗を問われると「そんなとこだね」と小さくうなずいた。

 異変はあった。朝稽古が終わると突然こう切り出した。「誰と接していても、同じように受け答えできるよう、同じ心で付き合いたい。だけど人間だから、そういう気分にならないときもあるし難しいよね」。心の乱れを打ち明けるかのような言葉を吐いていた。

 何かの因縁か、尊敬する双葉山が安芸ノ海に敗れて金星を配給、69で連勝で止められたのが1939年の1月15日だった。白鵬にとって3日目での金星配給は、連勝を63で止められた2010年九州場所2日目(稀勢の里戦)に次ぐ早さ。しかし、その場所は14勝1敗で17回目の優勝をさらっている。

 東京都墨田区の宮城野部屋近くで白鵬が借りている部屋に、新大関で初優勝した06年5月場所の優勝額が飾られている。それを眺める度に初心に帰る。「懐かしい気持ちになる。挑戦者というよりも、他の人に渡したくないと思った。あの優勝額をみる度に“やってやる”という気持ちになる」。国技館から降ろされた優勝額は、そのほとんどを後援者に引き取ってもらう。だが、この思いの詰まった1枚だけは手元に置き、ことあるごとに自分と向かい合っている。

 北の湖理事長(元横綱)は「白鵬がこのまま崩れるとは考えられない。余裕を持てばいい」と話した。横綱も同じ気持ちだろう。「まあ、(気持ちは)変わらない。一日一番」。帰りの車に乗り込むときには、すでに切り替えは終わっていた。 (岸本隆)

 

この記事を印刷する

PR情報

おすすめサイト

ads by adingo




中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ