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崔洋一監督「無念の一言」大島監督の悲報に各界衝撃
大島渚監督死去
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「戦場のメリークリスマス」で助監督を務めたタマホリ監督来日歓迎パーティーでの大島渚さん(右)とビートたけし(左)=1995年7月
Photo By スポニチ |
大島渚監督の悲報は映画界ばかりでなく、放送など各界にも衝撃を走らせた。「愛のコリーダ」で助監督を務めた崔洋一監督(63)や大島監督が90年代前半までレギュラー出演したテレビ朝日「朝まで生テレビ!」で司会を務める田原総一朗氏(78)が悲しみのコメントを寄せた。
世界にセンセーションを巻き起こした「愛のコリーダ」(76年)で助監督を務めた崔監督は「長いこと病気と闘ってこられたが、無念の一言。さまざまなタイプの監督がいるが、大島さんほど世界を見据えて闘い抜いた人はいなかった」と師と仰ぐ偉大な先輩をしのんだ。出会った70年代半ばから今日まで折に触れてそばにいた。96年に脳出血に倒れた大島監督が執念で完成させた映画「御法度」には俳優として新選組局長の近藤勇役で出演。同作品が2000年のカンヌ国際映画祭に招待されると、監督やビートたけし(65)、松田龍平(29)らとともにフランスに飛び、一緒にレッドカーペットを歩いた。
そんな思い出も悲しみに拍車をかける。最後に対面したのは昨年末。「具合が悪いとうかがって病院に駆けつけた。看護なさっていた奥さんの小山さんが“崔さんが来てくれたわよ”と話しかけると監督が反応してくれて…。互いに目を見つめ合い、手を握り合いました」と振り返った。崔監督は現在、日本監督協会の理事長。「協会としてやれることはすべてやりたい。やります」と最後は涙で声を詰まらせた。
一方、田原氏は「思い切って論争できる兄貴だった」と故人をしのんだ。「大島さんは僕らと同じ世代の人だが、年齢的にはちょっと上」と信頼感を寄せていた。テレビで取り上げるには困難な問題をテーマにし続けた番組の中で「タブーに切り込める人だった」と論争相手として買っていたことを明かした。
「最も思い出に残っている」というのが、初回放送で大島さんが菅直人元首相に「バカヤロー!」と怒鳴った場面。菅氏が俳優出身のレーガン元米大統領を引き合いに「アメリカでは役者でも大統領になれる」と嫌み交じりに語ったところ「世界の役者に謝れ」と激怒した。「映画監督として俳優がバカにされるのが許せなかったのだろう」と当時の大島さんの心中を推し量った。
映画人としても「日本最大の監督だった」と絶賛し「本当に残念でならない」と悲しみをかみしめていた。
▼日本のヌーベルバーグの旗手として共に活躍した映画監督・篠田正浩さん ずっと大島渚のことを考え続けてきた。今も同じ戦場で戦った戦友という気持ちに変わりはない。彼は戦う人だった。いつも矢面に立ち、仁王立ちになって映画を作り続けてきた。個人としての大島はこまやかで女性的な人だった。外には烈々たる言葉を発していたが、内部は優しさに包まれていたと思う。病に倒れてからは、彼の気持ちを考えると、彼の前に姿を見せるのがはばかられて会うことはできなかった。いつか亡くなると覚悟はしていたが、彼に言う言葉が見つからない。「渚」という名前は水産試験場長だった彼の父が名付けたという。今、大島によって「渚」の名前は特別な響きを持って新しい意味を感じさせる。そんな人生を貫いたのだと思う。
▼藤竜也(「愛のコリーダ」主演) 大島さんと仕事をしたのは35年も前なのに、戸惑うほど鮮やかに、彼は僕の記憶の中に生きています。大島さんは才能の人である以上に愛すべき人でした。ありがとうございました、大島さん。
▼映画監督・吉田喜重さん 松竹に入社し、最初にかかわった映画の助監督が大島だった。生活のために監督になったという共通点もあり親しくなったが、互いの考え方の違いが分かり1年ほどで疎遠になった。ただ2人が商業主義に流れていた50〜60年代の映画に対して初めから批判的に見ていたことは共通している。
▼神田うの(「御法度」に出演) 監督のバラエティー番組で、当時キャピキャピだった私を「うのちゃん、うのちゃん」と可愛がってくださいました。そのご縁で「御法度」の映画を華やかにしたいからぜひ出演してとお声をかけていただきました。京都での撮影も「うのちゃん、来てくれて本当にありがとうね」と私の出演を喜んでくださいました。また、カンヌ国際映画祭にも行かせていただき、レッドカーペットを一緒に歩いたことも監督との良い思い出です。チャーミングでとても優しい方でした。
▼武田真治(「御法度」に出演) まだまだ監督から学びたかった。撮影中教えていただいたことは生涯忘れることなくこれからも精進いたします。
[ 2013年1月16日 06:00 ]
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