Vol.7 ゆるゆる劇場 −劇場版−
プロデューサー・河上京子が語る最新作の注目ポイントとは?
――まずは、人気シリーズが4作目を迎えた感想を教えてください。 |
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河上よくネタやギャグが続いてるなぁと思います。自分では素のままでやってるつもりなんだけど、それをみんなが笑ってくれるって感じですね。普通の人だったらネタが枯れると思う!(笑) |
河上思ってました! もうやる気満々でシリーズにするつもりでしたね。
――以前、「Pの部屋 〜制作秘話〜」というコーナーでもゆるゆるシリーズについて開発の流れをお話していただきました。今回もまずアイデア出しのブレスト(ブレインストーミング)を最初に行って、シナリオの大筋を作って徐々に修正を加えたりネタやギャグを集めてという流れですか? |
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河上そうですね。ゆるゆるシリーズの開発が始まると毎回、「ゆるゆるブレスト」を2〜3時間飲みながらやるんですけども、それで1タイトル分のシナリオがほぼ完成するんですよ。ブレストで最初にたたき台になるものを作って、それからベータ版をプレイしてみてインパクトが足りないと感じたら、ギャグやネタを足しているという感じですね。ギャグなどの最終決定は私がします。 |
――「劇場版」の開発中、特に印象に残ったできごとはありますか? 河上今回は、ブレストで出たネタがあまりにもヤバくて使えなかった。どうヤバかったかというと、★★(放送禁止用語)祭りになってしまって(笑)。特に青木さん(※1 キャラクターデザイン、プロデュースを担当している青木俊直氏)とイニさん(※2 制作スタッフの伊東仁氏)の暴走がすごくて、いくら私が軌道修正しようとしても無理だった(苦笑)。こういうのは初めてでしたね、ブレストのネタが使えなかったってのは。 |
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河上今回はキャラクターグラフィックのサイズを大きくしました。丸みが出てより一層かわいらしくなっています。ちなみにグラフィック面のチェックはおもに青木さんにお願いしているハズなんですが、毎回システムとかセリフのことばかりでグラフィックやキャラクターデザインについて何か意見を言われた試しがない(笑)。
――特に力を入れた点や気を遣った点はどういった部分でしょうか? |
河上 これまでのゆるゆるシリーズと比較すると、ゲームのボリュームが当社比2倍です。プロローグがびっくりするほど長いですよ。でもお値段据え置きでお得感があります。それと今回は、ギャグのキワドさが“さらに倍!”という感じでしょうか。 |
河上ミニゲームの元ネタはほとんどがダジャレですね。ゆるゆるシリーズはシナリオができてからミニゲームの入れるポイントを決めているんですが、今回の「劇場版」は特にシナリオに沿ってゲーム内容を決めたものが多いです。
とにかくミニゲームのアイデアやネタは、ほかのゲームコンテンツを参考にしていないことだけは確かです。
――では「劇場版」の中で、河上さんお気に入りのミニゲームやギャグを紹介してもらえますか?
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河上今回、個人的におもしろいと思うのはソーシャルネットワーキングサービスのmixiをヒントに作ったパズルゲーム「幹シィ(ミキシィ)」ですね。“マイ幹は足跡を気にする”とか、実際にmixiをやってる人にはウケるだろうなという要素がいっぱいなので、ぜひ遊んでみてください。 |
河上実はシリーズ全体を通して、世間で注目を集めている人や、好きな政治家を登場させるというコンセプトがあるんです。「劇場版」で言うと、ポイズミ首相や、やみくもにボタンを押しまくるプッシュ大統領とか、ヒルズ族や艶女(アデージョ)を皮肉ってみたり。流行りを取り入れることでいろいろな人におもしろがってもらえればと思います。
――――「ゆるゆるフレンズ」シリーズをまだプレイしたことのない人たちにお勧めするポイントは?
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河上今回、「劇場版」で初めてシリーズに触れたという人は、ぜひ「1」、「2」、「3」も順を追ってプレイしてみてほしいですね。前の作品を遊んでないと物語についていけないってわけじゃないんだけど、過去の事件を知っていたほうがさらにおもしろく感じるシーンがたくさんありますよ。 |
河上実は次回、ゴムーンでおなかいっぱいみたいな内容で、サブタイトルからしてすでにユーザーからツッコミが入るようなものを予定しています。ただ毎回意識的に、笑いの部分でユーザーが安心するような王道でお決まりのネタを入れるようにしていますね。ゆるゆるフレンズが「ボケ」役、ユーザーが「ツッコミ」役と、その基本的なところは裏切りませんので、次回もぜひ期待していてください!
1967年生まれ。 2001年にジー・モード入社。
これまでにプロデュースを担当した作品は、「ゆるゆるシリーズ」、「魔王カムパニー」、「DRAGON×DRAGONシリーズ」、「宴会部長シリーズ」、「夏祭りシリーズ」など多数。多忙な毎日の疲れは、スーパー銭湯&温泉旅行などで癒しているとのこと。