コチラ開発室です by G-mode

2006年12月7日

Vol.7 ゆるゆる劇場 −劇場版−

「ゆるゆる劇場 −劇場版−」は、人気クリエイター・青木俊直氏がデザインしたかわいらしいキャラクターと、脱力系ギャグが随所にちりばめられている独特な雰囲気が特徴の“ゆるゆる寸劇アドベンチャー”第4弾。今回は、舞台を「恥球」から宇宙へと移し、これまで以上のスケール、ボリュームでゆるゆるフレンズたちの冒険が楽しめます!!
プロデューサー・河上京子が語る最新作の注目ポイントとは?
――まずは、人気シリーズが4作目を迎えた感想を教えてください。

河上よくネタやギャグが続いてるなぁと思います。自分では素のままでやってるつもりなんだけど、それをみんなが笑ってくれるって感じですね。普通の人だったらネタが枯れると思う!(笑)

――(笑)「ゆるゆる劇場」の第1作目を開発した時点で、こんなに長くシリーズ化すると思っていました?

河上思ってました! もうやる気満々でシリーズにするつもりでしたね。

――以前、「Pの部屋 〜制作秘話〜」というコーナーでもゆるゆるシリーズについて開発の流れをお話していただきました。今回もまずアイデア出しのブレスト(ブレインストーミング)を最初に行って、シナリオの大筋を作って徐々に修正を加えたりネタやギャグを集めてという流れですか?

河上そうですね。ゆるゆるシリーズの開発が始まると毎回、「ゆるゆるブレスト」を2〜3時間飲みながらやるんですけども、それで1タイトル分のシナリオがほぼ完成するんですよ。ブレストで最初にたたき台になるものを作って、それからベータ版をプレイしてみてインパクトが足りないと感じたら、ギャグやネタを足しているという感じですね。ギャグなどの最終決定は私がします。


――「劇場版」の開発中、特に印象に残ったできごとはありますか?

河上今回は、ブレストで出たネタがあまりにもヤバくて使えなかった。どうヤバかったかというと、★★(放送禁止用語)祭りになってしまって(笑)。特に青木さん(※1 キャラクターデザイン、プロデュースを担当している青木俊直氏)とイニさん(※2 制作スタッフの伊東仁氏)の暴走がすごくて、いくら私が軌道修正しようとしても無理だった(苦笑)。こういうのは初めてでしたね、ブレストのネタが使えなかったってのは。


それでも御魚さん(※3 制作スタッフの幸田御魚氏)が頑張って新シナリオのプロットをまとめてくれて、そのプロットを持って私が青木さんに会いに行き、飲みながら手を入れ、ネタを入れ・・・、青木テイストも盛り込んで、なんとか完成形に持って行きました。



――では、今回の「劇場版」での新しい試みがありましたら教えてください。

河上今回はキャラクターグラフィックのサイズを大きくしました。丸みが出てより一層かわいらしくなっています。ちなみにグラフィック面のチェックはおもに青木さんにお願いしているハズなんですが、毎回システムとかセリフのことばかりでグラフィックやキャラクターデザインについて何か意見を言われた試しがない(笑)。




――特に力を入れた点や気を遣った点はどういった部分でしょうか?

河上 これまでのゆるゆるシリーズと比較すると、ゲームのボリュームが当社比2倍です。プロローグがびっくりするほど長いですよ。でもお値段据え置きでお得感があります。それと今回は、ギャグのキワドさが“さらに倍!”という感じでしょうか。


――シリーズを通して個性的でユニークなミニゲームが多いのですが、アイデアはどういうところから生まれてきているんですか?

河上ミニゲームの元ネタはほとんどがダジャレですね。ゆるゆるシリーズはシナリオができてからミニゲームの入れるポイントを決めているんですが、今回の「劇場版」は特にシナリオに沿ってゲーム内容を決めたものが多いです。
とにかくミニゲームのアイデアやネタは、ほかのゲームコンテンツを参考にしていないことだけは確かです。

――では「劇場版」の中で、河上さんお気に入りのミニゲームやギャグを紹介してもらえますか?

河上今回、個人的におもしろいと思うのはソーシャルネットワーキングサービスのmixiをヒントに作ったパズルゲーム「幹シィ(ミキシィ)」ですね。“マイ幹は足跡を気にする”とか、実際にmixiをやってる人にはウケるだろうなという要素がいっぱいなので、ぜひ遊んでみてください。
それから「ワルードカップ」っていうミニゲームでは、“ゴムーン”と“あかまる”が合体して“アカーン”になっちゃったり・・・、ネタ元の選手はもう引退しちゃったけど(笑)。細かいところでは、メインのキャラクターたちがやたらとアプリの容量を気にしてみたりと、なにげにこっちの事情を口にしてるところがクスッときますね(笑)


――登場するNPCにも個性的なキャラクターが多いですね。

河上実はシリーズ全体を通して、世間で注目を集めている人や、好きな政治家を登場させるというコンセプトがあるんです。「劇場版」で言うと、ポイズミ首相や、やみくもにボタンを押しまくるプッシュ大統領とか、ヒルズ族や艶女(アデージョ)を皮肉ってみたり。流行りを取り入れることでいろいろな人におもしろがってもらえればと思います。

――――「ゆるゆるフレンズ」シリーズをまだプレイしたことのない人たちにお勧めするポイントは?

河上今回、「劇場版」で初めてシリーズに触れたという人は、ぜひ「1」、「2」、「3」も順を追ってプレイしてみてほしいですね。前の作品を遊んでないと物語についていけないってわけじゃないんだけど、過去の事件を知っていたほうがさらにおもしろく感じるシーンがたくさんありますよ。
とにかくこのゲームは“友だちが多くて、流行をある程度知っている人”に強くオススメしたいです。あとは、笑いに飢えている人、自分のゆるさを正当化したい人にも。テーマは“Intellectual and sexy violence(知的でセクシーな暴力)”です(笑)。


――最新作がリリースされたばかりですが、すでにゆるゆるシリーズ次回作の構想やアイデアを練っていたりしますか?

河上実は次回、ゴムーンでおなかいっぱいみたいな内容で、サブタイトルからしてすでにユーザーからツッコミが入るようなものを予定しています。ただ毎回意識的に、笑いの部分でユーザーが安心するような王道でお決まりのネタを入れるようにしていますね。ゆるゆるフレンズが「ボケ」役、ユーザーが「ツッコミ」役と、その基本的なところは裏切りませんので、次回もぜひ期待していてください!

――ありがとうございました。
©G-mode
河上 京子 (G-mode)

1967年生まれ。 2001年にジー・モード入社。
これまでにプロデュースを担当した作品は、「ゆるゆるシリーズ」、「魔王カムパニー」、「DRAGON×DRAGONシリーズ」、「宴会部長シリーズ」、「夏祭りシリーズ」など多数。多忙な毎日の疲れは、スーパー銭湯&温泉旅行などで癒しているとのこと。
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