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体罰正当化、バスケ部顧問「気合入れた」「最終的な指導法」

市立桜宮高に登校する生徒たち
市立桜宮高に登校する生徒たち
Photo By 共同 

 大阪市立桜宮高2年でバスケットボール部主将の男子生徒=当時(17)=が顧問の男性教諭(47)から体罰を受けた後に自殺した問題で、顧問が大阪市教育委員会の聞き取り調査に対して、体罰は部を強くするために「必要だと思う」と回答していたことが11日、分かった。顧問は、自殺前日の生徒に、主将を辞めた場合には控え組への降格をにおわす発言もしていた。

 市教委は昨年12月28日に行った聞き取り調査の詳細を11日、公表。顧問は自身の指導を体罰と認識していたことを認めたうえで、「体罰で気合を入れた。良い方向に行く実感があった」と、正当化していた。

 体罰抜きの指導はできなかったのかと問われ、「できたかもしれないが叩くことでよい方向に向く生徒もいた。(自殺した)生徒にもそうなってほしいと思った」と必要性を強調。「体罰は年に数回していた」とも話しているといい、常態的な激しい体罰が部内でまん延していたとみられる。

 生徒への体罰について「右手と左手で、交互に平手でやった。最終的な指導法だった」と説明。時期は不明だが、自殺前日の昨年12月22日か、同18日の練習試合での体罰とみられる。22日には「コート内に入り頬を4、5回叩いた後、頭を4、5回殴った」とし、18日にも「2、3回頬を叩き、側頭部を数回叩いた」と詳細を語った。ただ生徒は、自殺前日に「きょうもいっぱい殴られた。30発から40発かな」と母親に話していたことがすでに明らかになっており見解は食い違っている。

 また、顧問が22日の練習試合後、「主将をしないなら(2軍にあたる)Bチームになることもあるぞ」と生徒に伝えていたことも、母親からの聞き取りで判明。生徒は当初硬直して返事ができなかったといい、市教委は精神的に追い詰められた可能性もあるとみている。

 生徒がこの3日前に顧問に渡そうと書いた手紙には、「他の生徒がやっても怒られないことでも僕だけが怒られる」「それは主将だからなのか。そもそも自分は主将に適任なのか」との内容がつづられていた。

 顧問は市教委に、自殺した生徒には「(体罰が)厳しすぎた」と語り、11日までに大阪高体連バスケットボール専門部の技術委員長を辞任した。

 永井哲郎教育長と長谷川恵一教育委員長らは11日、生徒宅を訪れ謝罪した。これに対し母親は「顧問が精神的に子供を追い込んだことは許されない。厳正な処罰を望みます」と話した。

 自殺公表後、顧問の聞き取りについて市教委の説明は二転三転しており、この日の会見では「混乱させて申し訳ない」と謝罪。市教委はさらに顧問からの聞き取りを実施し、実態解明を進める。

[ 2013年1月12日 06:00 ]

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