【デトロイト=小川義也】14日開幕した北米国際自動車ショーではここ数年、エコカーの陰でなりを潜めていた高級車が主役に返り咲いた。米ゼネラル・モーターズ(GM)など自動車各社はかつて「アメ車」の象徴でもあったマッスルカーや高級セダン、多目的スポーツ車(SUV)などを前面に出して復活ぶりをアピール。金融危機以降で最も華やいだショーとなった。
最初のイベントである2013年北米カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したのは、GMの高級セダン「キャデラックATS」。過去3年間、ハイブリッド車(HV)などのエコカーや大衆車の受賞が続いており、久々の高級車の受賞となった。
最も象徴的なのが、GMが出展した7代目「シボレー・コルベット」。全面改良は8年ぶりで、米国のスポーツ車ファンには愛着が深い「スティングレー」の名称も復活させた。
排気量6.2リットルの大容量V8エンジンで450馬力のハイパワーを実現。これを初の7速手動変速機(MT)と組み合わせた。時速60マイル(約97キロメートル)までの加速はわずか4秒。ボンネットやルーフに炭素繊維を採用。骨格の一部のフレームにはアルミニウムをふんだんに使い軽量化した効果も大きい。
趣味性の高いクルマだが、GMの「本気度」は経営判断にも現れている。新型コルベットを量産化するためケンタッキー工場にアルミフレーム専用のプレス機を新設。総額1億3100万ドル(約120億円)を投じて生産ラインを刷新する。GM幹部は「政府の管理下にあったときには、存続すら危ぶまれていたコルベットがこうして復活してくれて本当にうれしい」と語る。
フォード・モーターは主力の「フォード」ブランドではなく、あえて低迷する高級ブランド「リンカーン」の新型車「MKC」を公開した。コンセプト車という位置付けだが、関係者によると「ほぼ市販型と同じ」。これまでは大型で排気量が大きく、高齢者や法人向けハイヤーなどに顧客層が限られていたが、若者に人気の高い小型車を新たに導入しイメージの刷新につなげたい考えだ。
天井は全面透明にして自然光を取り込み、車内空間に開放感を出した。エンジンや変速機など車の「走り」を左右する技術は明らかにしなかった。
ゼネラル・モーターズ、グランドチェロキー、キャデラック、シボレー、アラン・ムラーリー、カローラ、ジョン・クラフチック、コルベット、フォード、マルティン・ヴィンターコーン、ホンダ、トヨタ、フォルクスワーゲン、日産自動車、クライスラー、MKC、現代自動車
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ユーロ/円 | 118.46 - .48 | -0.09円高 | 16日 0:50 |
長期金利(%) | 0.770 | -0.040 | 15日 15:50 |
NY原油(ドル) | 94.14 | +0.58 | 14日 終値 |
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