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事件
【桜宮高2自殺】校長の手帳には「指導」メモ…隠蔽重ね 広がった傷口
手帳に体罰の顧問を指導したとするメモを残しながら、事実は隠蔽した-。大阪市立桜宮高校(都島区)の男子バスケットボール部主将が体罰後に自殺した問題に絡み、新たに発覚した男子バレーボール部の男性顧問(35)の体罰隠しが波紋を広げている。これまでの市教委側の調査からは、佐藤芳弘校長が顧問の将来を案じるという内向きの理由で隠蔽を始め、後に引けないまま傷口を広げた構図が浮かぶ。
■部員の体抱え外へ
昨年11月8日、同校体育館で行われていたバレー部の朝練で、男性顧問が1年の男子部員を呼んだ。指導に返事がなく、「おい」と頭を平手でたたいた。その直後にも、会話のやり取りの中でさらに1度、たたいた。
同じ日の放課後の練習。この部員が思い通りに動かないと感じ、「帰りなさい」「体育館から出なさい」と指示。出ようとしない部員の体を抱え、外に出した。こうした行為について、13日には佐藤校長に報告が上がった。
「体罰に該当するのではないか」。佐藤校長はとがめ、生徒側への謝罪や指導方法の改善を命じた。手帳に「13日に顧問を指導した」という趣旨のメモを書いたが、市教委への報告は見送った。
この顧問が平成23年9月、部員6人を計約250発平手打ちしたとして停職3カ月の懲戒処分を受けた経緯があり、「以前に処分を受けているから、この事案でもっと重い処分になる」と案じたためだった。最初の隠蔽が行われた。
■「事実を話そう」
約2カ月後。バスケ部主将の自殺をめぐり批判を浴びる中、佐藤校長は謝罪しながらも「体罰の話はきいたことがない」とバレー部の件は伏せた。
そして迎えた9日夜の保護者会。運動部の顧問たちが並び、1人ずつ体罰のない学校作りへの決意表明を始めた。最後にバレー部顧問が「体罰はしない」と誓ったとき、複数の保護者から「今もやっているのでは」と質問が飛んだ。
顧問は口ごもり「二度としません」とあいまいに答えた。その光景をみていた佐藤校長も口をつぐんだ。
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