• 蒼き流星 希望への架け橋 ダイジェスト1
  • ※これは「流星のロックマン」というゲームの二次創作です。あらかじめご了承ください




















    ■序章


     アメロッパ支部からギルティ(ギーラ)が派遣される。

    「我々は、シルバー・ウィンドを粛清します」

     アメロッパ支部に強襲したシルバー・ウィンドが、クロックPGMも盗んでいたことがニホン支部に報告される。シルバー・ウィンドについては保留にしておきたいヨイリーだったが、ギルティは意に返さない。

    「1月後に私たちはここニホンに改めてきます。そのときはアメロッパ最高戦力をそろえてやってきます。もちろん、ニホン支部も協力をしてくださりますね?」

     笑顔のギルティが狙うのはあくまでニホンの戦力だけ。ヨイリーの承諾などは彼にとってはどうでもいいもの。どちらにしろニホン支部がアメロッパ支部に協力することは確定されてしまっている。
     場を支配したまま帰ろうとするギーラに、ヨイリーは問いかける。

    「あなたはムーメタルというものをご存知ですか?」

     ヨイリーはギーラにシルバー・ウィンドがムーメタルを持っていることを伝える。さらにその能力を暁が補足し、一つの仮説が産まれた。シルバー・ウィンドはアメロッパ支部に、4つ目の能力時間移動を使わせたくなかったのではないかと。


    ──同時刻

     アメロッパに存在するヴァステーラ牢獄より、ギンガが何者かの手によって脱獄する。



    ■7月18日


     成績が悪いと旅行にいけないというスバル。そんな彼にルナが「じゃあお母さんを説得しに行きましょう」と提案する。半ば強引にルナはカイも連れて行く。そんなときふとスバルは、カイのウィザードがいないことに気づいた。
     スバルの家にいくと、そこでスバルは将来の夢が変わってきたことを語る。エグゼや光熱斗の頑張りで今の世界が成り立っているのなら、自分はその延長線上にいる。その一本の線を延ばしたいと。そして世界を救うというのは、悪の敵を倒すだけではないのではないか。
     そこでスバルが今進みたい進路が「穿城大学付属中学」。ニホン最高峰の学校であり、今のスバルでは進学はまず無理。
     こんな学校の試験どうすればいいのだろうか…………? そこでカイ口を挟む。

    「何故全教科出るか、何故膨大な量の時間と問題を出すか。それは自分の一番得意な問題を見つけ、解かせるためなんだな。どの教科も取ろうとする奴は時間を取って点は取れない。逆にその道だけを取れる奴はその道の問題しか解かない。そいつは結構時間がちょうど良かったりする」

     好きなことを専門的に出来る、そんな夢のような学校に進みたいスバル。そんなスバルを見てルナは旅行をやめる。

    「じゃあ、今年はみんなで夏祭りに行きましょう!」

     ルナの突然の案に、カイは反論しようとしたが努力などなかったかのように扱われる。そのまま夏休みは夏祭りだけということになった。
     その後、カイは大吾と会話をする。敵意を感じさせるカイの口調に、大吾は丁寧に切り返す。

    「正直な話をすると、我々WAXAとサテラポリスはゲイルこそがシルバー・ウィンドだと思っている」

     けれどゲイルとシルバー・ウィンドが同時刻に違う場所に存在する、という矛盾を抱えたままなので大吾には詰めが出来ない。そのままカイはただ何も言わなかった。


     カイが帰った後、真面目に勉強をするスバルにウォーロックは『敵が現れてくれればなぁ』と呟く。だがスバルはそんなスバルに「非日常になると、最初だけは刺激的な日々を送れる。だけど時間が経てばまたそれが「日常」になってしまう。また非日常にすると、最初だけは刺激的な毎日を送れる。でも非日常に「慣れ」てしまうと日常になってしまう」と説いた。そして「そうして非日常から日常になることを繰り返すと、そのうち「慣れることに慣れてしまう」とも。

    『……つまり、いつかは新しい敵が見つかっても楽しくなくなるってわけか?』

    『慣れ』への適応化。いつかウォーロックもそうなってしまうのではないかとスバルは考えていた。あくまで憶測だが。


    『ああっ! それじゃあ面白いことなんて無くなっちまうじゃねえかよ!』
    「そうかもしれない……ううん、きっとそう。だからさ、僕は今ある日常を大切にするべきだと思うんだ」

     だから今の平和な時間を楽しみたい。スバルは心の底からそう思うのだった。ずっと平和な時間で楽しく過ごしたいと。そんな彼に一通のメールがやってくる。《10時に穿城大学で待つ》
     ウォーロックはイタズラメールか間違いなのではないかというが、しかしスバルにはそう思えなかった。第六感とも呼べる何かが、スバルを穿城大学へと突き動かす。
     そこで待っていたのは一人の少年。

    「覇神黒影っていうんだ。よろしく」

     一流企業の社長が何故自分を呼んだのだろうか? その疑問よりも先に覇神は言葉を紡いでいく。

    「パラレルワールドって知っている?」

     覇神の『知り合い』は何百というパラレルワールドを渡り、スバルの、この世界での軌跡も網羅しているのだと語る。さらに覇神はその知り合いがシルバー・ウィンドであることも知らせる。

    『てめぇがここに呼び出したのは何か俺達に用があるからだろ? わざわざ正体を明かしてくれるのは構わねえが、俺達はシルバー・ウィンドがどんな奴なのかもつかめていねえ。だからおまえが何をしに来たのかも俺達には予想もつかねえ』

     何のために覇神がスバルを呼んだのか、ウォーロックには検討もつかない。そんなウィザードに覇神は簡単な答えを返すのだ。

    「君達を潰しに来た」

     だが覇神は剣を取り出すわけでも、銃口を向けるわけでもなかった。一言発するだけ。彼が行ったのはそのワンアクションだけだった。

    「サモンビースト グレイガ ファルザー」

     200年という時代を超え、現代に二体の電脳獣が蘇る。圧倒的な重圧を感じるスバルとウォーロック。だがスバルはそんな中でも相棒に言うのだった。

    「……また戦ってくれるよね?」

     かくして彼ら2人は日常という急速から、異常という日常に引き戻されていく。

    「ウェーブバトル ライド オン!!」



  • 2012年 11月25日 (日) 13時09分
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