トップページ科学・医療ニュース一覧国内初の卵子ドナー登録開始へ
ニュース詳細

国内初の卵子ドナー登録開始へ
1月14日 19時27分

国内初の卵子ドナー登録開始へ
K10047899511_1301141942_1301141947.mp4

病気などが原因で若い時期に卵巣の機能が低下し妊娠できない女性のために、無償で卵子を提供してくれるドナーの女性を募ろうと、患者や医師らが団体を立ち上げ、15日から卵子のドナーを登録する事業を始めることになりました。こうした取り組みは国内で初めてで、団体では「卵子がなく子どもを産むことができない女性を助けるため、1人でも多くの人に登録してほしい」と呼びかけています。

患者団体などが新たに立ち上げたのは「ODーNET」という団体で、14日、岸本佐智子代表らが東京で記者会見を開きました。
病気などで20代などの若い時期に月経が止まる「早発閉経」や生まれつき染色体の異常で卵巣の機能が低下している「ターナー症候群」の女性は、妊娠を望む場合、ほかの人から卵子を提供してもらう必要があります。
早発閉経の女性は100人に1人、ターナー症候群の女性は2000人に1人に上るとされています。
こうした女性に対しては、国内では25の不妊治療の施設で作る団体が、独自のガイドラインを作り5年前から卵子提供による体外受精を行っていますが、患者みずからが無償で卵子を提供してくれる人を探さなければならないため、24回しか実施されていません。
多くの夫婦が法律や学会のガイドラインが整備され、一般に行われているアメリカなどの海外に渡って卵子提供を受けていますが、1回500万円ほどかかるケースもあり、精神的にも金銭的にも大きな負担を強いられています。
このため、団体ではこうした早発閉経などの40歳未満の女性を対象に、国内でより多くの卵子提供を実施するためドナーを登録する事業を始めることにしました。
今増えている30代半ばを過ぎると妊娠しにくくなる「卵子の老化」が原因の不妊で悩む女性は対象になりません。
団体によりますと、ドナーとして登録するには35歳未満で、すでに子どもがおり、無償で提供することに同意することなどが必要です。
団体が、卵子の提供を望む女性とドナーとのマッチングを行い、選ばれると専門家によるカウンセリングが行われ、排卵を誘発するための薬によって出血や吐き気が起きたり、最悪の場合妊娠が難しくなったりするなどのリスクについて説明が行われ、同意すれば卵子を採取するということです。
提供を受けた女性とドナーは、直接会うことはなく、生まれた子どもが15歳を超えたときに望めば、体外受精を行った医療機関からドナーの名前や住所などが伝えられるということです。
岸本代表は「染色体異常や病気などで子どもが持てない悩みや苦しみを抱えている女性たちが、国内で安心して子どもを産める仕組みを作りたい。1人でも多くの人に登録してほしい」と訴えました。
団体ではドナー登録の受け付けを15日、メールやFAXで始めるということです。
メールアドレスはinfo@od-net.jpファックスは078-335-1877です。

[関連ニュース]
このページの先頭へ