4大河川事業は逆効果、水質悪化を確認

 李明博(イ・ミョンバク)政権の「4大河川再生事業」の対象となった漢江、洛東江、錦江、栄山江の水質を事業開始以前と比較したところ、事業の対象とはならなかった河川よりも水質が悪化したことが確認された。政府は当初、4大河川に16のせきを建設して水量を確保すれば、水質が改善されると説明してきたが、結果は反対だった。水質専門家は「水系の中間に設けられた大型のせきで川の流れが停滞し、4大河川事業は事実上逆効果を生んだ」と分析した。

 環境部(省に相当)は11日、大統領職引き継ぎ委員会に対し、4大河川水質改善効果の分析結果を示すとともに、民間専門家が参加する「4大河川水質評価団」を結成し、水質改善対策を取りまとめると報告した。

 本紙が環境部の水環境情報システムで4大河川事業の対象となった66地点と事業対象外の48地点の水質を同事業実施以前(2007-09年までの1-11月)と同事業実施以降(12年1-11月)に分けて比較した結果、4大河川事業の対象区間では、生化学的酸素要求量(BOD)が66カ所のうち38カ所(57.6%)で改善した。しかし、事業対象外区間では改善した地点の割合がさらに高く、48カ所中35カ所(72.9%)だった。

 また、化学的酸素要求量(COD)が改善した区間は、事業対象区間で31.8%にとどまったのに対し、事業対象外の区間では56.3%に達した。リン化合物の含有量を示す全リン(TP)は事業対象区間で72.7%が改善したものの、事業対象外の区間ではさらに高い81.3%で改善が見られた。水質専門家は「16カ所のせきで4大河川事業以前に比べ7億トン以上の流量が確保できたが、水質改善には失敗した。水量が増えたことによる水質改善効果よりも、水流が滞ることによる水質悪化効果が大きかったためとみられる」と述べた。4大河川水系のせきが水質変化の決定的な要素になったとの指摘だ。

 特に16カ所のせきのうち8カ所が集中する洛東江で、水質改善が進まなかった。洛東江流域の66カ所ではCODが改善した地点が22.7%にとどまった。これに対し、せきに遮られずに川の水が自然に流れる事業対象外地点では66.7%の地点で改善が見られた。BODも4大河川で一定の改善効果が見られたが、事業対象区間での改善地点の割合は45.5%にとどまり、事業対象外区間での81.8%に全く届かなかった。

 政府は09年から4大河川の本流と支流66カ所に3兆9000億ウォン(約3300億円)を投じ、下水・廃水処理場を増設し、下水・廃水の放出時の環境基準を最高で20倍に強化するなど水質改善に取り組んできた。4大河川事業の対象ではない河川については、過去と同じ水質基準を適用している。

朴恩鎬(パク・ウンホ)記者
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