|
|
|
戦争は、多くの死者が出て、国土も荒廃する・・・。そんな無益な全面戦争を避けるため、対立する部族が、お互いの代表者を決闘をさせ、その勝敗で決着を付けよう!
それが古代ローマの勇者ホラティウス三兄弟の物語なのだ!
|
ホラティウス三兄弟は、私(F)のかなり古馴染みなのであります。
私が中学生の時(・・・・昔、昔・・かなりな昔なのだが・・)、当時の数学の先生が、職員室出入りの本屋さんから毎月出る美術書を買っていたのです。河出書房出版の世界の美術全25巻。
この本屋さんが来るたびに、私はいそいそと職員室に入って行って、先生より先に見せてもらうのが楽しみでございました・・。ドラクロア、ダヴィッド、アングルなどの、結構ドラマチックな絵柄が好きでしたね。
まあ、そんな中で、ダヴィッドの歴史画はかなりのお気に入りで、結局、「ゴヤ・ダヴィッド・アングル」の巻は自分で買ってしまったのですが、その中にあったのが、かの有名な「サビニの女」や、このルーヴル美術館にある有名な「ホラティウス三兄弟の誓い」という絵です。
絵の中央に赤いトーガの父親が3本の剣をかかげ、それに向かって、左側に並んで立つ三兄弟が手を差し伸べて誓いを立てているのです。
父親の後方、画面の右側には、兄弟の勇ましさと対照的に悲しみに沈む女たちが3人、子供が2人描かれています。
さて、当時(紀元前670年頃)、ローマ三代目の王様ホスティリウスの時、アルバ・ロンガとの関係が悪くなっていました。
アルバ・ロンガとは、勿論ロムルス・レムスの双子が、ほりだされて捨てられた国です。だから、まあロムルスの出身地と言ってもいいでしょうけど、いわば親戚同士で仲が悪くなったみたいなもんですよね。
そこで一触即発の危険な関係であったので、解決策としてお互いの国の勇士を出して戦わせ、勝った方が負けたほうを支配する、という話し合いをトップがやったわけです。
そして、ローマ側の代表選手として選ばれたのがホラティウス家の三兄弟。彼らは三つ子であったとも言われているそうですが、ロムルス・レムスの双子といい、神話・伝説ではけっこう双子っているんですよね。日本では双子は嫌われていたので、双子の英雄なんてヤマトタケルぐらいしか思いつかないけど、ローマでは人気の神様カストルとポルクスも双子ですものねえ。ほれ、かの有名な略奪のヘレネの兄ですよ。これはゼウスの子供とティンダレオスの子供が一緒に双子になって生まれてきたの(猫みたいや!猫の雌は、違う雄の子供を一緒に妊娠できるので、五匹産んでも、全部父親が違うってこともありうるらしい)。
このホラティウス兄弟は、アルバ・ロンガの代表3人との戦いで、結局、最後に一人が生き残って、ローマの勝ちとなる。こういう団体生き残り戦ってローマ人は好きですね。まるでコロッセオの剣闘試合みたいだけど、逆にそういう試合が伝説をなぞっているのでしょうけど。
しかも、悲劇なのは、この倒されたアルバ・ロンガ側の一人が、ホラティウス兄弟の妹の恋人だったってドラマまで用意しているの。う〜ん・・古代史劇だ。
でも、せっかくの命がけの勇者の戦いも、そのあとアルバ・ロンガの王メッティウスのセコい策で、影が薄くなる。つまり、メッティウスは、約束どおりローマの支配下に甘んじるのが大いに不満で、策を用いて、別の部族のフェィディナテス人にローマ攻略を持ちかけるのです。で、その戦闘にローマの同盟軍として出陣しておきながら、形勢を見てどちらにつくか決めようと、二股かけたわけですよ。
結局、ローマ王の機転のきいた作戦でローマが勝ち、メッティウスの裏切りが明らかになったので、メッティウスは滅多切り・・・とダジャレを言いたいところだけれど、実は「車裂き」にされたのです。ああ恐ろしい・・。
まあ、そうして結果論で見れば、メッティウスの背信行為が原因とはいえ、ローマは戦争をしているわけだから、ホラティウス兄弟の犠牲はなんだったのか・・・なんて思うのですが、こういう物語に人々はローマのロマンを感じて(だじゃれじゃー!)、絵にも描いたのでしょうねえ。
ダヴィッドの絵は、あの「サビニの女」もそうだけど、「テルモピュライ」とか、裸の男の群像が好きなんでしょうかねえ。目だってるなあ。(F)
|