右ボタン

正平調

時計2013/01/08

  • 印刷

子どもが突然、いなくなる。そうした異変は古くから語り伝えられてきた。いわゆる「神隠し」もその一つだ。子どもの姿が消えたとき、かつては村人が総出で山などを捜し回ったという◆この子らの場合は、一体誰が行方を捜してくれるのだろう。入学するはずの子が入学式に現れない。ある日を境に学校に来なくなる。家は無人で、どこに行ったか誰も知らない。そうした小中学生が県内に42人いると、先日の本紙記事にあった◆住民票を残したまま1年以上も所在不明の場合は、文科省に報告される。県内では28人がこれに該当する。全国では千人近い児童生徒が1年以上も消息を絶っている。どう考えても尋常ではない◆借金からの家族ぐるみの夜逃げか。夫などからの暴力を避けるため、母親が子どもと身を隠したのか。親が子連れで職場を転々としているのか。推測はできても、真実は分からない。個人情報の壁もあり、学校も役所も追跡調査は難しいと話す◆消えた親子と地域とのつながりは強くない。第一、家庭の事情は外から見えにくい。転居先の学校や役所、支援団体などに自ら連絡してこない限り、居どころはつかめない。本気で捜そうとする人がいないまま、周囲の記憶は次第に薄れていく◆住民票の場所に住んでいないと自治体が判断すれば、子どもの名前は教委の帳簿から消されるそうだ。無縁社会の闇が子どもをのみ込んでいく。2013・1・8

正平調の最新

おすすめ

そのとき、何が 南海トラフ巨大地震
南海トラフ巨大地震が起きた場合、最悪で兵庫県の死者は7400人。そのとき県南部の沿岸に何が起きるのか。(そのとき、何が 南海トラフ巨大地震)
R2を行く 震災18年の国道2号線沿線
震災の記憶を、その後の人々の営みを刻む道、国道2号。発生から18年を迎える神戸の街で、東から西へ歩いた。(R2を行く 震災18年の国道2号線沿線プラス
選挙草論
今年、兵庫は、首長選、市議・町議選が相次ぐ。とらえどころのない民意を生みだす選挙という仕組みを足元から見つめ直す。(選挙草論プラス
このまどろっこしくも 目が離せないもの 政治
記者が、何人かの有権者と政治について時間をかけて話し合った。その語りにお付き合いを。(このまどろっこしくも 目が離せないもの 政治プラス

天気(1月14日)詳しく

神戸(兵庫県南部)

  • 9℃
  • ---℃
  • 50%

豊岡(兵庫県北部)

  • 6℃
  • ---℃
  • 70%

大阪

  • 6℃
  • ---℃
  • 60%

京都

  • 7℃
  • ---℃
  • 60%
  • 各地の天気
  • 雨雲の動き
  • 警報・注意報

お知らせ


チェックした記事

チェックした記事 チェックした記事

記事選択ボタン

記事選択ボタン

記事選択ボタン

閉じる

  • ログイン
  • 新規申込
  • 紙面を見る
  • 全ての地域版
  • 記事データベース
  • 文字サイズ
  • 小
  • 中
  • 大

ヘルプ

閉じる