浩二ジャパン、ブラジルを丸裸！橋上戦略コーチが徹底解剖

　ワールド・ベースボール・クラシック（ＷＢＣ）日本代表の橋上秀樹戦略コーチ（４７）が１３日、「ブラジルに勝つことだけを考えている」と１次ラウンド（Ｒ）開幕戦（３月２日・ヤフーＤ）でぶつかる相手を徹底解剖する考えを明かした。侍ジャパンの頭脳は、２１日から来月１０日までの２０日間、都内で中国、キューバを含めた３か国のデータ分析を行う。初戦突破に向け、ブラジルを丸裸にするつもりだ。

　ＷＢＣ３連覇へ向け、侍ジャパンがいよいよ臨戦態勢に入る。日本代表の橋上戦略コーチ（巨人）がこの日、都内で取材に応じ、最もマークするのは、初戦でぶつかるブラジル（３月２日・ヤフーＤ）だと明かした。「ブラジルに勝つことだけを考える。しっかりと分析して、代表合宿に持っていきたい」。油断はできないものの、２戦目は力の劣る中国だけに、波に乗るためには初戦突破が最重要事項と位置づけた。

　橋上コーチは、巨人の宮崎春季キャンプには帯同せず、都内に残り、３か国の詳細な分析を行う。「ブラジル、中国、キューバの細かな映像やデータが２１日にはそろう。そこから１次ラウンドで戦う３か国のデータ分析に入る」と話し、２月１０日まで洗い出し作業を続ける予定だ。

　不気味に感じているのは、ブラジルの投手力だという。「どんなピッチャーがいるのか、未知な部分が多い」。集まったビデオをもとに、球種からクイックモーションの速さ、フィールディング力、コース別の割合、個々の性格まで幅広く丸裸にする。

　山本監督も警戒心を強めていた。昨年１１月の予選映像を入手し、メジャーリーガーをそろえたパナマに２連勝したことに注目。「やはり投手力がいい」と高く評価していた。直球、カットボール、フォークを低めに集めるヤクルトのフェルナンデスや、１５０キロに迫る直球と動くボールを武器とする２０歳の守護神・ビエイラ（マリナーズ下部組織所属）らを中心に、徹底解剖していく。

　橋上コーチは各国の打撃陣について「どこのコース、球種が弱いのか。チャートに記して、確率を出したい」と説明した。ブラジル初のメジャーリーガーである捕手のゴメス（インディアンス）や中国、そしてグリエル、セペダら強力打線を形成するキューバの全代表選手のスイングスピードやバットの軌道も解析。約３週間で１次Ｒ突破への道を探る。

　西山、村田の両スコアラー（ともに巨人）は、今月中旬から沖縄に入り、キャンプを張る韓国の各球団を偵察する予定。巨人を史上初の５冠に導いた“頭脳”が、侍Ｖ３のカギを握っている。

　◆日本一の頭脳・橋上戦略コーチとは　巨人が１１年１１月に新設した「戦略室」のトップ格のコーチとして就任。０７年から３年間、楽天・野村監督の下でヘッドコーチを務めた経験を生かし、選手にデータに基づいた指示を送る重要性を強調した。選手にも情報収集をさせるため、試合前のミーティングや、相手選手の映像データ収集の時にメモ帳を必携させた。意識改革を徹底し、３年ぶり日本一の陰の立役者として貢献した。