こんな話題が出ていますね。朝日新聞の記事より。会員登録が必要なので中身は読んでいないのですが(ごめんなさい)、帰る場所がなくマクドナルドで夜を過ごす人たちが増えている、という話なのでしょう。
朝日新聞デジタル:(限界にっぽん)夜をさまよう「マクド難民」 非正規の職まで失う – ニュース
若者ホームレス問題
「ネットカフェ難民」の問題もそうですが、要するに彼らは「ホームレス」なんですね。当事者の人たちの気持ちを慮って「難民」という曖昧なことばを使っているのかもしれませんが、実質家がないわけですから、定義的にはホームレスとなります。
参考:“ホームレス”の定義とは? [若者ホームレス白書] | BIG ISSUE ONLINE
記事の冒頭でも「30〜40代ぐらいだろうか」とありますが、ここ最近、ネットカフェやマクドナルドを「宿」にする、若いホームレスが増えているそうです。ぼくもお手伝いさせていただいているビッグイシューが、この「若者ホームレス問題」についてコミットしているのでご紹介。
そのことに気づいたのは3年半前の2007年3月のことでした。その月、ホームレスの人しか売れない雑誌『ビッグイシュー日本』を売りたいとやって来た13人のうち、7人が40歳未満の、20歳代、30歳代の人でした。その頃、ホームレスの人の平均年齢は56.9歳といわれていましたから、若いホームレスの人の出現は衝撃的でした。
インタビューと調査によれば、製造業派遣を点々とした人、親との関係が悪化して実家に帰れない人、児童養護施設出身で頼れる場所がない人、虐待を受けてきた人などが「若者ホームレス」になってしまっている実態があります。
養育者で見ると、ひとり親世帯に育てられた方が三人に一人。養護施設で育った人もが1割強となっています。
「若者がふらふらとしているだけだ、自己責任だ!」と容易に見捨てようとする人もいるのでしょうけれど、こうしたデータを見るに、僕は自己責任だとは到底思えません。社会全体で解決していかないといけない課題でしょう。ぼくが事故か何かで死んでしまったとき、自分の子どもたちがホームレスになってしまう社会は嫌ですからね。
さらにいえば、こうした若者たちを支援することは、そのまま社会への投資となります。「自己責任だ!」と語る人たちは、こんなシンプルなことすら見逃しているのではないでしょうか。
残念ながら、まだまだ若者を支える活動への世間の風当たりは強い。つまずき、傷つき、立ち止まってしまっている若者に突きつけられる「自己責任論」、いまだ根強い「気合いと根性」の言葉。
でも、もうそんなことを言っている時間はないし、彼らを支援することは社会が前進することなのは間違いないのだから、「支援しない」「放置する」という選択肢を選ぶようなことは、とてももったいないことなのだ。
宣伝になってしまいますが、より詳しく問題について知りたい方は「若者ホームレス白書」をぜひ。ビッグイシュー・オンラインで連載としてアップしています。
関連本。若者ホームレス問題に関してはルポも出版されています。