名古屋グランパスのMF中村直志(33)とGK西村弘司(28)が13日、愛知県大府市内でサッカー教室の講師役を務めた。故障からの復活を期す中村は「一から出直す」とレギュラー再奪取へ並々ならぬ決意を表明。グランパス一筋13年目の仕事人が勝負のシーズンを迎える。
子どもたちに終始向けられた柔らかい笑顔は、近年にはない良好なコンディションの裏返しか。「膝の状態は1年前とは全然違う。かなり良くなっているという実感があります」。ドリブル、パスと気持ちよさそうに動き回った。
昨年6月、中村は痛みを抱えていた左膝の手術に踏み切った。その代償として昨季のJリーグでの出場試合数はプロ入り後ワーストの5試合のみ。「元通りに動けるようになるのか、不安はいつも感じていた」と不安と戦いながらリハビリに明け暮れた。
長期欠場中、ボランチのレギュラーには若手MF田口が定着。ストイコビッチ監督の信頼を得た。故障から復帰する今季は、実績十分の中村といえどもポジションは約束されていない。田口やダニルソンとの競争に勝って出番を勝ち取らなければならない立場だ。
「一から出直すつもりです。また試合に出続けられるようにアピールする」と中村。「ディフェンスはもちろん、攻撃に出られるときは出る。攻守で自分のスタンスを貫いていく」。バランサーとしての存在感を再び取り戻すと語った。
オフの間は、ほぼ無休でランニングなどを続けてきたという。「いつもの年なら休んで疲れを取ることを優先しますが、今はあんまり休んでいられない。いい状態で2月のキャンプを迎えたい」と意気込む。絶大な人気を誇る仕事人の復活が、グランパスのタイトル奪還にも欠かせない。
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