Hatena::ブログ(Diary)

誰かの妄想・はてな版

2013-01-13

はてなキーワードを直した

とりあえず、「政治犯」の項目を直しました。

余裕があれば、もう少し詳しく書き足そうかとは思います。

修正前の記述は、おそらくは多くのネット民の「政治犯」概念の理解だったんだろうなとは思います。


素朴な理解の人たち

vid

日本人相手なら殺人を犯しても「義士」なのだから、放火程度は問題ないのでしょう。「政治犯」の意味が国際的な概念とは全く違ってる国である事の証明だよね、これ。 2013/01/04

azumi_stogetter, 司法, 韓国, 政治

要するに火病韓国で最重要視される要素…という理解でよろしいのでしょうか…? 2013/01/04

zaikabou

あらゆる行為は政治性を帯びる、とすると… 2013/01/04

REV

政治犯の範囲が、どの程度まで広がるのか気になる。 2013/01/04

sirobutogetter, twitter, 国際

不文法が成文法より上位にあるとか、本当に法治国家なのか、あの国は…… 政治的意図があるから放火犯だけど引き渡さないから!ってことならテロリストの皆さんは韓国に逃げ込めばいいんじゃないですかね、もう。 2013/01/04

R2M事件

あかん、混乱してきた。例え靖国に政治性があったとしても、政治的理由で逮捕状が出されたわけでもなくタダの刑法犯である以上、政治犯でもなんでもないようにしか見えんのだが。 2013/01/05

samoku

国民情緒法」なる言葉があるらしい。標的が政治的意義のある施設だからといって放火犯を政治犯としていいのか、日本は政治犯弾圧する国と決め付けられたことになるのでは、という問題。 2013/01/05

okra2

不文律は必ずしも悪じゃないけどそれが最優先ってのはさすがにちょっとどうなのか。ワラタ (id:)Apeman*12013/01/05

bitey

放火が政治活動らしいよ。立派なテロ国家ですこと。 2013/01/06

http://b.hatena.ne.jp/entry/togetter.com/li/433862

「素朴」というのは控えめな表現です。

政治犯認定に疑問が生じたのなら調べればいいのですが、"韓国だから"で思考停止したんでしょうね。

*1:すみません。idコールをそのままコピペしてしまいました。

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2013-01-12

はてなキーワードの「政治犯」の項目が適当すぎる

(上げたのは1月13日)

反政府活動や言論によって触法した犯罪者。

先進国では言論や結社の自由が保証されているため、政治犯の存在はあり得ない*1。

逆に言えば、どんなに経済的に発展していようが政治犯が存在する国家は先進国とは言えない。

http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%AF%BC%A3%C8%C8

政治犯の有無と先進国であるかどうかは関係ありません。


ちなみに辞書だとこんな感じ。

この言葉には,客観的な行為としての政治犯罪自体を意味する場合と,その行為主体たる政治犯罪人自身を意味する場合とが含まれる。政治犯罪political crimeとは,特定の政治体制の変革ないしは特定の政策の変更を目的とした行為が,当該政治社会の刑法その他刑罰法規に触れることを意味する。また政治犯罪は,国家の全体的な秩序そのものを直接攻撃の対象とするために,〈国事犯state crime〉と呼ばれることもある。


国家の政治,秩序を侵害する犯罪。国事犯とも。内乱罪のように政治的色彩をもっているものだけに限らず,殺人罪などでも国政を紊乱(びんらん)する目的で犯されれば本罪になる。


国の政治的秩序を侵害する罪。広くは政治的動機によって犯される罪。また、その犯罪者。国事犯。


政治上の主張を貫くためになされた行為が法に触れたことによって成り立つ犯罪。また,その犯人。

http://kotobank.jp/word/%E6%94%BF%E6%B2%BB%E7%8A%AF

特に「殺人罪などでも国政を紊乱(びんらん)する目的で犯されれば本罪になる。」という点は重要。

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2013-01-11

放火犯引渡し拒否が不当とまでは言えない

靖国神社に放火した中国人容疑者韓国政府韓国高裁政治犯認定を受けて、日本への身柄引き渡しを拒否し中国へ送還した件です。

韓国政府政治犯として日本の身柄引渡し要求を拒絶したことの背景に、日本国内の政治権力争いに外交が利用された結果、日韓日中関係が急激に悪化したという情勢があることは否定できません。

政治犯認定に政治的な判断が入るのは、冷戦時の東西対立を思い起こせば至極当然の話でしかありません。

したがって、今回の韓国の対応を見て、韓国が日本よりも中国を隣国として重視していると判断することは正しいと言えるでしょう*1

しかしながら、こういった政治判断と政治犯認定が不当かというのは別の問題です。

(産経)【主張】靖国放火男 「政治犯」認定はおかしい(2013.1.5 03:31)

靖国放火容疑者 韓国の引き渡し拒否は不当だ(1月6日付・読売社説)

(毎日)社説:安倍政権の外交 アジアでの足場固めを(2013年01月08日 02時30分)

当然のように主要な日本国メディアは不当だと叩いていますが、もともとの罪状が建造物等以外放火(刑法110条)で、裁判で「公共の危険」が認められなかった場合は器物損壊罪(刑法261条)に留まる程度*2のかなり軽い犯罪です。

ちなみに建造物等以外放火の場合は「一年以上十年以下の懲役」、器物損壊の場合は「三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料」です。

さらに当の中国人容疑者は在韓日本大使館に火炎瓶を投げた罪で既に10ヶ月服役しています。そして日韓犯罪人引渡し条約*3では引渡し犯罪を「死刑又は無期若しくは長期一年以上の拘禁刑に処することとされているもの」と限定されていますので、要件上でもかなりぎりぎりです。

逆説的かもしれませんが、こういった軽い罪の容疑者引渡し拒否に対して「政治犯認定は不当!」などと主要メディアが大騒ぎすることそのものが、余計“放火した対象が靖国神社だから騒いでいる”と政治犯認定の正しさを示していると言えるでしょう。

さて、韓国高裁が当該容疑者政治犯と認定したロジックを知るためには判決文を読むのが最良でしょうが、判決文そのものは見当たらないので朝鮮日報の記事を参照します。

「靖国神社放火は政治的抗議、日本に引き渡せば迫害受ける」(朝鮮日報日本語版 1月4日(金)10時20分配信)

 高裁政治犯だという判断の根拠として、犯行の動機や目的、犯行の対象である靖国神社の持つ意味合い、被害の程度などを挙げた。

 高裁は、劉強元受刑者の放火の動機について「日本が犯した歴史的事実に関する認識・怒りに起因したもの」と判断した。「劉強元受刑者の犯行は政治的大義(日本による植民地支配に対する政治的抗議の意思表示)のため行われたもので、犯行と政治的目的の間に有機的な関連性が認められる」というのだ。

 (略)

 また、靖国神社については「法律上は宗教団体の財産ではあるが、国の施設に相応する政治的象徴性がある」と判断した。日本の侵略戦争を主導した戦犯たちが合祀(ごうし)されており、周辺国の反発があるのにもかかわらず、日本政府の閣僚たちが参拝を続けているというものだ。

 高裁は、劉強元受刑者の放火による被害については「靖国神社の外にある門の一部が損傷しただけで、人命被害がない点などを考えると、深刻かつ残虐な反人倫的犯罪とは断定しがたい。犯行の法的性格は放火だが、事実上の性格は損壊に近く、公共に対する危険度は高くない」と述べた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130104-00000824-chosun-kr

韓国高裁の判断基準となったのは「犯行の動機や目的、犯行の対象である靖国神社の持つ意味合い、被害の程度など」とあります。これは以下にほぼ対応すると言えます。

犯罪の政治的要素が普通的要素をうわまわるための要件は、次のようになる。

 (1)その行為が、純粋な政治犯罪の成功を準備または確保する目的で行われたものであること

 (2)行われた犯罪とそれによって追求された目的との間に直接的な関係が存在すること

 (3)行われた犯罪は、追求された政治目的との釣合いを失した残虐行為を含むものではないこと

http://dspace.wul.waseda.ac.jp/dspace/bitstream/2065/6284/1/A05111951-00-021000001.pdf

動機が「日本が犯した歴史的事実に関する認識・怒りに起因したもの」との判断は、「純粋な政治犯罪の成功を準備または確保する目的で行われた」ことに対応し、「劉強元受刑者の犯行は政治的大義(日本による植民地支配に対する政治的抗議の意思表示)のため行われたもので、犯行と政治的目的の間に有機的な関連性が認められる」との判断は、「行われた犯罪とそれによって追求された目的との間に直接的な関係が存在すること」を示しています。

靖国神社の外にある門の一部が損傷しただけで、人命被害がない点などを考えると、深刻かつ残虐な反人倫的犯罪とは断定しがたい。」という判断は、「追求された政治目的との釣合いを失した残虐行為を含むものではないこと」を示しています。

ではこれらの妥当性を個々に見ていきましょう。

(1)その行為が、純粋な政治犯罪の成功を準備または確保する目的で行われたものであること

これについては「日本が犯した歴史的事実に関する認識・怒りに起因したもの」「政治的大義(日本による植民地支配に対する政治的抗議の意思表示)のため」と判断されています。

靖国神社への放火と言う行為が、「日本が犯した歴史的事実に関する認識・怒りに起因した」動機と「日本による植民地支配に対する政治的抗議の意思表示」という目的で為されたことは容易に理解できます。

「純粋な政治犯罪」とは「国家の権力関係、および国家の機構に対する攻撃」を指しますが、「日本による植民地支配に対する政治的抗議の意思表示」もこれに含まれるというのは特に難解な話ではありません。

犯人が語った動機の信憑性についても直接の逮捕容疑がソウル日本大使館への火炎瓶投げ入れであったことを考えれば、信憑性を疑うべき合理的な根拠は見出せません。


(2)行われた犯罪とそれによって追求された目的との間に直接的な関係が存在すること

これについて「犯行と政治的目的の間に有機的な関連性が認められる」と韓国高裁は判断しています。

靖国神社への放火と言う行為と「日本による植民地支配に対する政治的抗議の意思表示」の間に関連性があるかということですが、A級戦犯を合祀しアジア太平洋戦争を正当化している神社であり、かつ首相をはじめ閣僚の公式参拝させたいという要望右翼団体右翼政治家右翼メディアからしきりに発せられる状況を鑑みれば、関連性を見出して当然とも言えます。

もちろん。公式には靖国神社は非国営の宗教法人に過ぎませんので、「国家の権力関係、および国家の機構に対する攻撃」との関連性を否定する余地はありますが、おそらくそういう主張が裁判の中でもされたのでしょう、「法律上は宗教団体の財産ではあるが、国の施設に相応する政治的象徴性がある」という判断を高裁は出しています。

皮肉なことに、日本の右翼による首相公式参拝要求や靖国神社国営化の要望などが、靖国神社の「国の施設に相応する政治的象徴性」を裏付けてるとさえ言えます。


(3)行われた犯罪は、追求された政治目的との釣合いを失した残虐行為を含むものではないこと

靖国神社への放火と言う行為が、「日本による植民地支配に対する政治的抗議の意思表示」という目的とバランスが取れないほどの残虐行為を含んだか、という基準ですが、これに対して「靖国神社の外にある門の一部が損傷しただけで、人命被害がない点などを考えると、深刻かつ残虐な反人倫的犯罪とは断定しがたい。」と韓国高裁は判断しています。

「放火」ということで、読売新聞などは「放火という重大な犯罪」*4と吹き上がってますが、日本側が引き渡しを要求した根拠容疑が建造物等以外放火であることを考えると「重大な犯罪」と呼ぶのは過剰反応と言えます。上にも書いたとおり、建造物等以外放火は公共の危険がない場合、器物損壊とみなされる程度の犯罪です。

韓国高裁もこの点に触れ「犯行の法的性格は放火だが、事実上の性格は損壊に近く、公共に対する危険度は高くない」と評しています。

「日本による植民地支配に対する政治的抗議の意思表示」という目的に対して、器物損壊に近い建造物等以外放火という犯罪が釣合いを失した残虐行為と言えるかと言えば、個人的には言えないと考えます。

もし、日本政府が過去の植民地支配などに対して政府として明確な謝罪や賠償を行っており、セカンドレイプに等しい歴史修正主義否定論に対して、政府が公式に否定論反対の立場を取っているならば、「日本による植民地支配に対する政治的抗議の意思表示」という目的が重視されることはなかったかもしれません。

また、放火した場所・時間帯が、無関係の人を傷つけるようなものであったなら、あるいは放火した結果、歴史的に価値ある建造物が全焼したりしたのなら、残虐行為が重視され、釣合いを失したと判断されたかも知れません。

もちろん、これには別の意見もあるでしょうが、「深刻かつ残虐な反人倫的犯罪とは断定しがたい」という高裁判断から「行われた犯罪は、追求された政治目的との釣合いを失した残虐行為を含むものではない」と判断することが不当であるとまでは断言できないでしょう。

ところで読売新聞は「靖国神社には何をしても許されると言ったも同然ではないか。」と社説に書いていますが、「犯行の法的性格は放火だが、事実上の性格は損壊に近く、公共に対する危険度は高くない」という高裁判断をまるで無視した暴論にすぎません。

「何をしても許される」のなら「深刻かつ残虐な反人倫的犯罪とは断定しがたい」とか「公共に対する危険度は高くない」などとは言わないでしょう。


相対的政治犯

以上の3点から、今回の靖国神社への放火という犯罪について、政治的要素が普通的要素をうわまわる相対的政治犯罪であるとみなしても、特に不当な判断だとは思えません。

産経、読売、毎日をはじめ、政治犯認定を不当だとする主張で、政治犯の定義を明確にした上で論理的に韓国高裁の判断に論駁しているものを見かけません。最初に「不当だ」と決め付けた上で論理など無視した乱暴な意見ばかりが目に付き、日本がいかに冷静さを失っているかを物語っているようです。

おそらく、日本の記者たちは政治犯の定義についてまともに考えた事もないのでしょう。あるいは、安倍政権の誕生を海外から右傾化と呼ばれて、それをメディア自身が否定しているうちに批判精神すら見失ったのかもしれません。

一方で「政治犯に決まっている」的な単純な決め付けも見かけますが、これも乱暴な意見です。火災の程度によっては政治犯とみなすべきではないこともあり得ることに留意すべきです。いかなる政治的大義があろうと、無関係の人を傷つけるような行為が容認されるわけではありません。




参考

政治犯の定義に関する資料の紹介

政治犯罪概念の国際法的考察

レイシズム全開のtoggeter

なんちゃって識者たちの饗宴

不文憲法がどうとか言っているのはこの件。

憲法裁判所2004.10.21.

この決定(憲法裁判所)では、「大韓民国の首都はソウルであること」は慣習憲法であることから、首都移転のためには憲法改正手続によらねばならず、国会が新行政首都建設のための特別措置法によって法律を用いて移転する決定は違憲であると宣告した。この決定の趣旨に賛成する見解もあるが、学会からは強い批判を受けた。この決定によって上記の法律の効力が失われ、政府は、移転する行政機関の範囲を縮小し、行政首都に代わる行政中心複合都市を建設することを決定し、この結果、根拠となる法律である「新行政首都対策のための燕岐・公州地域行政中心複合都市建設のための特別法」が制定された。憲法裁判所は、この法律に対する憲法訴願の請求は却下した(憲法裁判所2005.11.24)。

http://www.waseda.jp/hiken/jp/public/review/pdf/45/02/ronbun/A04408055-00-045020001.pdf

レイシストにとっては揶揄のネタにしか見えないのでしょうけどね。

*1:当然ながら、韓国中国寄りに追いやったのは、野党自民党が無責任に煽った竹島問題であり、右翼議員らによる従軍慰安婦否定論の流布です。外交対立を激化させないという当然の選択肢よりも政権奪回という政局を優先して民主党政権を追い詰めた結果、外交はズタズタにされたわけです。

*2http://park.geocities.jp/funotch/keiho/kakuron/shakaihoueki1/koukyounoheion/houka_shikka/kenzoubutsuigaihouka.html

*3:犯罪人引渡しに関する日本国大韓民国との間の条約 http://www1.doshisha.ac.jp/~karai/intlaw/docs/jpkorextradition.htm

*4http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20130105-OYT1T01103.htm

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2013-01-10

イナゴの生態

去年の12月から粘着しているイナゴのコメント。

キモイ上に笑えるので、承認してみました。

飽きるとでも 2013/01/11 00:14

思ってるんだろうが

一旦張り付くと4年とか粘着するからね俺は。

実際それでコメント欄無くしたブログがあるよ。

皇太子がデリヘルどうのと書き込んでるブログ。18歳未満を深夜労働させていた店の経営者が主。この店はそよ風が店を貸し切ったこともある。

http://d.hatena.ne.jp/scopedog/20130110/1357824525#c118539490

何か自慢しているらしい。

イナゴのコメントは大体、1日3〜4回、今のところほぼ毎日書き込まれていますね。ゴミなので承認してませんけど。

とりあえず、まだ1ヶ月なので、あと47ヶ月続くらしい。イナゴも大変だ。

読み手にも問題があると思う

この記事です。

調査レポート 女性読者の皆様、怒らずに最後まで読んでみてください 男たちの思秋期「まさかあの人が痴漢」には理由があった

全面的に賛同するわけではありません。いくつかの意見には賛同しかねるものもありますし、どうすればいいのかについて何も書かれていませんし、タイトルの付け方は狙いすぎな気もします。それでもなお、記事自体は興味深い内容でしたし、粗いながらも分析として評価できるものだと思います。

一言で言えば、中年男性が痴漢行為に至る精神的なメカニズムを色んな論者の意見から考察するような内容で、だからと言って痴漢行為を擁護しているわけでもなく、痴漢しても仕方ないとも被害者を軽視しているわけでもないと感じました。

もちろん、痴漢被害に遭った被害者や被害に遭うかもしれない女性*1にとっては、そんな記事を読んでも不快に思うことの方が多いでしょう。

なのでブクマにあるこういう意見ももっともと思えなくもありません。

kosigan

訴えるべき読者層を間違えてる。30〜40代の男性に「こうなる可能性があるから、今からうまく対処できるようにしましょう」と訴えるべきで、「事情があるから」って被害者に同情を求めるのは違うでしょ。 2012/12/31

http://b.hatena.ne.jp/entry/gendai.ismedia.jp/articles/-/34399

ただ、この意見もちょっとどうかと思うところがあります。「「事情があるから」って被害者に同情を求める」ような記述は記事中には見当たりません。何人かの論者の意見の中には、そういうニュアンスを感じ取れる箇所もないではないですが、記事全体としてそういうトーンをかなり抑制していると思います。

もう一点、「訴えるべき読者層を間違えてる」というのも、この記事は現代ビジネスの記事ということを失念しているのではないかと思います。

現代ビジネスの想定している読者層は、中年の管理職層で*2多くは男性です。つまり、この記事に出てくる痴漢加害者に年代・環境が近い人たちを主たる読者層としているわけです。

ですから「30〜40代の男性に「こうなる可能性があるから、今からうまく対処できるようにしましょう」と訴えるべき」というのは、まさにそういう記事だと解釈すべきであって、ネット上にあるためにターゲット以外の人たちの目についたに過ぎません。

それを踏まえると「女性読者の皆様、怒らずに最後まで読んでみてください」というタイトルが狙いすぎとは思います*3が、記事としてそれほどおかしな内容とは感じないのではないでしょうか。

もちろん、ウェブにアップすれば想定している読者以外の目にもつく、という批判はありえますが、それって素朴な血液型占いのサイトを読みに行って血液型で人を差別するのか、と喚くようなものじゃないのかなぁ、と個人的には思います。


lisagasu

なんでこんなの怒らずに読めとか女性に言うのばかじゃないの。痴漢メンタルなんかどうであろうと被害者の苦痛に関係ないし知ったところで不快と嫌悪が増すだけだよ。岩崎宏美にあやまれよ18歳女子の歌に重ねるなボケ 2013/01/09

http://b.hatena.ne.jp/entry/gendai.ismedia.jp/articles/-/34399

この意見もそうですね。少なくとも女性向けの雑誌じゃありません。女性向けの雑誌じゃなくても許せない、と言うほどひどい内容ではないと思います。

ただ「痴漢メンタルなんかどうであろうと被害者の苦痛に関係ないし知ったところで不快と嫌悪が増すだけ」という意見は、正論かもしれませんがちょっと怖いです。

これ、痴漢じゃなくて他の犯罪、特に死刑になるような殺人とかならどうでしょうか。

「殺人メンタルなんかどうであろうと被害者の苦痛に関係ないし知ったところで不快と嫌悪が増すだけ」

もちろん、そういう意見もありでしょうが、では犯罪を犯すに至った精神的なメカニズムなどは分析の必要もないのでしょうか?

殺人罪死刑になった永山則夫氏については、殺人を犯すに至らしめた悲惨な境遇などが知られていますが、だからと言って「被害者の苦痛に関係ないし知ったところで不快と嫌悪が増すだけ」と言って片付けられるべき問題とは言えないでしょう。


tikani_nemuru_M

またずいぶんと手垢にまみれた「男は獣」論ですね。 2013/01/08

http://b.hatena.ne.jp/entry/gendai.ismedia.jp/articles/-/34399

記事を全部読んでそうとしか感じなかったのなら、がっかりなコメントだと思います。



痴漢であれ殺人であれ

犯罪を犯すに至る心理や精神的メカニズム、それを左右するであろう加害者のおかれた環境、これらを考えるのは重要なことであり、被害者保護・支援と両立できることです。

殺人を犯した加害者について「殺人を犯したのだから罰するべき。精神的メカニズムなどどうでもいい。」などと言えば、さすがに眉をひそめる人がまだそれなりに存在すると思います*4が、そういう人たちでさえ「痴漢を犯したのだから罰するべき。精神的メカニズムなどどうでもいい。」という発言には容易に同調しているというのは、何と言うか・・・。

よくある否定論

とりたてて新味の無い慰安婦否定論ですが、TBもらっていますので簡単に対応しときます。

 この記事の中に少なくない誤魔化しが隠されているのに気づいた向きも多いのではないか。「誰かの妄想」なるブログにおいて示されているいわゆる「従軍慰安婦」非難決議は、軍が女性を強制連行して慰安婦とした、軍が組織的に女性を強姦したなどという事実に基づいて非難決議が行われている。これは、いわゆる「従軍慰安婦」を国際問題化させようとしている者が吉田清治氏などの詐話を世界に広めた結果もたらされたのであって、軍が女性を強制連行したことを示す史料も、軍が組織的に女性を強姦した史料もまったく存在しない。そうであるにもかかわらず、「誰かの妄想」なるブログはその事実を隠蔽し、何ら史料がないことについて日本が認めることがいわゆる「従軍慰安婦問題解決」であるという寝言を述べているのである。しかし、それでいわゆる「従軍慰安婦」問題が沈静化するのか。

http://blog.livedoor.jp/patriotism_japan/archives/51872144.html

未だに吉田清治氏の告白を詐話と指摘するくらいの武器しか持っていない典型的な否定論者ですね。

ちなみに吉田清治氏の記述には、日時と場所について変更があり、そのため歴史研究としては使えず実際、現在の慰安婦研究で吉田清治氏記述に依拠している研究者否定論者以外まず存在しません。また、戦記などの記述において関係者への配慮から、特定できないように名前、部隊名、日時、場所などを変更して記述されることはそれほど珍しいことではありませんし、吉田氏自身も連行の事実そのものまで否定してはいないことには注意が必要です。

「いわゆる「従軍慰安婦」非難決議は、軍が女性を強制連行して慰安婦とした、軍が組織的に女性を強姦したなどという事実に基づいて非難決議が行われている」?

アメリカ下院決議121号での事実認識は以下の通りです。

Whereas the Government of Japan, during its colonial and wartime occupation of Asia and the Pacific Islands from the 1930s through the duration of World War II, officially commissioned the acquisition of young women for the sole purpose of sexual servitude to its Imperial Armed Forces, who became known to the world as ianfu or `comfort women';

Whereas the `comfort women' system of forced military prostitution by the Government of Japan, considered unprecedented in its cruelty and magnitude, included gang rape, forced abortions, humiliation, and sexual violence resulting in mutilation, death, or eventual suicide in one of the largest cases of human trafficking in the 20th century;

(訳)

日本政府1930年代から第二次大戦までのアジア太平洋植民地化・占領していた期間中、日本帝国軍性奴隷、いわゆる「従軍慰安婦」にすることを目的として、若い女性を集めることを公式に依頼した(officially commissioned the acquisition of young women)。

日本政府による軍用売春を強制する「従軍慰安婦」制度は、20世紀最大の人身売買事件の一つであり、これには集団レイプ、強制堕胎、恥辱、障害・死亡あるいは自殺に至らしめる性暴力を含んでいる。

http://ameblo.jp/scopedog/entry-10031011920.html

「軍が女性を強制連行して慰安婦とした」ではなく、"officially commissioned the acquisition of young women"であり、「軍が組織的に女性を強姦したなどという事実」ではなく"forced military prostitution by the Government of Japan"と書かれています。

各国の非難決議が何を問題としているかすら理解していないようですね。

あと「軍が女性を強制連行したことを示す史料」については、スマラン事件をはじめ、中国や南方占領地において軍が強姦のために女性を強制連行したことを示す史料が存在しますので、「存在しない」というのは全くのデタラメですね。


河野談話関連

続いて河野談話に関して。

 これは歴史を振り返ってみればわかる。河野洋平官房長官(当時)の談話は、いわゆる「従軍慰安婦」問題なるものが軍が強制連行や強姦に関与した史料が何一つ存在しないにもかかわらず、それらがあったと主張する韓国やいわゆる「従軍慰安婦」として名乗り出ている者に配慮して、その事実の有無については触れることなくお詫びを述べた談話であった。そしてこの河野談話によっていわゆる「従軍慰安婦」問題が解決に向けて進んだのか。

http://blog.livedoor.jp/patriotism_japan/archives/51872144.html

ここでも「軍が強制連行や強姦に関与した」かどうかという問題にすりかえています。従軍慰安婦問題を否定したい論者のほとんどが用いる手法です。

下院決議121号の表現である"officially commissioned the acquisition of young women"や"forced military prostitution by the Government of Japan"という論点で見れば、これらは河野談話当時には既に資料的にも明らかな事実でした。

そして河野談話の内容も、概ねこれと同程度(あるいはそれよりは低いレベル)の事実認識です。

河野談話1993)

慰安所は、当時の軍当局の要請により設営されたものであり、慰安所の設置、管理及び慰安婦の移送については、旧日本軍が直接あるいは間接にこれに関与した。慰安婦の募集については、軍の要請を受けた業者が主としてこれに当たったが、その場合も、甘言、強圧による等、本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり、更に、官憲等が直接これに加担したこともあったことが明らかになった。また、慰安所における生活は、強制的な状況の下での痛ましいものであった。

http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/taisen/kono.html

河野談話は当時判明していた事実に即した最低限の表現と言えます。

「事実の有無については触れることなくお詫びを述べた談話」などではありません。


 河野談話はその後日本がいわゆる「従軍慰安婦」問題において非を認めた証拠として用いられることとなり、数多くの非難決議が繰り返されることとなる。これは歴史において何があったかということよりも、主張する声の大きいものを重視するものであって、歴史を修正しようとする典型であると言える。

http://blog.livedoor.jp/patriotism_japan/archives/51872144.html

河野談話は日本が従軍慰安婦問題で非を認めた証拠であると同時に、幾多の証拠から日本が非を認めるべき事実を認めざるを得なくなった結果でもあります。

戦時中の史料、関係者証言などから明らかな事実があり、その事実の前に日本政府は非を認めて河野談話を出し、河野談話が日本が非を認めた証拠となったわけですが、この順序が理解できない人が否定論者の中にはたくさんいます。


性産業との対比

「軍人のための強制売春の構造を国家システムの中に組み込んだこと」

などと大層な表現を用いているが、これは、国が民間業者の慰安婦宿の経営を認め、慰安婦が適正な環境下で売春できるように業者に健康診断などを義務付け、それがなされていない業者に指導を行ったという程度のものでしかない。これが「強制売春を国家システムの中に組み込んだ」のであれば、吉原などを個室付浴場を建築することができる商業地域に指定し、許可制で個室付浴場の営業を認め、不適正な業者に指導や検挙をもって臨んでいることは間違いなく「強制売春の構造を国家システムの中に組み込んだ」ことになろう。

http://blog.livedoor.jp/patriotism_japan/archives/51872144.html

私が「軍人のための強制売春の構造を国家システムの中に組み込んだこと」と表現したのは、米下院決議121号の"the `comfort women' system of forced military prostitution by the Government of Japan"という表現が念頭にあったのですが、件の下院決議をまともに読んだことも無い人には理解できなかったでしょうね。

さて、性産業との対比も否定論者がよく使う詭弁です。多くの場合、事実関係について種々のすりかえが行われますが、この記事も多分に洩れません。


×「国が民間業者の慰安婦宿の経営を認め」

○「国が民間業者に軍隊売春施設の経営を持ちかけ」


×「慰安婦が適正な環境下で売春できるように業者に健康診断などを義務付け」

○「将兵が買春する際に性病罹患しないように業者に慰安婦性病検査などを義務付け」


さらに基本的に、業者には価格設定の権利なく、慰安婦には廃業の自由がありませんでした。まさに「軍人のための強制売春の構造を国家システムの中に組み込んだ」わけです。

性産業に関してですが、吉原などに見られる売春施設における違法な売春行為が事実上、警察に黙認されていることは法治国家として問題がありますね。しかし、そういった売春施設を警察官専用として政府が積極的に誘致すれば、その場合の問題は前者の比ではありません。

違法な売春を黙認する消極的な行為と公務員専用の売春施設を誘致する積極的な行為が、同じに見えるのであればよほど目が歪んでいるのでしょう。

日本の警察が違法な売春施設を黙認していることも、日本政府公務員専用の売春宿を誘致することも、共に問題ある行為ですが、前者と後者では問題のレベルが全く異なります。

こういった違いは少し考えれば容易に気付くことですが、従軍慰安婦否定論者が性産業を対比させる目的は矮小化にあるため、気付かない振りをしてデマをばら撒くわけです。

*1:男性被害者もいますが、大多数は女性であろうと思いますので、ここでは女性と書きます。

*2:ad.kodansha.net/mag/062/editor.pdf

*3:もちろん、女性の管理職で現代ビジネスを読む人もいるでしょうから、一概に狙いすぎとまでは言えない気もしますが。

*4:以前よりは減ってるでしょうけどね。吊るせ吊るせの大合唱が平然とされている状況ですから。

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2013-01-09

チキンレースの継続

“毅然とした態度”とやらは外交では全く役に立たず、領土問題は厳然とそこに存在しているわけですが。

「中国軍機13時間に及ぶ執拗さ 一触即発、配慮裏目に」産経新聞 1月9日(水)7時55分配信

まるで中国軍機が13時間にわたって領空侵犯でもしたかのようなタイトルですが、中国軍機は東シナ海の日本が主張する日中中間線付近を飛行しただけで、13時間なのは、尖閣諸島周辺の日本領海中国の海洋監視船が滞在した時間です。

中国側は尖閣周辺の領海・領空侵犯にあたっては、国家海洋局所属の船舶・航空機で行っており軍用機や軍用船舶を使っていません*1石原都知事の暴走に端を発した野田政権下での尖閣国有化という日本側からの挑発行為に対して、中国側は無制限に挑発行為をエスカレートさせているわけではなく非軍事組織での圧力に留めています。

とは言え、対立している国家間の緊張状態の下では、双方が「このくらいならば、それほど相手を刺激しないだろう」と甘い情勢判断に陥りやすく、こちら側のアクションに対して相手側から予想以上のリアクションが返ってくることがしばしばあります*2

今回の場合、尖閣国有化に対して非軍事組織所属公船での領海侵犯となり、それに対して安倍政権軍事組織の投入というチキンレースの継続に突き進んでいくようです。中国側がこれにさらに応じた場合、軍用機軍艦の領空・領海侵犯へと発展する可能性がありますが、その時安倍政権はどう対応するのでしょうか。

かつて全面核戦争寸前にまで至ったキューバ危機1962年10月)は、ソ連側の譲歩によって辛くも危機を脱しました。しかしソ連ミサイル運搬船の引き上げと言う決断までにチキンレースで大量の掛け金を積み上げてしまった米ソ両首脳は共に政治力を毀損し、ソ連側のフルシチョフは間もなく失脚、アメリカ側のケネディも翌年暗殺されています。両者いずれも政府強硬派を抑えるのに多大な労力を浪費したと言えるでしょう。

掛け金が自分の命ではない場合のチキンレースでは、アクセルを踏むのはバカでもできますが、ブレーキを踏む時には自分の命を賭ける覚悟が必要になります。個人的には、安倍氏にそのような覚悟があるとは思えず、やばくなったら政権を投げ出す可能性の方が高いように思ってます。

産経記事

中国軍機13時間に及ぶ執拗さ 一触即発、配慮裏目に

産経新聞 1月9日(水)7時55分配信

 沖縄県尖閣諸島をめぐる中国の脅威が、またひとつ明らかになった。今回判明した中国軍用機の日本領空への接近飛行は、「海洋強国」を掲げる中国習近平体制の高圧姿勢を裏付けるものだ。こうした事態を受け、安倍晋三政権はこの地域での自衛隊の積極活用にかじを切る。背景には、民主党政権時代の弱腰対応が、結果的に中国の攻勢を助長したとの認識がある。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130109-00000080-san-pol

ミンシュガー。

中国側の行動を素直に解釈すれば、安倍政権になってからも中国側の対応は変わらず安倍政権が嘗められている、とでもなりそうなものですが、さすが産経新聞です。ダブスタなんて気にしません。

まともに指摘するなら、7月の参院選で大勝するために安倍政権は安全運転と日中貿易回復が必要で現時点では中国に対して強気に出れないだろう、と言う読みが中国側にあるんでしょうね。何しろ“参院選までの我慢”とでも言ったスローガンじみた安倍自民支持者の発言があちこちで見受けられる状況ですから、中国側に「今は強く出ても大丈夫ですよ」とメッセージを送っているに等しいと言えます。


 「即刻退去の求めにもかかわらず長時間侵入した」

 外務省の斎木昭隆外務審議官は8日、中国程永華駐日大使を呼び、海洋監視船による尖閣周辺での日本領海侵入に厳しく抗議した。安倍政権発足後、駐日中国大使を呼び出し抗議するのは初めてだ。

 領海侵入は常態化しているとはいえ、今回は7日午前から8日未明にかけ延べ13時間に及ぶ執拗(しつよう)さで「極めて特異」(菅義偉官房長官)なケース。程氏は「釣魚島(尖閣諸島中国名)は中国領。抗議は受け入れられない」と反発した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130109-00000080-san-pol

興味深いことに安倍政権になった途端、「「極めて特異」(菅義偉官房長官)なケース」の領海侵犯が生じたわけです。「外交を立て直す」*3んじゃなかったのでしょうか。現実問題として中国側も強硬派以外は落としどころを探っているはずですが、安倍政権軍事組織の投入などを公言している以上、矛を収めるわけにもいきません。日本政府側もまともな神経を持っていれば、これ以上チキンレースを進めることが危険であることは理解しているはずで、そういった日中の良識的な政策担当者が水面下で協議を進めるくらいはしてほしいものですが、“今ここで勝負を降りれば損だ”的な博打打の思考に陥っていて破綻まで突っ走る可能性も少なくありません。


 尖閣国有化後の中国側の攻勢は苛烈を極める。軍用機Y8の接近飛行はその最たるものだ。政府高官は「9・11(尖閣国有化)以降、飛行頻度は格段に増した」と語る。空自スクランブル対応が早くなると、Y8はより日本領空に接近してくるなど一触即発の状態が続く。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130109-00000080-san-pol

ここで軍用機の話が出てきますが、現在のところ中国軍用機による尖閣領空侵犯は発生していません*4軍用機が飛行しているのは東シナ海日中中間線(日本側主張)付近であり、中国側が主張する沖縄トラフまですら飛行せず、日本側主張の中間線をも越えないといったかなり腰の引けた対応を取っています。

日中間で係争中の日中中間線沖縄トラフの海域上空には、中国軍機は侵入していません。

一方で日本の自衛隊機は平然と係争中の日中中間線沖縄トラフの海域上空に侵入を繰り返し、日中中間線のさらに中国側にあるガス田付近を頻繁に偵察しています。これはかなり挑発的な行為ですが、日本側でこれを自覚しているメディアは皆無です。


 接近をいち早く探知するため、航空自衛隊の早期警戒機E2Cと空中警戒管制機AWACSは東シナ海上空を連日飛行。E2Cは9月以降、整備基盤がないにもかかわらず那覇基地にほぼ常駐しており、「要員も装備も疲弊している」(防衛省幹部)という。政府内には、中国側が挑発をエスカレートさせれば防空網に穴があきかねないとの危機感も強い。このため、実効的な対処にはスクランブル時の警告射撃などが不可欠だとの認識も広がりつつある。

 実は、警告射撃や海上自衛隊艦艇の前方展開は野田佳彦政権では「中国を刺激する」として自重されてきた。しかし、こうした「配慮」が裏目に出たことは、今回判明した中国軍用機の接近飛行を見ても明らかだ。(半沢尚久、峯匡孝)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130109-00000080-san-pol

産経新聞は政治的に偏向していますから、都合の悪いことは全て中国民主党のせいとしてまとめています。

安倍政権誕生で自衛隊関係者は、予算が増える、権限を拡大できる、責任を減らせる、と大喜びの様子で、自衛隊の代弁者は軍用機による領空侵犯が起きてもいないのに「警告射撃などが不可欠」とか言い始めています。

ちなみに以前、軍用機P3Cが東シナ海ガス田付近を偵察中に、中国軍艦に砲口を向けられただけで日本国内のメディアは激怒していました。領空侵犯していない状況での警告射撃はこれ以上の暴挙です。

安倍政権、独島(竹島)問題のICJ単独提訴先送り決定

まあ、単独提訴したところで実効性が全く無いため、当然と言えば当然です。野田政権下で竹島問題を煽っていたのは極右石原都知事やそれに便乗した自民党でしたが、ICJ単独提訴が国内政局以外には、外交的に何ら寄与しないことは以前も指摘しました。

外交を国内政争の具に利用した自民党としては、政権を奪取した今となっては“ICJ単独提訴”という矛をさっさと納めてしまいたいところでしょう。

竹島領有権、当面提訴せず…日韓関係改善を優先

読売新聞 1月9日(水)14時33分配信

 日本政府は、島根県竹島領有権問題をめぐる国際司法裁判所(ICJ)への単独提訴を当面、行わない方針を固めた。

 安倍首相は、韓国朴槿恵(パククネ)次期大統領との間で日韓関係の改善を目指しており、韓国の反発が予想される単独提訴は得策でないと判断した。

 政府は、2012年8月10日の李明博(イミョンバク)大統領による竹島上陸を受け、対抗措置の一環として、日韓両国によるICJへの共同付託を提案したが、韓国が拒否したため、単独提訴を目指して準備を進めてきた。

 安倍政権としては、ICJでの決着が望ましいとの立場は変えないものの、単独提訴は先送りし、韓国の対応を見極める方針だ。

 安倍首相は、民主主義市場経済など価値観を共有する韓国との関係を重視している。2月25日に予定されている大統領就任式に合わせて訪韓し、日韓首脳会談を行い、関係改善を進めたい考えだ。関係を改善することで、沖縄県尖閣諸島をめぐり圧力を強める中国をけん制する狙いもある。

最終更新:1月9日(水)14時33分

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130109-00000689-yom-pol

しかし、日本国内政争のとばっちりで散々Disられた韓国が、安倍日本政府から「政権が変わりました。これから仲良くしましょう。」と言ってこられても容易に受け入れられるものでもないでしょう。心情的な話だけでなく、日韓通貨スワップ協定拡大措置打切りや歴史認識従軍慰安婦問題での日本政府の態度*5は当時の韓国政府に対しても政策の転換や具体的な対応を強いるものでした*6

これでも安倍政権韓国に譲歩したつもりかもしれませんが、そもそも島根県竹島の日制定以来、煽りに煽ってきた今となってはこの程度の譲歩が譲歩として受け取られる可能性は低いのではないでしょうか。韓国からすれば、”独島竹島)は韓国領なのだから日本が提訴しなくて当たり前であって、逆に「当面」とは何様のつもりか”と思うかもしれません。

言ってみれば自民党政権奪回という政局のために外交を弄んだツケですが、手遅れ感は否めません。「韓国「日本より中国」…大使格下げ、放火犯引き渡し(産経新聞 1月9日(水)9時28分配信)」に見られるように韓国自体が対日関係より対中関係を重視する方向にシフトしつつあるようで、“俺に頼らなければ生活できまい”と高をくくって配偶者に暴力を振るっていた人が離婚届を突きつけられているかのような状況になるかもしれません。

ところで、2ヶ月前の産経新聞社説はこんな感じでした。

【主張】

竹島問題 ICJへの提訴どうした

2012.11.2 03:24

 韓国による島根県竹島不法占拠問題を、国際司法裁判所(ICJ)に単独でも提訴するという野田佳彦政権の決断は一体、何だったのか。

 李明博韓国大統領による8月の竹島上陸強行を受けて、この方針が打ち出されてから2カ月余、政府はいまだに実行に移していない。玄葉光一郎外相は、「韓国側の対応を注視している」と見送りともとれる発言さえした。野田政権の姿勢に強い疑念を抱かざるを得ない。

 竹島が日本固有の領土であることは明白だ。昭和27年、李承晩韓国大統領境界線を一方的に設定して以来の不法占拠である。

 提訴をこれ以上先送りしては、日本の主張の本気度を疑われる。「方針は何一つ変わっていない」(藤村修官房長官)のであれば、速やかに提訴すべきだ。

 韓国側にも日本との緊張を緩和しようという動きはある。

 金星煥外交通商相は9月末の国連総会の演説で、「慰安婦」や「竹島」という言葉は使わず、日本を名指ししなかった。日韓外相会談も行われ、対北朝鮮で連携する方針を確認し、対立を表面化させなかった。

 李大統領は、天皇陛下訪韓に絡む謝罪要求発言について、10月に訪韓した麻生太郎首相との会談では、「謝れなどと言ったことはない」と釈明したという。

 しかし、こと竹島問題に関しては、韓国側が軟化したとみるのは早計だ。韓国国会議員15人は日本政府の中止要求を無視し、ヘリで竹島に上陸した。実効支配をアピールするため、今後も不法上陸は繰り返されるだろう。

 ICJに単独で提訴しても韓国裁判を拒否すれば、審理は行われない。しかし、韓国には拒否理由を説明する義務が生じる。一連の手続きによって日本の竹島領有の正当性を国際社会に知らしめることに、大きな意義がある。

 10月に行われた国連安全保障理事会非常任理事国の改選で、日本が韓国に投票したことが明らかになった。北朝鮮の核問題などでの日米韓の連携や、日中関係が悪化する中での日韓関係の改善を優先する考えに立てば、やむを得ないとの意見もあるが、日本領土不法占拠を認めたとの誤ったメッセージにもなりかねない。

 領土主権外交判断などよりはるかに重いものである。日本は提訴をためらってはならない。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121102/plc12110203250005-n1.htm

安倍政権に対しても同じことを言うのか興味津々です。

*1:事故などによる偶発的な領海侵犯は例外的に存在しますが、それ以外はなかったはずです。

*2リットン報告書に対する日本の連盟脱退や、南部仏印進駐に対する対日石油禁輸、トルコへのミサイル配備に対するキューバへのミサイル配備などなど。

*3自民党公約

*4:今のところ、国家海洋局所属の航空機のみのはずです。

*5:直近は民主党政権でしたが、否定論を煽っていたのが安倍氏などの現・自民党政権の中核にいる人物であることは当然に知られているでしょう。

*6:もし日本政府従軍慰安婦に対して謝罪や補償に前向きな態度を示していれば、李政権韓国内の反日世論を緩和させることができたかも知れません。

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