今年の元日を20歳で迎えた新成人は122万人。団塊世代が20歳だった1970年ごろの半分だ。彼らを含め貴重な若い「人財」をどう育て、それぞれの場で活躍してもらうか。改めて考えたい。
昨年の日本生産性本部の新入社員調査で、いまの会社に一生勤めたい人の割合が、入社直後の60%から秋には31%に減った。下げ幅としては過去最大だ。
減り方が目立ち始めたのは4年前だ。「仕事を通じてかなえたい夢がある」人の割合も同じ傾向にある。若者の意欲を、余裕をなくした会社が受け止め切れていないのだとすれば、もったいない。
「右肩下がり」の中で育ち、厳しい就職活動を経た世代は危機感が強く、自身の成長を急ぎ、目の前の仕事の意味を気にかける。
後のキャリアにどうつながり、会社が社会でどう機能しているのか、きちんと説明する態勢を整えてはどうだろう。外国人など多様な社員を迎える準備にもなる。
新世代を理解する鍵の一つがソーシャルという言葉だ。社交的、社会的を意味する。ネット上のソーシャルメディアで人とつながるのは古い世代より得意だ。社会問題をビジネスの手法で解決するソーシャルビジネスや、企業の社会貢献活動にも関心が高い。
自社の組織文化で単色に染めるより、人脈形成の能力を生かし外の風を取り入れる方が本人も楽しく、前例なき挑戦を迫られる会社にも結果的に役立つ。社会貢献意識も高齢者ビジネスや途上国開拓など、本業の展開に生かせる。
旅行会社のエイチ・アイ・エスは4年前からバングラデシュなどでの社会貢献活動を組み込んだツアーを始め、いまや人気商品だ。ダッカに支店も開いた。
都心で農産物の青空市を開催するベンチャー。東日本大震災の被災地に移住する脱サラ組。若者のソーシャル志向を生かす新ビジネスや地域振興が増えている。
企業は自社の社会的使命をもう一度自問してみてほしい。そこから若者に語る言葉が生まれる。
エイチ・アイ・エス、ソーシャル世代
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