今週のガンツ
[0336]命の質と数
人間を食用として処理をする水路。(屠殺場のようなものか?)
腰の部分までの水深ということは、まだ流される前ということだろう。
冷静な人、キレている人、泣き喚く人がいる。
そこに幼い姉弟。
大人には浅い水深でも、この小さな姉には深すぎる。
一生懸命、両手で弟を抱きかかえている。
両親を異星人に殺されてしまったらしい。
同じくらいの息子と娘がいるので見ていて胸が痛い。
お姉ちゃんがいるから大丈夫と励ます幼い姉。
大人でさえ恐怖する状況なのに怖くないフリをする姉。
そして、驚いたことに、幼い姉は、水路の端につかまるよう弟に指示をする。
大人はみんな、右往左往するだけで、少しの対策も講じようとしない。
幼い姉に、「生きよう」とする生命力を感じた。(すごい!)
程なくして、水路の水深が深くなり、物のように、一気に人間が流されはじめた。
歯を食いしばって激しい水流に耐える姉弟。
力尽き流される弟。とっさに弟の腕をつかむ姉。
弟を励ましながら激しい水流に耐える姉だが、力尽きた人間が処理された姿を見て涙を流す。
哀れみの涙なのか?それとも恐怖からの涙なのか?この状況にいるこの子しかその感情はわからない。
そしてとうとう力尽き、急流に流される二人。。。。
処理されてしまうのか・・・。(奥先生ならやりかねない。。)
しかし!
流される姉の左腕をつかむ黒い腕!
ガンツスーツだ!
「大丈夫?」
助けたのはレイカだった。(よかった、、)
弟は、玄野2(コピーとして再生されたので便宜上、玄野2ということで。)が救出。
レイカに抱きかかえられた姉は、とてもしっかりしていたけれど、とても小さい女の子だったことが抱きかかえるレイカとの比較で理解できる。(がんばったね。)
できれば、子供は漫画に使ってほしくないんだけれど、読み手を感情移入させるためには仕方のないことだよね。
でも、助かってよかった。
一方、玄野1。
先週号で宇宙船からたくさんの人間を救出。無事脱出をさせた。
玄野1が中学のころ好きだった(・・・が、相手にされなかった)女の子が、玄野1といるほうが安全なので一緒にいさせてくれと懇願する。しかも彼氏の前で。
極限状態だから仕方ないことか。
大事な人を探している、荷物はできるだけ軽くしたい。と女の子の懇願を一蹴。
たしかに、今までのガンツのストーリーからして、人を守るという理由も義理も何もない。
今回、玄野1が助けたのも行きがかり上であって、もし先にタエちゃんを見つけることができていたらこの大勢の人間は、この女の子も含め、玄野1は助けていなかっただろう。
・・・あ、そうか、
この女の子は、異星人の動物園?に展示されていたので、死ぬことはなかったか。
生きるだけが目的であれば、もしかしたら、今の状況のほうが不幸かもしれないと思うのは私だけだろうか?
遠まわしでやわらかく断る玄野に食い下がる女の子。(←名前忘れた!)
しかし、今度は、はっきりと、守る理由が無いことを伝える玄野。
そして、命がけで自分たちを守ってくれた玄野に対して、好き勝手に抗議する面々。
でも、気持ちは分かる。宇宙船から出られたといって、危険であることは変わらない。
また捕らえられて逆戻りの可能性だってある。
いや、もしかしたら、玄野2たちが宇宙船の水路を破壊しつくしてくれているかもしれないが。
このやり取りを黙って見つめる、異星人の女。
戦闘服内部モニターには、玄野1の周辺に何かの表示がされている。なんだこれは?
捕虜であるはずの異星人の女が妙に冷静なのも気になる。
逃げようとしてもいいはずだが、、、、
何か企んでいるのか?
残念ながら今の時点では分からない。
その間にも玄野1に対して、言われなき抗議は続く。
しかし、一人の少女の一言で自分たちに非があったことに気づく。
危機的状況から、ここまで連れてきてくれた玄野に感謝すべきではないのか?と。
おそらくこれで、玄野はもう一度、宇宙船にもどることになるんだろう。
異星人の女と共に。
ここで少し気になることがある。
異星人の女は、戦闘服の通信機能を使って、SOSを送っていないだろうか?
この場が戦場になったりしないだろうか?
それは読者としての私のとりこし苦労だろうか・・・?
今回はよくシーンが変わる。
ペットにされたタエちゃん。
巨人ママに捕まって、ベランダから放り出されるのか・・・と思ったら、街路地の植木の上に寝かされた。気絶しているタエちゃんを遠くから見ている(観察?)巨人ママ。
目を覚まし、逃げるタエちゃん。
逃げれたのはいいが、いったいどこへ逃げたらいいのか?
玄野1は、タエちゃんを探し出すことができるのか?
個人的には、タエちゃんは一度ガンツにスキャンされているから、あのマンションに行って、転送してもらうことも可能だと思うんだが・・・それでは話がなりたたないか。
今回の号では、今後の展開につながりそうな要素は、たったひとつを除いて、
あまりなかったように感じたけどどうだろう?
タエちゃんを助けた巨人ママの気持ちは、あくまでも気まぐれからだろうと思う。
たとえば、部屋に虫が迷い込んできて、殺してしまうときもあれば、捕まえて逃がすときもありますよね。そういう時の感覚って、だいたい気まぐれ。理由なんかない。
異星人から見た我々人類は、あくまでも食料や虫感覚のようなので。
殺されなかったタエちゃんはラッキーだったということか。
しかし、
今回の号には、
たったひとつだけ気になる点がある。
それは、
気づいた読者もいると思うが、玄野1と玄野2の思考の違いだ。
コピーであるはずの玄野2は、仲間を募り、人類を助けるという目標を掲げ、
ガンツミッションの時よりもさらに強力なリーダーシップを発揮しているように感じる。
まあ、コピーと言っても、双子以上に同じなんだけどね。
一方、オリジナルであるはずの玄野1。
確かにたくさんの人を助けた。
しかし、お分かりのように、今週号後半での助けた人間たちとのやり取りの内容。
決して自分勝手とか、ワガママとかそいうことは無いが、ガンツスーツの能力を「タエ」という個人に向けられていることが見て取れる。
いままで、玄野が驚異的な生存能力を発揮してきたのは、もちろん仲間のためというのもあるが、ガンツミッションを生き残って再び「タエ」に会うためだったから、玄野1にとって、カタストロフィーが起こったところでそれは変わらないのかもしれない。
また、岸本のような境遇におかれたこと、オリジナルではないがゆえに、愛する「タエ」との別れを決めたこと。それが玄野2の精神を短期間に成長、強くさせたということか。
これが何か不幸な展開にならなければいいが・・・。