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ライフ
【産経抄】1月13日
2013.1.13 03:09
[産経抄]
映画『ローマの休日』で、某国のアン王女は身分を隠してローマの街へ飛び出す。やはり職業を隠した新聞記者のジョーにどんなことをしたいか聞かれこう答える。「歩道の喫茶店に座ったり、ショーウインドーをのぞいたり、雨の中を歩いたりしたいの」。
▼「深窓の佳人」の切なくなるような願いである。ジョーは王女をスクーターに乗せ走り回るが、スキを見て王女が自分でスクーターを動かす。むろん初めての経験だ。最後は歩道に乗り上げて警官につかまり説教を食うが、その楽しげな表情といったらなかった。
▼そんな映画からすれば意外な感じもするが、天皇陛下は皇太子時代の昭和29年に運転免許を取っておられる。20歳になられたばかりのころである。恐らくアン王女のように、普通の若者と同じようなことをやってみたいと思われたのではないか。そう拝察している。
▼今でも皇后さまとテニスをするさいなどに、皇居内でマイカーを運転されているそうだ。それもあまり報道されていないから意外だったが、もっと驚いたことに免許更新のための高齢者講習も受けられたという。決まり通りに視力検査や実車講習に臨まれた。
▼講習は高齢運転者の義務である。とはいえ、車があふれた街中を運転されるわけではない。普通の人なら「お目こぼしを」と言いたくもなる。だが決められたことは必ず守るという、順法精神の尊さを自ら示されているような気がする。
▼陛下は昨年末の記者会見でも、公務のご負担軽減を望まれなかった。それだけに万が一事故を起こすと、国民に迷惑をかけるとの思いもお強いのかもしれない。他人の迷惑を顧みず健康チェックも怠る者としてはただただ頭が下がる。
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