「誰だ!?」
俺は無意識に振り返っていた。だがそこには誰も居なかった。
「……気のせいか……」
俺は額から滲み出た冷や汗を拭う。すると、何処からかまた声がした。
『ここですよ……』
俺はもう一度振り返った。俺の後ろにはやはり誰も居ない。
だが俺は、ゆっくりと上を見上げた。そこにはやはりコンクリートの天井が広がっていたが、巨大モニターが天井の中央に取り付けられていた。
モニターには不気味な仮面を被った男が映されており、時々その仮面の奥から声がしていた。
『申し遅れました、私はこのゲームのディーラーを務めさせて頂きます、セオジオと申します』
俺はセオジオを睨み付けた。コイツがデストロイ・ゲームとか言うゲームの主催者か……。
セオジオは拍手をしてから、続けた。
『貴方は実に運が良い。10年に一度しか行われないこのゲームに参加出来るとは……』
「何だと! 人をこんなトコに閉じ込めておいて……」
俺が叫び出しそうになるのを、セオジオが手で制した。
『それでは小手調べと行きますか。貴方の目の前に、2つのタッチパネルがありますね。デストロイ・ゲームに参加する場合、右側のタッチパネルを取って下さい。参加を拒否する場合は、左側のタッチパネルを取って下さい』
ドアを開けて、仮面男が入室して来た。だがセオジオとは仮面のデザインは少し違った。
仮面男は、2つのスマートフォンの様なタッチパネルを置いて出て行った。
『さあ、貴方はどうしますか?』
どうって……参加しないに決まってるだろ。俺は左側のタッチパネルを取ろうとした。
いや、待て。
セオジオは、“参加しない場合”と言っただけで、左側のタッチパネルを取れば助かるなんて一言も口にしていない。左側のタッチパネルを取った所で、ここから脱出出来るかどうかは解らない。
それに対し、ゲームに参加すると言う事は、今は確実に生きていられると言う事だ。
俺は、右側のタッチパネルを手に取った。
『ゲームに参加するのですね。畏まりました』
セオジオがパチンと指を鳴らすと、ドアが開いた。俺は走って外に出た。
そこに広がっていたのは――――
広いホールだった。
評価
ポイントを選んで「評価する」ボタンを押してください。
ついったーで読了宣言!
― お薦めレビューを書く ―
※は必須項目です。
+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。