「……う…」
微かな呻き声を上げて起き上がると、俺はコンクリートが剥き出しになった部屋に居た。
俺は目前の状況を把握しようと立ち上がった。
そして、ぼんやりとする目を擦りながら、コンクリートの壁を触ってみた。
冷たい。ひんやりとしている。俺はコンクリートの壁から離れ、ドアに向かおうとした。
その時だった。
俺の首がきゅっと締まり、俺は咳き込んでその場に倒れ込んだ。
「ゴホッ! ゴホッゴホッ……」
咳は30秒程続いた。俺は咳のピークが終わってから、首の状態を確認した。
すると、首輪の様な物が取り付けられている事に気付いた。
俺は手探りで、その首輪の正体を暴こうとした。そしてそれは直ぐに明らかとなった。
俺の首を締めたのは、極細のワイヤーの輪だったのだ。
そしてそのワイヤーにはチェーンが付いており、床に固定されていた。
あのままドアに向かっていたら、俺の首は間違いなく切断されていただろう。俺は安堵の息を漏らした。
俺はチェーンの長さから、ドアに辿り着くのは不可能だと判断した。俺はその他の物を調査する事にした。
だが他に、目新しい物は何もなく、コンクリートの壁が四方に広がっているだけだった。
次に俺は、何故こんな所に居るかを考えた。
俺は、近所のコンビニに居たのだ。そして謎の店員から声を掛けられ、そして――。
俺の脳裏に、両親の交通事故の映像がフラッシュバックされた。
そうだ。あの男は確かに、俺の両親を殺したと言ったのだ。そして俺はそれに激昂し、男を殴った。
……その他に男は何と言っていた……?
俺はふと思い出した。
そうだ。男は確か、デストロイ・ゲームと言っていた。そしてこの俺に参加権利があると……。
あのゲームに参加させる為、俺はここに連れて来られたのだろうか。
まあ良い。先ずは、このワイヤーを外す事が重要だ。
俺はワイヤーに指を掛け、思い切り引っ張った。だが外れない。それを10分続けたが、ワイヤーは外れる気配がなかった。
しかし、俺は気付いた。コンクリートの壁に、小さなスイッチが付いているのだ。
あれを押せば、ワイヤーが外れるかも知れない。
俺はスイッチに向かい、それを力強く押した。
予想通りワイヤーが外れ、チェーンはバラバラになって床に落ちた。俺は自由の身となった。
俺はドアに向かう。そしてドアノブを捻った。
……開かない。
もう一度ドアノブを捻る。
やはり開かない。
俺はドアから少し離れ、ドアに体当たりをした。
だが、扉は外れる気配が無かった。俺は体力をなくし、その場に崩れ落ちた。
この部屋は密室だったのだ……。
その時。
何処からか声がした。
『神原様……デストロイ・ゲームへようこそ』
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