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1回戦 ハード鬼ごっこ
#2 ハード鬼ごっこ 
 校長のルール説明が、再開された。もう俺達の中にも、反発する者は居なかった。いや、素直に従ったと言うより、反発する余地が無いと言った方が正しい。
『それでは……校内・デスゲーム:第1回戦で行なうゲームを発表致します』
 校長は此処で1回、コホンと咳払いをし、こう続けた。
『それは……此方です!!!』
 校長は、モニターの方を指した。モニターに、文字が表示される。
『ハード鬼ごっこ』
 ――鬼ごっこ――!!!
 俺は内心拍子抜けしていた。漫画や小説、映画等に登場する恐ろしいギャンブルゲームが行なわれると思っていたからだ。しかし行なうゲームは、小さい頃、誰もが経験した事の在る『鬼ごっこ』だと言う。これは勝ち抜けるのは簡単だな――と思ってしまった。
 だが、その時は知らなかったのだ。――これが恐ろしい、本当のデスゲームに為る事を。

 校長のルール説明が始まった。
『では第1回戦『ハード鬼ごっこ』のルールを説明致します。一度しか言いませんので、よく聴いていて下さい』
 俺は心の中で、ババ抜きのルールなんか誰でも知ってるだろ、とツッコミを入れた。だがこれが自分の命を賭けた物だと、身を引き締めた。
『基本的なルールは、皆さんが知っている物と同じです。先ず鬼を決め、それ以外のプレイヤーはその鬼から逃げる。鬼にタッチされると、そのプレイヤーに鬼が移る、と言う訳ですが……』
 ですが?
『今回の鬼ごっこは鬼が250人で行います』
 250人!!? 全校生徒でこのゲームは行うのだから、その半分が鬼となる……。
 その時、1人の生徒が立ち上がり、叫んだ。
「それは、絶対に逃げ切れないんじゃないか!?」
『ほう、それは何故?』
「仮に500人で2人ずつのグループを作ったとする。すると、自分の隣の人間は絶対に鬼となる訳だ。それだけの密度の中で、プレイヤーが逃げ切るのは不可能だ!!」
『いえいえ、そんな事はありませんよ』
 俺は校長のその言葉に、耳を傾けた。理論的にはあの生徒の言う通りだと思うのだが……。俺が色々思案をしていると、校長は続けた。
『今回の鬼ごっこは新たに、新システムを設けました』
 新システム? 俺達は校長の方に向き直り、話を聴いた。
『先ず1つに、今回の鬼ごっこはピリオドがあります。1ピリオド12時間で、それを2ピリオド行います。全ゲーム時間は、24時間。つまり、丸1日です』
 ピリオドとは何だ――? 俺の好奇心は更に燻られ、俺は熱心に校長の話を聴き始めた。
『1ピリオド目は、全校生徒の250人が鬼。2ピリオド目は、鬼とプレイヤーが交代するのです。つまり、1ピリオド目で鬼だった者はプレイヤーに、1ピリオド目でプレイヤーだった者は鬼になるのです』
 成程……俺は少し感心してしまった。
『次に、立入禁止区域を作っています』
 立入禁止区域? 俺は再び首を傾げた。鬼ごっことは、掛け離れた言葉だと思うのだが……。
『先程の方が言った様に、この鬼の多さでは直ぐ捕まってしまいます。そこで、プレイヤーには入れて、鬼には入れない立入禁止区域と言う事です。立入禁止区域は、1時間毎に増えて行きます。ですが1ピリオド終わると、その全立入禁止は解除され、2ピリオド目からまた一から増えて行くと言う訳です。
立入禁止区域を確認する事も出来ます。鬼にもプレイヤーにも腕に装着出来るGPS付き電子地図を予め渡しておきますのでね。
 そして3つ目に、今回の鬼ごっこでは鬼は移りません。鬼にタッチされると、そのプレイヤーは負けとなるのです。
 え~、これで全説明を終わらせて頂きます……』
「鳥渡待った!!」
 俺は立ち上がり、校長に叫んだ。全生徒の目が、此方に向けられた。
「負けた時は、どうなるんだ?」
『? さっき申したでしょう? 負けたら死ぬって……』
 俺の背筋が、ゾォッと寒くなった……。
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