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 映画カイジ1.2弾を見て書きたく為った小説です。僕が書いた、『Jカード』と言う作品も読んで下さい。
序章
第1話 修学旅行
 都内のとある高校、角川市立高等学校の3年生90人は、修学旅行に行く為に、駅のホームに立っていた。その中には3年A組、通称・ギャンブル組に通う、ギャンブルマニアの冬原解賭フユハラ カイトの姿も在った。解賭は、列車が入って来るレールを、じっと眺めていた。
 ――ああ、修学旅行なんて退屈過ぎる―― 解賭はそう思っていた。がやがやと騒いでいる周りの奴等の気が知れない。ギャンブルマニアの解賭に取っては修学旅行等より、世界の色々なギャンブルを集めた自宅のコレクション部屋の方が楽しいのだった。
 3年生貸切の列車が何時もの音を立てて、ホームに入って来た。ドアが開くと、3年生が中に雪崩れ込む。解賭も後の方から列車に乗り、やや前方の席に着いた。
 またあの音を立てて、列車が動き出した。ガタンゴトンと単調なこの音と、がたがたと揺れる振動は、睡魔を呼び寄せる。解賭も、直ぐに深い眠りに着いた。
 その時、解賭は夢を見た。それは自分の部屋で、トランプで友達とギャンブルをしていた夢だった。
 暫くして、目が覚めた。列車が停車している。もう、目的地の港へ到着したのだろうか。解賭の予想は外れた。踏切の故障らしい。運転手が、何処かへ連絡を取っているのが見えた。
 ガタンゴトンと、また列車が動き出した。解賭は結構モテる方なので、隣の女子から御菓子を貰った。だが食べる気に為れなかったので、自分のリュックへ突っ込んだ。
 窓の外に、高層ビルが見れなく為った。自分が住んでいる団地の辺りを、通過したのだ。単調な音を立てて、列車は進んで行く。その音はまるで、小さい頃に歌って貰った、子守唄に似ていた。だが、優しかった母は、もう死んだ。目頭が、少し熱く為った。
 母は、誰かに殺されたのだ。
 あれは、解賭が10歳の頃だった。母は、新たに女を作り出て行った父の借金を背負わされ、ギャンブルに手を出した。だがそれも借金が増えるばかりで、ある日、事件が起きた。
 解賭が団地に帰ると母が倒れていた。腹を鋭利な刃物で刺されていて、虫の息だった。解賭が泣きながら病院へ電話を掛けた時にはもう、母は死んでいた。
 はっと我に返った。自分の頬を、誰かがぺちぺちと叩いている。
「おい、もう港に着いたぞ。起きろよ」
 それは解賭の親友、大平翔太オオダイラ ショウタだった。翔太もギャンブル好きで、親にバレない様に通っている会員制ギャンブル店で知り合った。そして偶然、同じ高校に通っていたのだ。これには、2人共驚いた。解賭が競輪が得意なのに対し、翔太は競馬で当てるのが得意である。
 解賭は列車を降り、港に立った。海水の香りが、辺りに漂っている。解賭はこの香りが好きだ。何故なら、母が最後に連れて行ってくれた所が、海だったからだ。
 海峡丸と書かれた船に、翔太と乗る。目的地の頑丈島まで、後少しだ。翔太が言った。
「俺、船に乗るの初めてなんだ」
「えッ、マジ?」
 と解賭は訊ねる。高校3年生で、船に乗った事の無い奴なんて、見た事無いぞ。
「結構広いな。もっとこじんまりしてると思った」
「ははは、決まってるだろ。だって何千人も乗せる船だぜ」
 その平和な会話からは、もう直ぐ始動する恐ろしいデスゲームの予感等、微塵も感じさせなかった。

 船の中で、修学旅行のしおりを広げる。予定では、頑丈島への到着は午後3時30分。それに対し、今は午後3時20分だった。後10分で到着だ。解賭は退屈なので、ポケットから携帯電話を取り出し、YahOO! JAPANを開いた。そして、ギャンブルと入力し、検索した。検索結果は、直ぐに出て来た。解賭は1番最初に出て来た、ギャンブル・ゲーム無料!!と言うサイトを開いた。ギャンブルを、携帯画面で体験出来ると言うサイトなのだ。
 午後3時30分。船が港に到着した。解賭は船から降りた。港には、貸切のバスが待機していた。解賭達は、バスに乗った。全員が乗り終わると、バスは動き出した。
 解賭は修学旅行のしおりを開いた。次の目的地は、頑丈寺だった。到着予定時刻は、今から20分後である。解賭はまた、携帯を弄り始めた。頑丈寺には、直ぐに到着した。古くから存在する、伝統在る寺らしい。解賭は、次の試験に出る可能性も在ると考え、確りと説明を聴いていた。
 頑丈寺は以外に広く、説明は1時間程で終了した。そしてバスは、頑丈グランドホテルに向かったのだった。今は、5時きっかりだった。
 段々田舎の風景だったのが、都会に為り始め、やがて東京並みの大都会に変わった。解賭達はどうせ田舎だろうと思っていたので、とても驚いた。こんな都会なら、絶対にギャンブル店は1つは在るだろう。解賭も、段々わくわくして来たのだった。
 未だ未だ続きます。ギャンブルと言うかゲーム系小説(ゲーム・ノベル?)ですが、引き続き宜しく御願いします。


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