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「緊急経済対策」の政府文書の中に財源の明記がない
一昨日(1/11)、安倍晋三の「緊急経済対策」が発表され、夜のテレビのニュースのトップで大きく報じられた。昨日の朝刊もこの報道が中心になっている。10.3兆円の大型補正予算の中身がフィックスされ、その概略が紹介されたが、どうも内容が分かりやすく説明された感じを受けず、腑に落ちない。財源の中身についても、支出の綱目についても、報道として必要な検証がされておらず、納得のいく情報提供になっていない。マスコミの手抜きだと失望し、実際に
ソース
を当たって調べてきた。内閣府のサイトに「日本経済再生に向けた緊急経済対策」の
PDF資料
が掲載されている。それを見て、この「緊急経済対策」についてのマスコミ報道が大雑把で、要領を得ない説明になっている理由が分かった。政府発表の内容そのものが、政策としてどうしようもなく散漫で、やっつけ的な官僚作文の羅列なのである。だらだらとしまりがなく、言葉が浮いていて、そして実態を隠した出鱈目な資料になっている。コピーフレーズの編集としても低級で、愚劣な意図が丸見えで、まともに読む気にならない代物だ。呆れてしまう。
PPT形式
の資料はわずか3頁。中身がない。PPTの資料には数値が入った一覧表がなく、WORDの資料には最後の1頁でアバウトに添付されているだけだ。つまり、手抜きはマスコミ報道ではなく、政権と官僚に因るものだった。こんな杜撰な資料を元に報道情報を作る方が大変だと言える。
その点では、むしろ報ステでの説明は、古舘伊知郎のコメントも含めて丁寧だったと評価していい。私の1/10の
記事
の問題提起と同じく、古舘伊知郎も財源の不明瞭さに着目し、建設国債で充当する5.2兆円以外の、残りの5.1兆円の正体は何なのだという点から突っ込みを始めた。誰でもここが疑問の第一だろう。ところが番組に呼んだ解説者が最低で、元ネオリベ官僚の古賀茂明に応答をさせたものだから、曖昧な話で混ぜっ返され、番組進行の時間上の制約で飛ばされる形になってしまった。報ステのスタッフが作成したパネルには、2011年度予算の余剰金と国債利払い費の残りだと項目が書かれ、古賀茂明が、「歳出で余った予算を年度末に返してもらうこともある」などと奇妙な説明を加えていた。単年度会計の予算方式でそんなやり方があるのかと古舘伊知郎が質問を向けたが、元官僚の古賀茂明に「あるんですよ」と言い返されると、生放送の場では素人はそれ以上に追及しようがない。視聴者の誰もが腑に落ちないまま、話題は次の「バラマキ公共事業」の方へ移ってしまった。大事な事実を指摘しなくてはいけないが、公表された内閣府資料では、どこを見ても財源(歳入)に関する情報がない。何の財源で支出を手当てしたかの対応が載っていない。きわめて杜撰であり、情報公開の政府責任の逸脱であり、不自然な政府説明になっている。
5.1兆円の財源と言えば、この財政赤字の中、国民としてまさに刮眼して注目すべき巨費だ。国民が汗水垂らして稼ぎ収めた税金である。税収の1割強に相当する。その5.1兆円の財源根拠が政府資料の中に説明されていない。否、10.3兆円の財源全体の説明がない。野党は国会で追及するべきだ。報ステがパネルに示した財源項目のブレイクダウンは、記者が会見質疑で聞き取ったものか、あるいは(官邸もしくは官僚の)リークをメモしたものだろう。政府がオーソライズした情報ではなく、だから、古賀茂明もいい加減な話でお茶を濁して済ませられた。実は、昨日(1/12)の朝日の
1面記事
の表では、この5.1兆円は「予算の使い残し、埋蔵金など」という記載になっている。読売の
記事(1/8)
にある「11年度の剰余金など」の表記とも違うし、報ステのパネル説明とも異なる。つまり、マスコミ報道で統一された情報になっておらず、予算としての実体が魑魅魍魎で中身が確定されていないということだ。朝日の紙面記事では、それ以上詳しい解説がなく、支出の膨脹に対する表面的な批判に止まっている。エビデンスがないから書きようがないのだろう。これまでのマスコミ報道の中では、5.1兆円について触れたのは報ステだけになる。マスコミの現状を考えると、5.1兆円の探索がこれ以上進むとは予想しにくい。要するに、予算構造が滅茶苦茶になっていて、責任当局である財務官僚そのものの財政規律が破綻しているのだ。
財政規律の破綻は、政治家だけの問題ではない。族議員や、天下りの組織と利権と予算を無限増殖させる現業官庁の官僚の飽食の問題でもない。財務官僚が、主計局の職員が、規律を失って職務放縦の極みになっている。古賀茂明が言っていたような、最初から余る分を見越して予算を配分するなど、世界一の借金大国の財務当局であってはならぬことで、この財政危機の中で信じられない神経ではないか。職業倫理が完全に崩壊している。「入るを量って出るを制す」。資金を管理し、予算を編成する担当者は、常にこの原則に謹厳に職務しなくてはならず、まして借金で国の将来が危ない日本政府はそうだ。税収の1割もの巨額のカネが余剰になるなど、一体どういう予算の業務をしているのか。「国民の税金は1円たりとも無駄にはできない」などと言い、生活保護の監視と取締を強化し、生活保護費の
削減
へと動きながら、財務官僚はまともに現業官庁の概算要求を査定せず、余剰を知りながら言い値でそのまま承認し、税収の1割分に相当する巨費を水膨れさせている。噴飯な「事業仕分け」を演出しながら、実際には、彼らは意図的に借金を膨らませているのだ。「財政危機」をマスコミに宣伝させ、次の消費税増税の世論固めの材料にするため、そして社会保障削減を正当化するため、無理やり財政を膨脹させ、国債乱発に狂奔しているのである。当局から説明がない以上、5.1兆円が本当は何で充当されているのか国民は知る由もない。
今回の「緊急経済対策」は、総選挙時に
公明党
が言っていたところの、10兆円という数字が初めにありきのものだ。そして、年末年始の間に現業官庁の官僚が、あれもこれもと水膨れで詰め込んだものだ。指揮しているのは麻生太郞で、麻生太郞の人格に特徴的な放縦と散漫が、この政府文書の中によくあらわれている。無駄なものがいっぱい押し込まれている。こういう無駄なカネが使われ、ファイナンスのために国債が増発され、借金の山となり、財政再建だと言って増税が説得される。この10.3兆円の支出は、国民が国民の生活のために望んで国に要求したものではない。国民が要求したものが、積み上げられてこの内容になったものではない。例えば、原発政策を問うたときのように、意見聴取会の開催やパブリックコメントの募集をやり、「緊急経済対策」として10兆円をどう使うべきかを、直接に具体的に国民に問うたなら、この安倍晋三と麻生太郞の中身のない水膨れのバラマキ支出とは全く違う積み上げになっていたことだろう。そして、その中身こそが本来の「緊急経済対策」として相応しいものになっていただろう。現実に景気回復に資する政府支出になり、公共投資になっていただろう。官僚は、景気回復についてのイマジネーションをすっかり失い、効果的な税金の使い方という観念を失っている。マスコミも、政党も、何も監視の役割を果たさず、批判をしないから、税金というものは自分たちの小遣い銭だと心得ていて、無駄なものに1000億、2000億と数字をつける。ドブに捨てるように歳出を作業し処理する。
東大を出て試験に受かった者の特権としてそれをするのであり、ルーチンワークとして飽食と惰性の中でそれをする。科挙官僚。その上に立って、政府文書に了承を与えるのは、吉田茂の孫とか、岸信介の孫で生きている貴族であり、つまりは平安の藤原摂関家の貴種だ。平安時代なのだ。平安時代の朝廷の予算編成と同じであり、だから、われわれ下賤の国民は、この10兆円を納税し負担する立場であっても、その支出の恩恵を受ける立場ではないのである。カネはゼネコンに撒かれ、官庁舎の新築や改修に使われ、天下り法人の資金として裏金庫に入り、天下り法人のビルや官僚の退職金になる。戦闘機やヘリの費用として米国に流れる。そういう平安的世界の財政出動について、近代経済学のケインズモデルを当て嵌めて喋々する認識が、そもそも社会科学の感性として間違っているのだ。この政府文書は、吉田茂の孫と岸信介の孫がどれだけ痴呆かを示し、日本の官僚の堕落と思考停止を示している。
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thessalonike5
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2013-01-13 23:30
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