基調は上昇相場には違いないが、高値警戒感から来る短期的な調整はある。10日(木)、欧州中央銀行ECB理事会とドラギ総裁の記者会見があるが、その発言によっては、それを引き金として、或いはそれを用心してその前に、テクニカルな意味での調整に入る可能性がある。
11月14日(水)の解散決定によって、15日から上昇相場に移った当時、11月16日(金)、8,800円台〜9,024円の日、筆者は本稿で「罫線上は10,999円の可能性」を一応のメドとした。私のメルマガ11月18日号で述べていた予想が、既に10,700円まで来てしまった。
騰落指数、移動平均からの乖離率、連騰記録、一日の上げ幅が約2年ぶりの大幅、大発会での記録的な売買代金、5日連騰で800円高、低位株にまで広がった等々を見ると、目先的には一調整があった方が望ましい。そうでないと一年分を1〜2月中に出しつくし、昨年の“当たり屋”三木谷さん(楽天社長)が1月3日のアンケートで言うように「1月が年内最高値で11,500円」、これで相場は終わり、ということになりかねない。
目先的には軽い調整があって、空売り筋を一安心させて相場を長持ちさせ、更には買い遅れた海外筋と国内個人を呼び込む契機を作る、というのが望ましい。
J・テンプルトンが言ったように「悲観のうちに」11月15日から突如始まった1,800円幅の上昇相場が「懐疑のうちに育つ」と言うためには、ここで一下げあって、懐疑派に売らせてカラ売りも呼びこめば、この上昇相場は「懐疑のうちに育ち、楽観のうちに成熟する」ことになる。
御承知と思うがJ・テンプルトンはタダの株成り金ではない。米イェール大学(だったと思う)の後、英ケンブリッジ大学で学んだ秀才で、終生、株式市場から離れず巨富を構築して、知的で優雅な生活を楽しみ、高度成長時代に日本にも来て日本株にも大いに投資し、カリブ海の生活を長く楽しみ、数年前に死亡した。
新年早々、厭なことを言うとお思いだろうが、そうお思いになる読者諸賢は昨年3月10,255円の最高値の前に「調整必要相場だ」と本稿で何回も書き、それでも多少は上がり続けたが、結果的には3ヵ月で2,000円下がった、ということを想起されたい。その時も、「せっかくの上げ相場に『水を指すな』」という意見が多かった。
日本取引所株は大発会で初上場したと同時に、大量の売りが出て安寄りした。廃業する証券業者が持っていた東証取引所株を上場と同時に売ったからであろう。これは当然に読めた経緯でも、既報で述べたとおり、この株は東証の指標株的な存在になるという筋書きだったから、この動きは何かの暗示としてもいいだろう。
但し、今回はそんなには下がらない。深い下げはない。“日本国その物の出直り”を買っているからだ。「国策に勝る仕手はない」と言うではないか。昨年3月末からの2,000円幅の下降相場は本来下降すべき時点に、加えて海外から欧州ソブリン危機という外部要因に見舞われた故であったからだ。
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▓ 山崎 和邦
慶應義塾大学経済学部卒。野村證券、三井ホームエンジニアリング社長を経て武蔵野学院大学名誉教授に就任。投資歴51年に及び野村証券時代の投資家の資金を運用から自己資金で金融資産までこなす。
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