2013-01-12
■[ネット][マンガ][小説]「必要悪」という言葉はしばしば犠牲を強要する口実となる
横から口を出す形になるかもしれないが、昔にかかわったこともあり、気になったので。
Naoki Takahashi氏の「まおゆう魔王勇者」解説。まおゆうは本当にネオリベで戦争賛美なのか? - Togetter
@Tin_Lion: @NaokiTakahashi 批判している人って「いつか卒業するために必要」という魔王のセリフが作品中に出てくることを、把握しているんでしょうか…
2013-01-11 21:04:07 via web to @NaokiTakahashi
@NaokiTakahashi: @Tin_Lion 多分、(クラシックな唯物史観のような)歴史の流れを一方通行に規定してそこで発生する犠牲を当然視することを批判したいのだろうけども、現状から次の一手への移行にすら犠牲が必要で回避できないという譜面においては彼らは耳をふさいであーあー聞こえないなんですよね。
2013-01-11 21:06:53 via web to @Tin_Lion
@NaokiTakahashi: もちろん、そういう犠牲をまったく否定する立場もあっていいのだけど、それを彼らが普段の言動と一貫させられるかはたいへんに疑問というか。
2013-01-11 21:08:28 via web
個人的に連想したのが、マンガ『南京の真実』の終盤に登場した台詞。
批判してきた東京裁判を擁護して「しかし…」「時計の針を元に戻すわけにはいきません」「戦後という時代を迎えるための生贄が必要だったのかもしれません―――」と戦犯や遺族を激怒させそうな台詞を口にした
そこで最終的に「必要」という単語を選択し、読者も過程にすぎないとして擁護にまわりがちだから、思想面から批判されるのではないだろうか。
作品自体、多くのスレッドをまたがる長大さで、複数視点で描かれているのに、ほとんどエクスキューズらしい描写がなかった。普通なら、「キャシャーン無用の街」のようなエピソードを入れたくなりそうなものなのに。どちらかといえば作劇的な欠点だが、その欠点ゆえに反感を抑えられなかったという感想。
そのあたり、前後して@NaokiTakahashi氏も、主人公が賢くないと自覚しているという解釈をしている。
@NaokiTakahashi: 魔王が、自分のやり方は多く血を流すだろうというのは、無血革命がやれるほど自分らは賢くないということをいってるのであって。
2013-01-11 10:49:22 via web
「必要」のかわりに、たとえば「限界」という表現にてっせれば、いくらか反応は違ったものになるんじゃないかな。
ところで、前々から思っていた怒られそうなことを敢えて言う。
同じように人間社会の歴史的な変化をシミュレーションするジャンルで、導き手の意図を超えて民衆が自我を確立していく物語として、『大長編ドラえもん のび太の創世日記』という作品がある。
映画ドラえもんオフィシャルサイト_Film History_16th
たぶん『まおゆう魔王勇者』よりは政治的に正しそうな作品だ。しかし、藤子・F・不二雄原作の『大長編ドラえもん』から映画化された中では、最もつまらなかった。連載マンガとしてはバラエティある偽史エピソードで毎号を楽しめたのだが、決定的な犠牲や危機を回避し続けたために、映画原作としてはサスペンスの起伏が小さすぎたのだ。アニメ映画は、クライマックスにイメージシーンの戦闘を入れて、なんとか映画らしいアクションを描こうとしていたくらい。
私個人としては、政治的な正しさと物語の面白さが相反するとは思わないが、必ず相関するとも思っていない、という話。
- 2013-01-06 ニューニコ!−みら〜− 3/34 8%