小野、プロ１３年目の新王者！…東洋太平洋ライトフライ級王座決定戦

６回、ロープ際でキムウェリを攻める小野（左）

　◆報知新聞社後援　プロボクシングダイナミックグローブ▽東洋太平洋ライトフライ級王座決定戦　○ＷＢＣ８位・ＷＢＡ１１位・小野心（判定　２―１）東洋太平洋２位・オマリ・キムウェリ●（１２日、東京・後楽園ホール）　東洋太平洋ライトフライ級王座決定戦が行われ、世界ランカーの小野心（３０）＝ワタナベ＝が東洋太平洋２位のオマリ・キムウェリ（３０）＝オーストラリア＝に２―１の判定勝ちし、王座獲得を果たした。日本スーパーウエルター級タイトルマッチは王者・柴田明雄（３１）＝ワタナベ＝が同級１位・細川貴之（２８）＝六島＝を８回ＫＯで下し、２度目の防衛に成功。小野の戦績は１５勝（２ＫＯ）５敗２分け。柴田は２０勝（９ＫＯ）７敗１分け。

　生みの苦しみだ。ジャッジ２者が１ポイント、７ポイント差をつけた２―１の判定。勝ち名乗りを上げられた小野は「ベルトを巻くまで時間がかかったけど、うれしい」。プロ１３年目で初のベルトにも、静かに喜びをかみしめた。

　アウトボクシングを得意とする新王者は、序盤からキムウェリの圧力に後手に回った。８回には左フックでダウンを喫した。８回の公開採点では１―２とリードされたが、手数を重ね、１０回に左フックの連打で相手を棒立ちにさせ、終盤に追い上げて逆転劇につなげた。

　２００１年に花形ジムでデビュー。パッとせず、「自分を変えたかった」と昨春にワタナベジムに移籍。すると昨年６月、当時世界ランカーだった熊朝忠（中国）から金星を奪い、頭角を現した。

　同じライトフライ級の新鋭・井上尚弥（大橋）の挑戦状が届いた。所属ジムの渡辺均会長（６３）は「初防衛戦は指名試合なので、井上の挑戦を受けるのは早くてＶ２戦」と語った。今後はミニマム級での世界挑戦も視野に入れる小野は「（井上戦は）会長と相談して決めたい。今はゆっくり休みたい」と、しばし翼を下ろす。