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【サッカー】

桐光学園 夢の国立が悪夢の国立に

2013年1月13日 紙面から

京都橘−桐光学園 前半42分、京都橘の仙頭(左)に先制ゴールを決められ、ガックリする桐光学園イレブン=国立競技場で(市川和宏撮影)

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◇全国高校サッカー<準決勝>

 第91回全国高校サッカー選手権第6日は12日、東京・国立競技場で準決勝を行い、神奈川県勢で初の優勝を目指した桐光学園(神奈川)は0−3で京都橘に完敗を喫した。警戒していた京都橘の2トップに得点を許し、最後まで得点を奪えず。MF中村俊輔(横浜M)を擁し、準優勝を飾った第75回大会以来の決勝進出はならなかった。

 国立競技場のピッチに立った瞬間、桐光学園イレブンは完全に自分たちを見失ってしまった。慣れ親しんだサッカーフィールドの景色は見慣れたものとは全く違っていた。「観客だったり、グラウンドの広さだったり、国立は別ものでした。国立競技場にのまれてしまった。それは芝の上に立ってみないと分からなかった。自分もミスばっかりで、自分たちのプレーが全然できなかった。情けないし、納得できない」。司令塔のMF松井修平(3年)は唇をかみしめた。

 夢の国立は選手たちに重圧となってのしかかった。いつもなら簡単にさばけるボールは足につかない。見えるはずの味方の動きも感じられない。相手にプレッシャーを掛けるどころか、プレッシャーを受けてしまい、得意のサイド攻撃も影をひそめた。1点を先制されると、後半も立て直すことができずにスコアはいつしか0−3になっていた。

 試合前、「最低でも1点取ります」と誓って得点王を目指したFW野路貴之(3年)も「攻撃の起点にもなれなかったし、チームとしてもセカンドボールが奪えず、サイドが機能しなかった。国立は独特の雰囲気だった」とうなだれる。桐光学園が国立競技場に駒を進めたのは16年前。準優勝した当時のMF中村俊輔の伝説は伝わっていても、国立競技場の怖さは伝わっていなかった。桐光が「俊輔超え」を目指すには、まず“国立の魔物”を退治する必要があるのかもしれない。 (荒川敬則)

 

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