名古屋グランパスのDF田中隼磨(30)、MF田中輝希(20)、MF田鍋陵太(19)の3選手は12日、岐阜県海津市内で開かれた「ふれあいサッカー教室」に参加した。2013年も不動の右サイドバックとして期待される田中隼は、昨季崩壊した守備を立て直すと抱負を語った。
タイトル奪回には、鉄壁の守備を再構築するしかない。サッカー教室では笑顔を振りまいた田中隼だが、新シーズンの話題には一転して表情を引き締めた。「失点が少なくなればおのずと順位は上がる。大幅にメンバーがかわるわけじゃない。一人一人が意識を変えないと」と語気を強めた。
昨季はリーグで下から8番目に多い47失点。強固な守備を売りにしてきたグランパスにしては信じられない多さ。田中隼はオフの間、失点シーンだけを編集したDVDを繰り返し分析した。
「失点の仕方が悪い。失点にミスがからむのは仕方ない部分もあるけど、ダメージが残る失点が多すぎた」と言う。
個々の守備力アップが求められる中、田中隼が自らに課すのは「量と質」の両立だ。試合中の走行距離はチームで一、二を争う。仕事量では文句なし。田中隼は「走るのは当たり前のこと。もっと質を高めていかないといけない」。一つ一つのプレーの精度や状況判断を磨くと語った。
昨季最終戦の天皇杯準々決勝・横浜M戦(12月23日・瑞穂陸)ではPK戦で田中隼が失敗し、幕切れとなった。「天皇杯に懸ける思いは強かった。申し訳ないという気持ちは今でもある」と唇をかむ。人一倍勝ち気な男の心中は、静かに燃えている。
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