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政治
【主張】維新の会 「保守連携」を考えてよい
衆院第3党として国政に登場した日本維新の会に問われるのは、日本をどうするかの基本政策を明確にすることだ。
橋下徹代表代行(大阪市長)は11日に大阪入りした安倍晋三首相との会談で、補正予算案成立への協力要請について「まとめるものはまとめる」と基本的に応じる姿勢を示した。
補正成立が国民の利益につながるとの判断は歓迎したい。批判一辺倒のこれまでの野党との違いを示した。一方で、政権の受け皿を期待される政党として政権への道筋をどう描くのかも問われる。
参院選では、衆院選と同じ「自公過半数阻止」の路線を維持するという。だが、維新の会は「民主党は労組依存体質」としており、民主党との協力には消極的だ。野党共闘は広がりを持つのか。
その一方、憲法改正を通じた連携で自民党との保守再結集を視野に入れる選択肢もあるだろう。明確な旗を掲げてほしい。
橋下氏は安倍首相に対し、経済特区をめぐる規制緩和などの徹底を求め、統治機構改革への協力姿勢を推し量ろうとしている。
憲法改正では、安倍首相が示した96条の改正要件緩和を先行させる意向について、既に維新の会として賛成を表明している。
尖閣諸島危機をめぐり、石原慎太郎代表は安倍首相とともに、公務員常駐や漁船が避難する船だまり建設など統治強化策の重要性を唱えてきた。国家観にかかわる課題で認識を共有している点は少なくない。内外の危機を克服する上でもそれを生かせるはずだ。
早々と自民党への協力姿勢を打ち出せば「政権の補完勢力」とみなされる危惧もあるのだろうが、みんなの党など第三極内の連携で政権を樹立するメドはあるのか。自公連立を否定するなら、それに代わる保守連携の枠組みも模索すべきではないか。
党の方向性が見えにくい原因として、石原代表と橋下氏、幹事長の松井一郎大阪府知事との間で重要な問題のすりあわせが不十分な点も指摘したい。原発・エネルギー政策では「原発ゼロ」路線を批判した石原氏と「原発ゼロを捨てない」とする橋下氏の溝が埋まらないまま衆院選に臨んだ。
国会開会中は首長と党幹部を兼務する橋下氏らとの調整が課題になる。政党として機能するのか。その懸念も払拭してほしい。
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