微小粒子状物質の成分と発生源

PM2.5の成分

 PM 2.5は、単一の化学物質ではなく、炭素、硝酸塩、硫酸塩、金属を主な成分とする様々な物質の混合物です。

 東京都は、平成20年度に都内において、春季、夏季、秋季、冬季に大気環境調査を実施しています。下のグラフは、一般環境(9地点)におけるPM2.5の年平均値と主要成分の割合を示したものです。

  PM2.5_component.jpg

(注) 「東京都微小粒子状物質検討会報告書」(平成23年7月)より引用。

 ○四季毎14日(延べ56日間)の1日値を平均したものである(秤量条件:温度21.5±1.5℃、相対湿度50±5%)。

 ○一般環境9地点の平均値である。

 ○otherには、金属成分、水分、有機炭素に結合している水素や酸素などを含む。OCは結合している水素や酸素などは含まず、炭素のみ。

(※本結果は、「大気中微小粒子状物質(PM2.5)測定方法 暫定マニュアル 改定版(平成19年度7月 環境省)」に準拠した測定方法を採用しています。平成21年9月に告示された環境基準の測定方法とは異なりますので、環境基準との直接比較はできません。)

PM2.5の発生源と生成機構

 PM 2.5などの粒子状物質は、生成機構により発生源から大気中に排出された時に既に粒子となっている「一次粒子」と、排出された時は気体であるが、大気中で化学反応を起こし、粒子化する「二次生成粒子」とに大別されます。また、発生機構によっても人為起源と自然起源とに分類されます。

 

人為起源

自然起源

一次粒子

ばい煙発生施設(ボイラー、焼却炉等)

粉じん発生施設

自動車、船舶、航空機

家庭等群小発生施設(調理、給湯器等)

その他(野焼き等)

土壌

海洋(海塩)

その他(火山活動、森林火災、花粉等)

二次生成粒子

二次有機粒子(産業活動、燃焼由来のVOCの変換)

SO42-(燃焼等由来のSO2からの変換)

NO3-(燃焼等由来のNOxからの変換)

NH4+(畜産等由来のNH3からの変換)

Cl-(燃焼由来のH Cl からの変換)

二次有機粒子(植物や森林火災等からのVOCの変換)

SO42-(火山からのSO2、海洋生物からの硫化物等からの変換)

NH4+(土壌生物等によるNH3からの変換)

NO3-(土壌、落雷、森林火災などのNOxからの変換)

 

 PM 2.5などの粒子状物質の発生源としては、ボイラー等のばい煙を発生する施設、自動車、船舶等の移動発生源、塗装や印刷等のVOCを発生させるものなど、多種多様な人為起源があります。また、自然起源としては、火山や黄砂の他に、植物から蒸発するVOCなどもあります。

 PM2.5_source.jpg

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